優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 267
  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772895

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  • 犬の姿となって地上で働く死神の奮闘。
    未練や苦しみを救いながら、心温まる展開へ。

    死神は犬の姿で地上のホスピスに遣わされ、レオという名になりました。どうやら左遷?いや修行でしょうか。
    死に直面した人間が心残りから地縛霊になるのを阻止して、あの世へ送るのが死神たちの務め。
    レオは可愛いレトリーバーの見た目で周りをほっこりさせつつ、考えていることは気難しいおっさん?風なのがおかしい。
    入院患者たちの様子を探り、事情を解き明かしていきます。

    戦時中の悲しい恋。
    洋館で起きた殺人事件。
    そして、色彩を失った画家。
    ひとつひとつの未練を解消する一方で、病院に忍び寄る脅威が…?
    人間との交流を重ねるうちに、優等生的だが仕事以外には興味がなかったらしい?死神にも、次第に心の変化が訪れます。
    軽いだけではないけれど、死を扱っている割には、ほのぼのとした読後感で、癒されました☆

  • なんとハートウォーミングでミステリアスな小説なんだろう。見事に著者の術中にはまってしまった。

    死神が犬に姿を変えたファンタジックでユーモラスな小説かと油断していた。面白さで言えば、『誰がための刃』のハードな展開に、『天久鷹央シリーズ』のユーモラスでミステリアスなスパイスを足したような感じかな。

    人間の魂の回収係の死神がゴールデンレトリーバーのレオに姿を変え、人間界に派遣される。レオの使命は、この世に未練を残す人間の魂の地縛霊化を防ぎ、我が主様のもとに魂を導くことだった…

  • 読み始めたときは、
    犬(中身は死神)が一人ずつ未練を取り除いていく、ほのぼのした短編集的な小説かな?と予想し、正直ありきたりだな〜と思ってしまいました。

    しかし徐々に話が繋がっていき、後半からはちょっとしたミステリー要素も含めながらハラハラさせられる展開になり、良い意味で予想を裏切られました!


    レオ…心の暖かい優しい菜穂ちゃんと出会えて本当に良かったね。
    これからも、人間に寄り添う天使として、良い仕事を続けてね。

    終わり方は切ないですが、胸にじーんと響くような素敵な読後感を味わえました。

  • ゴールデンレトリバーの体に封じ込められた「死神」レオ。
    この世に未練を持ち地上に留まろうとする「地縛霊」予備軍を、無事あの世へと導く使命を果たすため任務に励む。

    自分の余命が残り少ない、という現実に直面した時、大なり小なりこの世に未練を持つのは仕方のないことだと思う。
    今までの人生や残していかなければならない大切な人達に対する想いや後悔。
    無事未練を断ち切って残りの余生を、例え短期間でも満足に過ごしたい。
    レオにより心穏やかな最期を迎えられた人達は自分の人生に満足できただろう。
    私の最期にもレオのような愛嬌のある心優しき「死神」に来て欲しい。

  • 犬の姿を借りて
    地上に派遣された死神のレオは、緩和医療病院といわれるホスピスで
    余命を宣告された人たちの死んでも死にきれないこの世に残る「未練」を
    その”地縛霊”から解き放ち、死後の魂が天に召されるようにしていく使命を受け

    戦時中に経験した悲恋に悔やむ老人
    殺人事件の冤罪を引きずる男、そして
    才ある画家としての色彩を失った若者....と

    いずれもどこかに「誤解」があって
    ちょっとしたすれ違いで生じた思い違いがいつまでも心に重くのしかかり
    死ぬまで悔やみ続ける人の心にレオは、催眠をかけ、あるいは
    夢の中に入り込んで誤解を解き、この世を去ることに
    未練がないようにしてくれます。

    これにはホスピスとなってる古い洋館そのものと、そこに以前住んでいた
    不思議な家族が絡んでいる..??

    洋館とその家族は”疫病神”なのでしょうか...。

    前半はレオが一人一人の”地縛霊”を解いていくのですが
    レオは地上に降りてまだ死を迎えてはいない人と出会って
    ”人の温かさ”と”愛”というものを知ってしまったのですね。
    それとしゅうくりいむ。(笑)
    後半は自分に課せられていた使命の掟を破って、罰を受ける覚悟で
    思わぬ行動に出るという方向に変わります。

    ドキドキしてハラハラしてもしかして!?....と
    気持ちも盛り上がり、力の弱いものたちが協力し合って
    悪者をやっつけた!という達成感は
    清々しく爽やかなものでした。

  • 左遷され犬として地上に降りることになった死神。
    最初に出会った看護師によってレオと名付けられ、緩和ケアの病院で暮らすことに。
    未練のある患者たちの魂を救ううち、レオの心にも変化が。

    この世に未練があるまま死を待つ患者たちの心を救う死神。
    死ぬという事実は変わらなくても、こんなにも受け止め方は変わるのかと、現実もそうなのかなと考えました。
    レオのような死神がたくさんいればいいのにな。

  • 死神が犬の体に入って、死期の近い人間の未練を解消していく話。

    ゴールデンレトリバーなのに、口調がものものしくて良い。
    犬は死にません。
    最後は穏やかな気持ちとともに、改めて死について、未練について考えさせられた。

    比較的色んな人に薦められる内容だと思う。

  • 人間世界のホスピスにやってきた、犬の姿を借りた死神のレオ。
    死を前にした人間の未練を消し、地縛霊とならないようにするため、人間と関わり始める。
    ミステリーと呼ぶには軽めで、事件の経過は予想通りな感じだが、囚われていた未練から放たれた人間だけでなく、死神レオも人間との関わりによって変化していく様が、読んでいて気持ちが良かった。

  • 徐々に人間(犬)らしい感情をおぼえる死神が愛おしかった。

    正直、どミステリーと思って読み始めたので、第2章くらいまではミステリー要素皆無&ファンタジー強めで何度か読むのを諦めそうになりました。
    それでも読み続けると徐々に各章のピースがはまりあって、ミステリー要素も出てきて、後半はテンポよく読むことが出来ました。

    シュークリームのくだり等はくすりと笑えて、菜穂とのやり取りは感動的で、読み終えた後はじんわり心が暖かくなる1冊でした。

  • 3つのほっこり系の話がつながって、ハラハラする事件に。「死」を正しく見つめ、人生は有限であることを意識して毎日を生きることは大事だと感じた。

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著者プロフィール

●著者紹介
1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。2012年、同作を改題、『誰がための刃』(講談社、後に『レゾンデートル』実業之日本社)で作家デビュー。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、2015年『仮面病棟』(実業之日本社)が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』(実業之日本社)『ひとつむぎの手』(新潮社)で、2018年、2019年、2020年本屋大賞連続ノミネート。近著では『傷痕のメッセージ』(KADOKAWA)がある。

「2021年 『島田荘司選 日華ミステリーアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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