東京すみっこごはん 親子丼に愛を込めて (光文社文庫 な 41-3)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774530

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ3作目。
    何事においてもコスパを重視するOL、すみっこごはん常連の純也に恋する同級生の男の子、40代半ばで結婚したものの義理の娘との関係に悩む女性のエピソードと、柿本と楓の母であり、すみっこごはんのレシピの作成者・由佳との出会いも描かれる。
    3作目なので、メインの登場人物のエピソードは抑えめで、ほとんど短編集と言った感じがする。
    それでも章ごとに描かれる料理への愛情が、文章からも伝わってくるから不思議。
    決して難しい料理を題材にしている訳ではないが、ただ作るのではなく、どんな料理でも食べてくれる人への愛情が大切だと言うことを全編を通して、教えてくれる。
    1作目の主人公となるコスパ重視のOLの考え方も理解出来る分、コスパでは測れない愛情も大事だと、最終章で描いているのは構成が見事だと思う。
    他の作品と比較して、申し訳ないが、「澪つくし」シリーズのように巻末にレシピがあると、もっと嬉しいかも。

  • 『東京すみっこごはん』シリーズその3。

    恋愛も結婚もコスパが悪いと避けてきたOL。
    楓をライバル視する同級生。
    前妻の娘に心を開いてもらえない女性。

    そして、何と言っても、ボクサーを引退したばかりの若き日の柿本さんと由佳さん、幼い楓ちゃんの出会いのエピソードがまた、沁みる〜。


    美味しい料理の出てくる物語は大好き。丁寧な料理、ちょっとした隠し味、そこに込められた愛情、思いやりが、五感に訴えかけてくる。
    だけど、かえりみると、自分はろくに料理をしなくなって久しい。
    これでは、子供の舌の記憶に残ることはできないだろうなぁ…

  • 今回は恋愛要素多めだったな。
    メニューは酢豚、キスの天ぷら、おにぎり、親子丼だ。

    いつも口の悪い柿本さんと、由佳さん(楓のお母さん)のエピソード、良かったなぁ。柿本さんがすみっこごはんを大事にしてる理由がわかった。
    由佳さんはとても魅力的な人で、由佳さんの生前のお話をもっと読みたいと思った!

    親子丼の話は、最初は繭子にイライラ…
    16歳の娘がいる男性と結婚して、私の結婚生活で唯一の問題は蓮花(連れ子)だって…連れ子がいると知ってて結婚しておいて、連れ子からも散々気を使われてるのに、なにその言いよう!?と、子を持つ親として腹が立った。
    でも、すみっこごはんの田上さんも楓も、そんな人にも優しいのね…。
    生まれた頃からのホームビデオを見て、尊いこの子を守る、育てると心に決めたラストは良かった。
    しかし、それは蓮花への母性や愛情なのか?
    私は、繭子のあの気持ちは、大事な娘と死別しなくてはならなかった愛子への憐憫ではないのだろうか?と思ってしまった。
    どちらにしても、蓮花が大事にされるなら良いのですが…。

  • 『東京すいっこごはん』シリーズ第3弾。

    すみっこごはんには永久予約席がある。
    その席こそ、すみっこごはんの秘密。
    シリーズ第1弾ですみっこごはん誕生秘話は明かされたけれど、まだ謎が。
    すみっこごはん代表はボクシングジムを経営する柿本なのだが…
    なぜ柿本が代表なのか?
    すみっこごはんメンバーの中では最も得体のしれない(?)、陰のありすぎる(?)人なのに。
    ”明日のためのおにぎり”でその謎が明らかに。
    そうかぁ…、そうだったのかぁ…
    第3弾の中で、一番好きな話でした。
    第4弾が待ち遠しい!

  • 全然見知らぬ人同士が ときどき一緒にごはんを食べるうちに 家族みたいに心を通わせていく。
    食べるってやっぱりすごいことなんだなぁ。

  • 柿本さんと「すみっこごはん」や楓ちゃんとの出会いを知る事が出来た。由佳さん、素敵な人だなぁ。
    純也君と毅君の話しも、最初は何か珍しくドロドロしてるのか?と思っていたら、あー、そう言う事ね!と途中から微笑ましく読んだ。
    やっぱり、安定しているなぁ。

    2017.6.6…23

  • すみっこごはんシリーズ3作目。

    今回はすみっこごはんを訪れる人たちの恋心と愛情がテーマになっていて、誰かのために、その人を想って作るごはんっていいよなぁと改めて思える1冊でした。

    特に最初の酢豚のお話がお気に入り。
    恋煩いで胸が苦しいのを、「胸の圧迫感が…」とか言って本気で病院に行こうとする友菜ちゃんがピュアすぎる笑
    牧原さんとのその後も気になります。

    次のお話の鱚の天ぷらも美味しそう。
    鱚の白身を「おぼろ豆腐みたい」っていう表現が印象的でした。
    タイトルの「マイ・ファースト鱚」も何気に好き笑

    次はどんなお料理が出てくるかな〜。
    4作目も読むのが楽しみです(^^)

  • 3作目。ありがたいことにあと一冊続編があるみたい。今回もほっこりあったかい雰囲気で優しいきもちになれる。ちょっと普通でなくて、だめなところもあるけどみんな違ってみんないいみたいなね 

  • 今回は、ちょっと恋愛絡みや親子愛の物語が多め。純也くんは、本当にいい男の子だなぁと思う。このまま ほのぼのとすみっこごはんが続くといいのになぁ。

  • 今回も良かった。やっと柿本さんの回がきた!次が楽しみ。

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著者プロフィール

1975年青森県生まれ。東京外国語大学卒業。『月だけが、私のしていることを見おろしていた。』で電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し作家デビュー。シリーズに『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』がある。著書に『ベンチウォーマーズ』『ハレのヒ食堂の朝ごはん』『坊さんのくるぶし 鎌倉三光寺の諸行無常な日常』『世はすべて美しい織物』『時かけラジオ 鎌倉なみおとFMの奇跡』『いつかみんなGを殺す』などがある。

「2023年 『月はまた昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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