神の子(上) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 599
レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (559ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773915

感想・レビュー・書評

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  • 文庫本2分冊計1116頁というボリュームもさることながら、圧倒的な迫力を持った読み応え十二分のエンターテイメント。
    少年法を主なテーマにする著者だが、今作は趣を異にする。
    主人公は、IQ161以上の頭脳を持った、それでいて戸籍を持たない少年。
    振込み詐欺の片棒、少年院への収容、そして社会復帰、目まぐるしく変わる境遇。
    いつしか読者は、この少年の帰趨そして運命、さらに物語の行方に目が離せなくなる。

  • 薬丸岳『神の子(上)』光文社文庫。これまでの薬丸岳の小説には無かった物凄い設定と上下巻で1,100頁を超えるボリュームに驚いた。主人公の町田博史は戸籍を持たぬまま18年間を過ごす。IQ 161以上という特異な頭脳を生まれ持った博史は振り込め詐欺集団の頭脳的な役割を果たすうちに殺人の罪を犯し、少年院に収容される。振り込め詐欺集団を操っていた闇社会の住人・室井は博史の特異な頭脳を目的に執拗に付け狙うのだが…兎に角、設定とストーリー展開の面白さに全く飽きることなく、上巻を読み終えた。しかし、上巻を読んだ限りでは、この先の博史の運命は少しも見えて来ない。やはり救いの無い物語なのか、それとも希望を見せてくれる物語なのか…早く下巻を読まねば!

  • 上下巻通しての感想。
    どんな犯罪に手を染めたとしても、人間らしい感情を知らなかったとしても、「人は変われるのだ」と物語は訴えてくる。
    劣悪な環境で育ち、人間らしい生活を味わうことなく成長してきた「ひろし」。
    行くつく先には犯罪しかなかった。
    やがて殺人罪で逮捕され、少年院へと送られる。
    そこで初めて、人として最も基礎となるアイデンティティー=名前を得る。
    「町田博史」としての人生が始まったのだ。
    しかし、町田を見出したムロイの町田への執着は並々ならないものだった。
    少年院に手先を潜りこませ、町田への接触をはかる。
    その手口は巧妙なものだった。
    かつて、ただ一人、町田が心を許した相手・稔に似たキャラクターを演じさせた雨宮を送りこんできたのだ。
    引きずられるように脱走を企てた町田は捕まり、再び収監される。
    一緒に逃げた磯貝は事故にあい両手を失う。
    そして、雨宮は町田とは違う場所へと移送されていった。
    退所後、町田は様々な出会いを経験する。
    前原製作所を経営する悦子、その娘、大学の友人たち。
    ムロイの魔の手はけっして町田を諦めてはいなかったけれど、苦境に立たされてもそれを乗り越える力を町田はもう持っていた。
    誰かと親しくなりたいと思う。
    でも、どうしても見えない壁に阻まれて近づくことが出来ないことがある。
    拒絶されているのかも・・・そう感じてしまうと、なかなか一歩を踏み出すことは難しい。
    少々強引でも、町田の壁をぶち壊して乗り越えてきてくれた人たち。
    その人たちが町田に人としてのあたたかさも優しさも、思いやる心も。
    本当の意味でも強さも教えてくれたのだと思う。

    人と人が関わっていく。
    その過程でしか人間関係を学ぶことが出来ない。
    いろいろな感情と出会い、自分の知らなかった自分と出会い、そして成長していく。
    ラストに描かれている町田の姿にホッとさせられた。

  • 他の作品とは少し異色な感じがありますが…やっぱり薬丸さんすごいっ!
    これだけのボリュームがありながらそれが全く気にならないストーリー展開。
    彼ら各々の人生が誰とどう関わっていくのか…下巻も楽しみ!

  • 圧倒的なボリュームとスリリングな展開で、とにかく急いで読み進めたくなる。複数のストーリーが交錯していくので追いかけるのは大変だけれど、それでも引き込んでいくところはさすがの読みごたえ。

  • 面白い、という表現が適切か分からないけど、

    とにかくどんどん読めて止まらなかった。

    少年院での話かと思ったら
    章が変わると出所していて、

    あれ?
    面白かったのに、もっと読みたかったな。

    なんて思っていたら、
    出所してからも、目がはなせないほどの面白さ。

    下巻はどうなるのだろう。

    早く読みたい。

    • MJ5016さん
      photocoさんの感想読んでたら面白そうなんで読みたいリストに登録しました。まだ、積読も多いのでいつになるかわからないですが。
      photocoさんの感想読んでたら面白そうなんで読みたいリストに登録しました。まだ、積読も多いのでいつになるかわからないですが。
      2018/05/18
    • photocoさん
      ★mjiyamaさん

      なかなかの分厚さでしたが、私は読みやすくてグイグイ読めました。
      mjiyamaさんの好みに合えばいいですね。
      ★mjiyamaさん

      なかなかの分厚さでしたが、私は読みやすくてグイグイ読めました。
      mjiyamaさんの好みに合えばいいですね。
      2018/05/19
  • 「友罪」「Aではない君と」と同様、犯罪を犯した少年をテーマとしているが、二作品に共通するような重みは感じ無い。だがそれは悪い意味ではなく、過去の犯罪は登場人物を構成する一つの側面であり、物語の重大なテーマでは無いというだけで、作品の面白さを損なうものではない。卓越した頭脳(というか記憶力)を持つ主人公は、人として大事な心が欠落していつつも、その頭脳を利用しようとする組織によって、大きな陰謀に巻き込まれてゆく。少しずつ登場人物が増え、下巻を読むのが楽しみである。

  • 登場人物が多く それぞれが絡み合っていて
    混乱を招きつつ、先が気になって どんどん読んだ。

  • ストーリーの導入は、中村文則の『掏摸』のようなヒリヒリした緊迫感と同じものを感じて、期待し読み進める。だが、少年院出所後の、大学生活、町工場の居候に話が及ぶと、一気に緊張感がない、つまらない話が展開する。下巻では、このつまらないと感じされる枝葉をどのように回収するのか楽しみである。

  • 簡単に言うと、下巻が楽しみになるほど、面白かったです。

    おすすめします。

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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