落ちぬ椿: 上絵師 律の似面絵帖 (光文社文庫 ち 6-1 光文社時代小説文庫 上絵師律の似面絵帖)
- 光文社 (2016年7月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334773281
感想・レビュー・書評
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女絵師が主人公のシリーズ1作目。
上絵師とは、着物の柄を描く職人のこと。注文に応じて描くので、芸術性も高い仕事ですね。
律はふた親を亡くし、一回り下の弟と一緒に、神田相生町の裏長屋で暮らしています。
父は上絵師で腕が良かったのですが、5年前に母が亡くなった時に父も怪我をして、以前のようには仕事が出来なくなっていた。
子供のころから父を手伝っていた律は、父の代わりに仕事を仕上げるようになっていたが、やはり怪我で腕が落ちたとささやかれる。
父も亡くした今、弟を育てるためにも、自ら腕を上げて上絵師として認められたいのだが‥
長屋の隣には教養ある寺子屋の先生が住んでいて、見守ってくれているし、幼馴染の涼太やその妹の香もおやつ時にやってくる、心地いい環境。
涼太とは、ほのかに思いあっているが打ち明けたことはなく、律の方は身分違いと諦めていました。
涼太は大きな茶屋「青陽堂」の跡取り息子だから。
ある日、頼まれて事件にかかわる似顔絵を描いてみたところ、これが良く似ていて解決に役立つという出来事があり、律のところへは何かと相談が持ち込まれるようになります。
と、要素がてんこ盛り!
どっちへ転ぶのか? 1作目では先が見えませんが。
律のつつましく真面目な人柄と、丁寧な書きぶりが合っていて、好感が持てます。
周りの人たちも江戸の町なかに現実にいそうで、ほとんど良い人ばかり。
楽しみなシリーズの始まりです。
この続きも、ずうっと読んでます☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青陽堂から前掛の注文があって良かった(´;ω;`)
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【記録】
上絵師 律の似面絵帖シリーズの1作目。
2016.07発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
残念です。
知野みゆきさんの本を見るのは始めて。
皆様のレビューを見て予約するが、字が小さくて読めず。
面白そうに思えるのだが、残念、返却する。
※【記録】の説明は、プロフィール欄に書いて有ります。 -
知野みさき 著「落ちぬ椿」、上絵師 律の似面絵(にづらえ)帖シリーズ№1、2016.7発行です。母は辻斬りに殺され、父も不審な死に方をし、9歳の弟慶太郎と暮らしている律21歳、上絵師として修業中、上手な似面絵が功を奏して事件などの解決に。律の幼馴染みで、今は茶屋「青陽堂」の若旦那である涼太22歳の思いは律一筋。涼太の妹、香21歳は律と大の仲良し、相生小町と呼ばれ銀座の薬種問屋に嫁ぎ、兄涼太と律の気持ちを応援。律と涼太、お互いを思いつつ、身分の違いを越えられるのか、どうなのか、これからの進展が気になります!
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着物に絵付をする上絵師という女性職人律さんの物語。
幼馴染の大店の跡取り息子涼太と仕事を持つ女性である律の恋愛の難しさに加え二人の身分差もあって関係は幼馴染のまま進展せず。想い合っている二人だけど想いの在り方は違っていて涼太は律と一緒になるつもりで店で精進しているが、律は涼太とは添い遂げられるとは思っていない。女性の方が現実的です。
しかし和菓子屋さんのシリーズもそうだけど両片想いな関係性がお好きな作者さんなんだろうか。
涼太への想いを断ち切れない律に読んでいて少々めんどくさい気持ちになる時がありつつ好きなんだものね。しょうがないね。若いって大変だよね。ともなる。
正直上絵師としてのお話をもう少し読みたいなあと思ってしまったシリーズ1巻目でした。 -
お仕事小説というか時代小説というか。
江戸の頃の価値観と現代もそんなに変わらないところもあり、変わったところもあり、
面白いなと思いました。 -
L 上絵師 律の似面絵帖1
初作家読み。
なにか足りない。重厚感のなさなのか、薄っぺらさをぬぐえず。その理由を考えると、20歳を超えた娘が一人で職人と言っていたり(当然腕のなさは当人も承知しているわけだが)、やたらお茶飲んだり厄介ごとに関わって職人たる姿が乏しいことや、幼馴染が大店の葉茶屋の若旦那としては立ち位置がはっきりしないことや、若旦那が両親を母さま父さまと呼んでいる違和感や、律が描いた似顔絵の当人が都合よく身近な人間が見かけるとか。御都合主義なところが鼻につくのかな。
そんで母を辻斬りで亡くしていて犯人探しとか、父親の死も疑念がありそうだし、更に自分の若旦那への恋心ってどんだけ詰め込めば気がすむんだ!といいたい。
職人語るのにそんなふらふらでいいのか。
いやーやっぱり詰め込みすぎで軽くなってる気がする。
事件はあるけど解決したらそれっきりだし。
ツッコミどころ満載。