狐武者 (光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 24
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773427

感想・レビュー・書評

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  • すべて文庫未収載作品。
    素人探偵物、世話物、怪異物と、綺堂氏の得意分野からそれぞれ集められています。
    「姉妹」という作品がなんだか解釈がいくらでも出来そうで、ドラマにでもしたら演出次第で、全く違う印象(結末)を与えると思います。

  • 全7編収録の短編集。現代物4編と歴史に題材を取ったもの3編。現代物といっても発表が大正時代ですから、今とは違いますけど。それに探偵物というよりは、ややミステリーの趣向があるといった雰囲気です。
    歴史物の方がよかったですね。「勇士伝」と「狐武者」どちらも憑く話ですが、対照的な終わり方が面白いです。
    岡本綺堂さんはやっぱり文章が上手いです。情緒豊かです。文庫初収録って書かれると、今まで収録から漏れた寄せ集めっぽい印象を受けますけど、そんなことはありません。これまでの短編集と比べて遜色ないですね。

  • 岡本綺堂の短編集は中公文庫から出てた山本タカト表紙絵のシリーズを揃えていたので、若干内容かぶりのある光文社文庫のほうは手を出してなかったんだけど、これは「全部文庫初収録」というアオリだったので購入。初収録にこだわったせいかジャンルは意外とバラバラだったけど、逆にそれがバラエティに富んでて良かった。

    お気に入りは後半の時代もの3作。河童との相撲に勝って河童の守護で出世した男の末路「勇士伝」、狐に化かされた親子を助けたのち明智光秀に仕えた武士の「明智左馬助」、父親の元カノが狐だったおかげで狐の加護を得た若侍の「狐武者」。いずれも河童とか狸とか狐とかの力を借りて一旦は出世する武士の話だけれど、仕返し要素の強いシニカルな「勇士伝」もいいし、義理堅く恩返しする狐のやさしさがありがたい「狐武者」もそれぞれいい。

    前半はミステリー系の短編だったけど、最初の「うす雪」だけは無駄に長いわりにつまらなくて辟易。親に交際を反対された男女が登場するのだけど、この女性がどうもヒステリックで苦手だし(当時の29歳独身女性って相当年増扱いだったのだろうな。年下男への執着が怖い)、相手の男も煮えきらなくてイライラするし、探偵役は行き違い擦れ違いばかりでこれまたイライラしてしまう。他の短編は面白かった。とくに女の嫉妬が怖い「姉妹」が良かったけど、タイトルと内容は関係なかったですね(姉妹の葛藤ものではない)

    ※収録作品
    「うす雪」「最後の舞台」「姉妹(きょうだい)」「眼科病院の話」「勇士伝」「明智左馬助」「狐武者」

  • 語彙や言葉遣いにほっとする。
    中身はあんまり面白くないのも多かった。

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プロフィール

一八七二年(明治五)東京生まれ。本名は敬二。元御家人で英国公使館書記の息子として育ち、「東京日日新聞」の見習記者となる。その後さまざまな新聞の劇評を書き、戯曲を執筆。大正時代に入り劇作と著作に専念するようになり、名実ともに新歌舞伎の作者として認められるようになる。一九一七年(大正六)より「文藝倶楽部」に連載を開始した「半七捕物帳」が、江戸情緒あふれる探偵物として大衆の人気を博した。代表作に戯曲『修禅寺物語』『鳥辺山心中』『番町皿屋敷』、小説『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談』『半七捕物帳』など多数。一九三九年(昭和十四)逝去。

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