- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334772536
感想・レビュー・書評
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ほんの数分の隙をついて誘拐された三歳の女児・美菜。
犯人からの要求もなく、美菜の安否も確認できないまま時間だけが過ぎていく。
なかなか進展しない捜査が続くなか、ひとつの目撃情報が犯人とおぼしき男の容疑をより色濃くしていく。
男は18年前に起きた連続幼女誘拐殺人事件の容疑をかけられ、アリバイ成立でリストから外された男だった。
裁判で有罪が確定しなくても、たとえ不起訴となっても、世間は有罪の烙印を押す。
本当のことなどわからなくても、マスコミや噂に踊らされていく。
犯人かもしれない人は、いつしか犯人だという断定へと変わっていく。
そして、一度有罪の烙印を押されたら、真犯人が逮捕されるまでけっして消えることはない。
現実にも似たような状況に追い込まれた人たちが何人もいる。
真実は当事者である犯人しかわからないものかもしれない。
だからこそ、法的機関への信頼を揺るがすようなことがあってはならない。
「共犯」というタイトルに込められたいくつもの意味が心に刺さる物語だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一人の少女が誘拐される。
少女の母親は、過去に秘密を抱えていた。
巧妙なトリックや天才的な探偵役など、いわゆるミステリ的な要素は薄いが、なぜ少女が誘拐されたのか。「どうして?」という単純な問いをしっかりと追った読み応えのある作品。面白かった。
どうしようもないんだろうけれど、後半が説明調になるのが勿体ないと感じる。
そして、読み終えると、一番の被害者とは誰だったのだろうか、と考えてしまう。
読み返したい。 -
偶々もしかして?と思った通りのオチだった〜。
刑事小説寄りに捉えると警察の強引さというか雑さにびっくりするから、幼女を誘拐された母親視点寄りで読むのがいいと思う。 -
3歳の女の子の誘拐事件。身代金の要求なし。ちょっと複雑な家庭環境。