彼女の家計簿 (光文社文庫 は 35-2)

著者 :
  • 光文社
3.60
  • (53)
  • (143)
  • (146)
  • (16)
  • (7)
本棚登録 : 1839
感想 : 133
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773205

作品紹介・あらすじ

『三千円の使いかた』が大反響の著者の、心震える感動作!
女が生きるためのお金のこと、家族や仲間との関係。70年前の家計簿から、大切なメッセージが届きます。
失業中、シングルマザーの里里の元へ、疎遠にしている母親からぶ厚い封筒が届く。五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたという家計簿だ。備考欄に書かれた日記のような独白に引き込まれ読み進めるうち、加寿とは、男と駆け落ち自殺したと聞く自分の祖母ではないかと考え始める。妻、母、娘。転機を迎えた三世代の女たちが家計簿に導かれて、新しい一歩を踏み出す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 勝手にやりくりの指南書みたいな感じの内容を想像してたけど全然違った〜
    家計簿って言うより、日記かな。
    希薄な母娘関係の朋子と里里。
    ある時母から、祖母の物と思われる家計簿をNPO団体が保管してくれている事を知らされる。
    祖母、母、娘、それぞれの時代背景と女性の立場、それぞれの選んだ生き方を描いた作品だった。

    思っていたより内容は重めだったけど、ひ香さんだからそこはさりげなく、とても読みやすかった。
    なんとなくミステリーっぽさもあって面白かったな!
    それにしてもここに出てくる男の人、みんな最低〜笑
    そしてとりつく島もないほど、つっけんどうな朋子。
    なかなか厄介な人が多かったな〜笑

    今と昔では女性の社会での立場も変わってきてるけど、シングルマザーとかが働きやすい環境が、もう少し整うといいのにな〜と思う。

  • 原田ひ香さんの作品は読みやすく、あっという間に引き込まれます。個人的には作品の舞台の谷中周辺に所縁があるので、より思い入れ深く読めました。

    戦時中のとある女性が付けていた家計簿の添え書きが、この女性との縁のある、現代に生きる女性たちの人生に少しずつ影響を与え始める。やがて、それぞれが抱える過去の傷と向き合い、区切りをつける時が訪れる。そのような物語で、女性の自立というテーマが底流にあるようです。

    現代の展開の合間に、少しずつ差し込まれた当時の家計簿の添え書きが謎めいていて、続きを読みたいという気持ちにさせてくれます。自身もスマホで淡々とした日記を書いているので、作中の添え書きの書き振りにも共感を覚えました。

  • 戦前から終戦後までに書かれた加寿の日記のような家計簿とNPO「夕顔ネット」を通して、加寿と孫の里里が長い年月を経て繋がり、過去をたどって事実が明らかになる。
    タイトルと表紙だけ見ると、明るい楽しい話のようだが、想像していたより何倍も重くて深い話だ。
    過去と現在と往復しながら展開していく話は、以前読んだ原田ひ香さんの『口福のレシピ』と同じ手法だ。
    最後に家族のもつれたしこりが少しほぐれるところにほっとする。
    女性は家のことをやり子どもを育てればいい、外で働くことに理解されない戦前戦後の時代の悲劇なのか、加寿の人生を思うととてもつらい。
    里里が加寿の家計簿から真実に辿り着いたことで、加寿の人生も少しは救われたのかもしれない。

  • 女性の自立。女性の幸せ。時代や出会いによって様々と移り変わる。
    読後の感想を誰かと語り合いたい。

    価値観が多様化する現代だからこそ、個人それぞれが見えない世界や考えない世界が増えていく。日常にふれない価値観に出会えたという意味で良い読書時間であった。

    女性の自立や幸せを考えるとき、それは男性についても同時に考えるときなのである。話の中でも出てきたが、そこには純粋で冷静な目線だけでなく、嫉妬や比較などの感情がついてくる。それがなかなかにめんどくさい。

    そういえばこの小説は男性の登場人物が少ないな。

  • 家計簿の本ではなかった(笑)。突然渡された昭和17年頃からの古い家計簿の備考欄に記載された日記みたいなものを読みながら、戦後と現代の女性の生き方を描くお話です。

  • 初読みの作家さん。
    シングルマザーの里里のもとへ、疎遠にしている実母から届いた大きな封筒。その中には、加寿という、祖父の妻らしき女性が戦前から書いていた家計簿が入っていた。
    備考欄に書かれた独白に引き込まれながら、彼女の、そして自分自身のルーツを探っていく。

    この加寿という女性は果たして、心中したと聞かされていた祖母なのか…?と、謎解きをするように読み進め、少しずつ真実に近づいていくので引き込まれます。
    なんと言うか、人の強さや弱さみたいなものを描く力が素晴らしくて、登場人物に対して「この人嫌いだな」「好きだな」という感情を抱いたりするものの、その背景にあるその人の弱さ、それがどこからくるものなのか、などもよく描かれているので読者の感情をシンプルな好悪に留まらせない巧みさがあるような気がしました。

    誰もが過去で傷を負っている。
    傷と向き合いながらひたむきに生きている。
    その生きざまは人それぞれで、なんだかとても尊いもののように感じたのです。
    傷ついた経験と向き合う中で、あるいは目を背ける中で、他者に対して貢献的になる人もいれば、排他的になる人もいるし、結果として思いがけない見方を他者からされる人もいる。何が正しい、というのではなく、みんな一生懸命で、そんな強さや弱さも含めて「人間だなあ」と何度も感じるのでした。

    彼女の他の著作もぜひ読んでみたい。偶然手にしてよかった1冊でした。

  • 祖母の家計簿をきっかけに、様々な女性の生き方見つめる。加寿さんは誰にも言えない気持ちを家計簿に記していた。そうすることで自分の気持ちを見つめ、整理していたのに。
    登場した女性は、苦しい経験をして癒えない傷や過去を抱えているけど、それぞれに大切なものを見つけて進んでいく。受け止めてくれる場と仲間の存在に救われます。

  • え?また?
    サイコパス里子!
    執着心の権現!
    永田がゲスでよかった。
    これで、サッパリスッパリ過去とおさらばできるよ。晴美さん

    ある意味里里さんと、里里さんパパも朋子さんも被害者ね。
    加害者は加寿さん?
    善吉と姑?
    せめて、がんじがらめな朋子さんの心が少しでもほどけたら、啓ちゃんがおばあちゃんに抱っこされたら、と思います。


    「富士屋」さんや「パピヨン」
    が出てきてちょっと嬉しい。

    2016年7月 初版1刷発行

  • タイトルが気になって購入。

    お金の話かと思いきや、そうではなく。
    どちらかというと、家計簿兼日記を通して、辛い経験をした女の人たちが繋がっていくストーリーでした。
    個人的にはみんな悲惨すぎて、あまり感情移入はできなかったかも?(戦時中のお話しは理解できました)

    でも、家計簿の使い方って確かに人それぞれだなと思ったり。
    お金の使い方からもその人の性格とか考え方がなんとなく読み取れる。(そもそも散財する人は家計簿なんてつけないだろうから、家計簿をつけているってだけでお金を大切にする人だということはわかる)

    続くかどうかが問題だけど、今年は紙で家計簿つけてみようかな〜

  • シングルマザー失業中の里里の元へ誰かが書いた
    家計簿が届く
    読み進めていくうちに自分の祖母のものではないかと考え始める

    過ち、道を外したからもう駄目なんてことはなくて
    また努力すればいい

    戦争/家計簿/シングルマザー

全133件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

原田ひ香の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×