神の子(下) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 845
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (563ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334773922

感想・レビュー・書評

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  • 一つの作品に収めてしまったら、もったいないような様々なモチーフが溢れている。
    IQ161以上の頭脳を持った少年が振込み詐欺グループで働く悪漢小説、少年が更生を目指す少年院物語、元教官が少年の謎を追う探偵小説、学生たちによる起業をテーマにした経済小説、彼を慕う寄宿先の娘を描く恋愛小説等々。
    それぞれの主題で、いくつもの作品ができるかも。
    それでも、これらを総合的に一つの作品で堪能できる読者の贅沢を、著者に感謝しなければ。
    欲を言えば、終局の対決の場面は何とも物足りないかな、との感が残った。組織が繰り出す、それまでの大掛かりな仕掛けが印象にあるから、さらなる波乱を期待したのだが。

  • 薬丸岳『神の子(下)』光文社文庫。いよいよ物語の全貌が見えるであろう下巻への突入。物語は町田、雨宮、室井、為井、内藤を中心に展開し、いよいよ核心へと迫る。登場人物同士の意外な関係と二転三転する展開、そして『神の子』の正体が見えてくる…しかし、最後まで室井の野望を引っ張った割りには意外にあっさりとした結末だった。そのためにストーリーの印象が希薄になり、結局は町田博史の悲惨な生い立ちと恐るべき頭脳、心の本質が物語の全てだったのだという印象が残ってしまう。そこが不満と言えば不満なのだが、全編を通じては、これまでの薬丸岳の作品の全てを凝縮したような面白い作品だった。北上次郎が解説の中で『友罪』が薬丸岳のターニング・ポイントであったと述べているが、個人的には『逃走』から薬丸岳の作品が明らかに変わって来ているように思う。特に『逃走』の場合、賛否両論があった単行本と大幅に加筆・修正を加えた文庫本とでは全く違う作品に仕上げられており、これが薬丸岳の作品の方向性を決めたのでは推測している。

  • 一気読みでした。途中て読むのを止めた日には、気になって何も出来なくなる!と言うぐらい、一気に読みました。 この本では、仲間がテーマになっているのかなぁと思いました。 町田は、人に対して不器用だし、言葉も一言足りなかったり、勘違いされたりしますが、ちゃんと、自分が関わってきた人達のことは気にしていて、不器用で相手に勘違いされそうになったりするけど、きちんと向き合っている。 町田のそういう思いや行動で、人が集まってきたのかなと思います。 人は変われます。そう思った1冊でした。

    • taroさん
      薬丸岳もかなりいいですね。夏目刑事のシリーズが好きです。
      薬丸岳もかなりいいですね。夏目刑事のシリーズが好きです。
      2020/09/11
    • トッチさん
      実は、夏目刑事シリーズ気になってました。今度読んでみます。
      実は、夏目刑事シリーズ気になってました。今度読んでみます。
      2020/09/12
  • 少年院を出所後、大学に進み
    そこでの仲間たちと起業した主人公、町田

    彼にあくまでも固執する、裏社会のドン、ムロイ。

    彼の周りに次々と起こる不幸とは

    結末はあっけなかったけど、ぐいぐい引き込まれて読んじゃいました。

  • とにかく薬丸さんは儚さと切なさとが絶妙...待ってたこのタイプって感じ、堪らん。
    最後は良かったなあ、とも思いつつ、個人的には最後に笑っても、どこか奥には絶対に消えない孤独があるようにも感じられて、その感じがまた堪らんなあ、と(完全な個人的見解)。切ない、最高。それでもやっぱ、後半の町田に惚れました、あざす。

  • 結末、よかった。
    最後の方は、どうなるのやろ、どうなるのやろ
    という気持ちが強くなり、飛ばし読みをする羽目に。

  • 会社の同僚の推薦。
    上巻で展開された謎が、ある程度回収され
    ハッピーエンドにはなった。

    楽しく読んだが、期待していた分もあり風呂敷を広げたわりにはイマイチな感あり。

  • 上巻を夢中で読み終え、さらに下巻もグイグイ引き込まれました。

    ムロイさんがいつ攻めてくるのかと
    ハラハラしましたが、

    想像以上の嫌な仕打ちではなかったので、
    いや~な気分にならずにすみました。

    たまに、えげつない内容で
    後味が悪くなる作品があるのだけど、

    薬丸さんの作品は、
    ひどい犯罪であっても、
    読み終えた後に嫌な気持ちにならないので
    とても読みやすいです。

  • どれだけ優れた頭脳を持った天才も、愛が無ければ孤独なのだ。日常に生きる中で、他人の温もりや痛みに触れることで愛を築き上げてきた男と、壊すことでしか愛を得ることを知らなかった男、二人の天才の分かれ道は、きっとあの日あの瞬間、誰かに出逢ったことで変わっていった。どんな絶望的な窮地に陥っても、絶対的な信頼があれば、何度でも這い上がれる。知能指数と愛は関係ない。理解出来なくとも、握り飯米粒ひとつから感じる温もり、そこから思い浮かぶその顔、それこそが愛なのだと感じた。

  • 上巻までは楽しく読んでいました。が。
    ラストに近くに連れて、つまらない!!内容が薄い!題材がもったいない。
    作者の薬丸岳さん、ずっとこの話を温めてたんだろうな という感じです。頭の中で考えすぎて、主人公のことを好きになってる。だから主人公に設定を盛り込みすぎて、周りの人の設定が雑。伏線回収も出来ていない。
    ブックオフに本を売ったのは 初めてです。

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著者プロフィール

薬丸 岳(やくまる がく)
1969年生まれ、兵庫県明石市出身。1988年、駒澤大学高等学校を卒業。高野和明の『13階段』の影響で小説家を目指し、2005年『天使のナイフ』が生まれる。同作で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)をそれぞれ受賞。その他の代表作として「刑事・夏目信人シリーズ」があり、2018年2月にシリーズ最新作『刑事の怒り』が刊行されている。

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