まつりのあと (光文社文庫 は 34-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773311

感想・レビュー・書評

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  • 2017年、21冊目は、花房観音、「まつりシリーズ」第3段。

    今回は平安神宮での、結婚式をきっかけとした、6編の連作短編。今回もタイトルのみ紹介。

    帷子ノ辻
    安井金比羅宮
    随心院
    戻り橋
    高瀬川
    平安神宮

    光文社の「まつりシリーズ」となっているが、前2作とはフォーマットが大きく異なる。前2作は京都の実際の「まつり」や、その縁起、行われる場所に絡めた官能小説集だった。それに対して、『まつりのあと』は、まず、官能では括れない。中盤の「随心院」は官能度、激低。「戻り橋」ではよく効くスパイス的。全体としても、官能を期待すると、スライダーでかわされることとなるでしょう。次に、舞台となる、京都の地を絡めてはあるが、具体的な「まつり」とは切り離されている。今回は「結婚(式)」「恋愛」「性交」が「まつり」として捉えられ、6通りの「まつりのあと」が描かれています。

    自分、この方の、時にストレートで押し、大きく落としたり、手元で微妙に変化させたりと、多彩で、繊細な表現と、人物描写は大好物です。幾つかは引用登録しておいたので、ドレがストレートか、フォークか、ツーシームか、感じてみてください。ただし、試合の流れ(本編)とダイジェストの違いはありますよ。

  • 平安神宮であげられたある結婚式の関係者たちをめぐる連作。前二作と比べて官能的な描写は少なく、人生や人生における恋愛観、結婚観などが描かれている。『まつりのあと』というだけあって、寂寥、孤独、悲しさや不安を感じさせられる。もっと気持ちが上がってる時に読んだ方が良かったかなぁ。

  • なかなか面白かった。ビターな感じ、好きかも。

  • 京都を舞台にした『まつりシリーズ』の第3作。と言っても3作には繋がりはなく、独立した作品であり、姉妹作と言った方が正しいようだ。本作のテーマは『結婚』。結婚を巡る男女の人間模様が官能のスパイスの中に、連作短編の形式で描かれる。

    6編が収録されているのだが、いずれの短編も男性はエゴと身勝手さの固まりのように描かれ、女性は我慢し、耐え抜くという感じに描かれており、男の立場からすると今一つ納得がいかなかった。ここで疑問に思ったのは、花房観音の読者は男性と女性とでどちらが多いのかということ。やはり、男性が多いのだろうか。

    『帷子ノ辻』『安井金比羅』『随心院』『戻り橋』『高瀬川』『平安神宮』の6編を収録。解説は池上冬樹。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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