ハピネス (光文社文庫 き 21-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772345

感想・レビュー・書評

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  • タワマンに住む女達。
    見栄と嫉妬と嘘にまみれた女達が繰り広げる物語。
    面白かったです。


    他人に振り回されず、
    平和に生きていきたいと思いました。

  • 高級タワーマンションに暮らす岩見有紗は窒息寸前だ。ままならぬ子育て、しがらみに満ちたママ友たちとの付き合い、海外出張中の夫・俊平からの離婚申し出、そして誰にも明かせない彼女自身の過去。軋んでいく人間関係を通じて、徐々に明らかとなるそれぞれの秘密。華やかな幸せの裏側に潜む悪意と空虚を暴き出す。

    ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
    子育てはとっくに終わり、ママ友やタワーマンションなどの接触点はほとんど見つけられないのに、読みだすと止められないほどの牽引力。さすが桐野さんである。
    ママ友の中で一番影が薄い有紗が主人公で、掴みどころのない彼女がどうしてと不思議に思いながらも、きっと桐野さんの目に適う女性なのだろうと期待しながら読み進む。思った通り有紗の背景が浮き彫りになり、そうかそうかと相槌を打つ結末が待っていた。冒頭に描かれた彼女からは到底想像がつかなかった。有紗さん、やるじゃないの!
     続きが『ロンリネス』という作品らしい。早速、図書館に予約する。

  • 読み始めは、タワーマンションに住むママ達のありきたりな話?
    と思ったが、登場人物ひとりひとりの描写が素晴らしく、次第に頁をめくる手が止まらなくなる。
    華やかに見えるタワマンでの生活。
    しかし、みんな影の部分もあり、隠されていた過去や現在の嘘たちが暴かれる。
    生きるって必死だな、と。
    それでも前を見て一歩一歩生きていこう。と思う。
    いつもの日常の、小さな幸せを感じとりながら。

  • おぉ、、、
    評価が難しい。
    1日で一気読みしたけど、、

    私は現在40代前半の田舎の正社員で働く妻兼母親だが、こういう物語は重なる部分もかなり多い。
    全く価値観は合わないけど(笑)

    主人公は30代、東京のタワーマンシヨンに住む専業主婦。

    20代の頃離婚をしており、現在同居の子供は二人目の子供。
    その子供を産んだ時、現在の旦那が初めて経産婦ということを知らされ、二人の関係に亀裂が生じていく。

    仲の良かったママ友の間の中でも、次第に問題が起きる。

    都会ならではの悩みも多く、その辺は全く感情移入できないが、幼い子供を育てる母の気持ちは少なからず理解でき、気がつけば一気読みしていた。

  • ただ単純にかわいそうな人はほとんどいなくて、かわいそうな人をどんどん追い込むようなストーリーが苦手な私には良かった。
    けど、高層マンションにはほんと住みたくないとあらためて思った。
    分厚いけど一気読みでした。

  • ハピネス=幸福

    タワマン怖いよー。怖いよー。
    マンションの中の世界に支配されて生活してたら窒息しちゃうよ。。。家=ホッとできる場所。でありたいのに、そう出来ないなら私は住みたく無いかなー。景色とかは良さそうだけど^_^

    読んでるうちにそうゆう世界の中ではみ出さない様にしようと頑張る有紗。次は失敗したく無いと頑張る有紗を応援したくなった。この先有紗に良い生活が待っている事を願って。。。

    続編ロンリネスも読んでみようかな。

  • 東京湾にそびえる高級タワーマンション(話題の豊洲かな)
    に、あこがれの結婚生活をしているヒロイン
    女の子を授かり、夫は海外単身赴任中

    彼女は幸福か?
    もちろん、ストーリーがそうならないのが桐野さん
    でも、わたしは不幸を描いたのでもないと

    彼女の過去、夫からの離婚申し出の裏側
    そんな複雑な事情もありふれていて
    桐野さんの筆力でなかったら面白くもなんともないような

    しかし、齢経たわたしが一歩も二歩も引いて読みながらも
    ストーリーに引き込まれて、楽しんで読んでしまったのであった

  • ママさんたちの幸せの裏側に持つ秘密が描かれた、面白く、怖い物語。

    高級タワーマンションに暮らす幼い子供を持つママさんたちが幸せの裏側に持つ秘密が少しずつ明らかにされる。

    主人公の岩見有紗は海外出張中の夫を持つ、一児の母親なのだが、誰にも言えない過去と現実があった。そして、ママさん友達のリーダー格の幸せの絶頂にいる竹光裕美には…有紗のママ友の栗原洋子には…

    まるで砂上の楼閣か蜃気楼のような儚い幸せと、そんな儚い幸せの裏側、不幸の裏側には必ず幸せがあるという人生の機敏が描かれている。

  • ママ友付き合いの難しさや、夫婦結婚の在り方について、面白いテーマでスイスイ読めるけれど、作り話感が強くてなんだかしっくりこなかった。

  • みなが憧れる高級タワーマンションに一人娘と暮らす岩見有紗。よきママでいるプレッシャー、子育て、●●ちゃんのママと呼ばれるしがらみだらけのママ友、見栄の張り合いと悪意、アメリカに逃げるようにして離れていった夫、そして誰にも言えなかった自分の過去と失敗…。1人のママ友と出会ったことから様々な人の抱える秘密が徐々に明らかになり…。

    いや~おもしろすぎて一気読みしてしまった。

    私はママ友の世界は知らないけど、女の人だったら似たような感じのことって学校や職場で絶対に体験していると思う。いや~もうホントに「わかる~」的な女性独特のにちゃにちゃした感じをここまで描くのって桐野夏生さんってすごいわ~!!

    なんだろね~殺人事件とか起こらないのにドキドキするこの感じは他人の秘密をのぞき見るような暗い喜びというのか…で、ラストまできちんとヒヤヒヤさせてくれるとは!!

    でもって、何気なく掲載先を見て仰天!
    雑誌の「VERY」だったのね!?
    まさか「VERY」でこの連載…
    読者はどう思って読んでたんだ?
    そこ、めちゃおもしろいじゃん!!

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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