優しい死神の飼い方 (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334772895

感想・レビュー・書評

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  • 犬の姿を借りて
    地上に派遣された死神のレオは、緩和医療病院といわれるホスピスで
    余命を宣告された人たちの死んでも死にきれないこの世に残る「未練」を
    その”地縛霊”から解き放ち、死後の魂が天に召されるようにしていく使命を受け

    戦時中に経験した悲恋に悔やむ老人
    殺人事件の冤罪を引きずる男、そして
    才ある画家としての色彩を失った若者....と

    いずれもどこかに「誤解」があって
    ちょっとしたすれ違いで生じた思い違いがいつまでも心に重くのしかかり
    死ぬまで悔やみ続ける人の心にレオは、催眠をかけ、あるいは
    夢の中に入り込んで誤解を解き、この世を去ることに
    未練がないようにしてくれます。

    これにはホスピスとなってる古い洋館そのものと、そこに以前住んでいた
    不思議な家族が絡んでいる..??

    洋館とその家族は”疫病神”なのでしょうか...。

    前半はレオが一人一人の”地縛霊”を解いていくのですが
    レオは地上に降りてまだ死を迎えてはいない人と出会って
    ”人の温かさ”と”愛”というものを知ってしまったのですね。
    それとしゅうくりいむ。(笑)
    後半は自分に課せられていた使命の掟を破って、罰を受ける覚悟で
    思わぬ行動に出るという方向に変わります。

    ドキドキしてハラハラしてもしかして!?....と
    気持ちも盛り上がり、力の弱いものたちが協力し合って
    悪者をやっつけた!という達成感は
    清々しく爽やかなものでした。

  • なんとハートウォーミングでミステリアスな小説なんだろう。見事に著者の術中にはまってしまった。

    死神が犬に姿を変えたファンタジックでユーモラスな小説かと油断していた。面白さで言えば、『誰がための刃』のハードな展開に、『天久鷹央シリーズ』のユーモラスでミステリアスなスパイスを足したような感じかな。

    人間の魂の回収係の死神がゴールデンレトリーバーのレオに姿を変え、人間界に派遣される。レオの使命は、この世に未練を残す人間の魂の地縛霊化を防ぎ、我が主様のもとに魂を導くことだった…

  • ゴールデンレトリバーの体に封じ込められた「死神」レオ。
    この世に未練を持ち地上に留まろうとする「地縛霊」予備軍を、無事あの世へと導く使命を果たすため任務に励む。

    自分の余命が残り少ない、という現実に直面した時、大なり小なりこの世に未練を持つのは仕方のないことだと思う。
    今までの人生や残していかなければならない大切な人達に対する想いや後悔。
    無事未練を断ち切って残りの余生を、例え短期間でも満足に過ごしたい。
    レオにより心穏やかな最期を迎えられた人達は自分の人生に満足できただろう。
    私の最期にもレオのような愛嬌のある心優しき「死神」に来て欲しい。

  • 左遷され犬として地上に降りることになった死神。
    最初に出会った看護師によってレオと名付けられ、緩和ケアの病院で暮らすことに。
    未練のある患者たちの魂を救ううち、レオの心にも変化が。

    この世に未練があるまま死を待つ患者たちの心を救う死神。
    死ぬという事実は変わらなくても、こんなにも受け止め方は変わるのかと、現実もそうなのかなと考えました。
    レオのような死神がたくさんいればいいのにな。

  • 死神が現世にきて犬となって人間の魂を救う。設定は結構ぶっ飛んでるけど面白かった。
    正直話の展開は読めるところも多い。けどいままで仕事として人の魂に関わるだけで興味を全く持っていなかったレオが、菜穂や病院の人たちと関わるにつれて人間の存在にどんどん惹かれていく描写がよかった。
    もうすぐ死んでしまう人間の臭いを嗅ぎ分け、その魂を未練から救うために奔走するこのお話には、4人の未練を抱えた人間が出てくる。一見なんの関わりもない4人に見えるが、物語の最後ですべてが繋がっていたことがわかる。
    感動すると共にとてもよくまとまっていた。
    続編は猫が出てくるらしいのでそちらも読んでみたい。

  • 犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷…もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた…。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。

  • 犬の姿に封じられ、地上に左遷された死神のレオ。
    死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていく。
    ここまでである程度ストーリーが想像できるかと思いきや、後半はなにやら雲行きが怪しく、はらはらする場面もあり、読み応え十分。
    そして、優等生ながら自分が案内する魂たちの行く先さえ興味のなかった死神も、ホスピスで出会った人々と触れ合う中で、変化を遂げていく。
    最近、帯の「涙」とか「感動」とかいう言葉に踊らされてきたが、これは文句なし。エピローグでレオが語る「未練が生まれる理由」がまたぐさりとくる。

  • 黒猫の小夜曲と読む順番が逆だった。
    現実離れしているストーリーだが、面白く一気に読み終えた。
    医師である作者は毎回どのような病気を取り上げるのか考えてから執筆するのであろうか?

  • 犬の姿でこの世にやってきた死神のレオ。
    その口調がどうもなじめなかったんだけど、地縛霊候補のホスピスの患者を救う展開はよかった。
    あくまでも仕事って主張してるけど、本当にー?(笑)
    終盤は手に汗握る展開で、どうやって切り抜けるのか、どきどきしちゃった。
    とことん魂が汚れた奴の末路が、いい気味ー。
    それにしても、主様、神様?の采配がGJである♪

  • 犬の姿を借りてこの世に左遷された死神が、人間を地縛霊になりそうな未練から解き放とうと奮闘するうち、下等だと見下していたはずの感情が芽生え、あふれ出す物語。

    何しろ表紙がかわいい。表紙を見せて棚に飾ろうと思う。
    手に取りやすい文庫本で、朝読で少しずつ読み進めるのにもいい感じ。中高生が読書の楽しみを知るのにちょうどいい。

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著者プロフィール

知念 実希人(ちねん みきと)
1978年、沖縄県生まれ。医師。2011年、第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビュー。その他の作品に『螺旋の手術室』(『ブラッドライン』改題作)、『優しい死神の飼い方』(死神シリーズ)、『天久鷹央の推理カルテ』シリーズなどがある。
近刊として2018年9月刊行の『ひとつむぎの手』。

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