虚ろな十字架 (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774660

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  • 死刑制度の是非を問う作品。

    物語に吸い込まれ惹き込まれ一気読み。

    それぞれ皆自身の大切な人が被害者になったらと想像し、それぞれの是非を想う。そしてきっと、それが正しい。

    私の虚ろな読後感。

  • 何か深いわ〜!
    さすがに東野さん、その割には読み易い。
    死刑廃止、廃止反対と色々意見があるけど、これ読んでると、死刑になっても、な〜んも反省とかせんと逝ってしまうのもどうかとも思うし…
    小説の中にもあったけど「…殺人を犯した人間を刑務所に入れさえすれば更生させられるという建前もナンセンス…」
    なんやろな…

    自身の娘を殺された夫婦、離婚後、更に元妻が殺された〜!
    元旦那が、経緯を調べていくうちに、何か引っ掛かるもんが…
    遠い過去からの因縁があるのか…
    被害者遺族である事が、更に命の尊さ、命を奪った罪の贖罪という言葉の意味を深くさせる。
    こんな人から言われれば、自分に罪の意識がある人は辛いやろな。
    この中の主要登場人物は、そういうマトモな人らで構成されるから、重い&深い。
    罪の償い方は、人それぞれかもしれんな。背負う十字架が違うって事か…
    でも、罪を犯された側(被害者)が納得してくれたらの話やとは思う。
    う〜ん。難しい…ʅ(◞‿◟)ʃ

  • 人が人を裁くこと。
    正解なんてあるのだろうか。

    そんなことを考えさせられる作品でした。

    人は1人では生きていけないし、
    1人で抱えることの辛さが良く分かる話でした。

    自分の中にある正義は、ホンモノなのかなって
    思っちゃいましたね。

  • 犯罪の抑止力として、また、犯した罪に見合うだけの罰という意味合いで死刑制度は必要だと思っている。
    しかし、被害者側であった時、加害者側であった時、立場が変われば、今自分の中にある考えは簡単に変わってしまうとも思っている。
    被害者遺族のやりきれなさや無念さ、憎しみといった感情は計り知れず、はたまた加害者もまた法律で守られ、人権を尊重される立場にあり、家族もいる。
    どれもが人間のする事だ。
    だから正しい事をしたからといって皆が幸せになれるとは限らない。
    たとえ死刑になったとしても、それが本当の救いになるわけでもない。
    法律は日々ほんの少しずつ形を変えていくけれど、きっと誰も正解はわからない。

  • 死刑も無期有期の服役も被害者にとってはどれも虚しい。犯罪者の明らかに「えっ?」という言い訳を重ねる被疑者を弁護士は本当に信じて弁護するのか?そんな茶番みたいな裁判も、疑わしきは罰せず、精神異常…等々、被害者から見たら納得出来ない結末に繋がるのが常。
    刑務所で更生させるなんて出来るのか?だけど史也と沙織のように一生罪を背負い込むことも更生とは言えないと思うし…
    私の結論…難しくて、よくわかんない。
    だけど 本は面白かったです!

  • 子どもが殺される…
    その時犯人に対して抱く感情はみんな同じだろう

    罪の償いかた…死刑判決について…

    とても考えさせられるテーマだった

    刑務所にはいってもその中で本当に反省しているものはどのくらいいるのか

    反省もしない犯罪者に税金で住まいと食事を与え続けることに怒りを感じることもある

    登場人物それぞれの視点で物事が描かれていて自分だったら…と、何度も考えながら読んだ

  • 東野圭吾さんの作品を読んだのは4年ぶりなのですが、人物の心理描写や読者を引き込むストーリーのテンポ、ミステリーの醍醐味である伏線とその回収は「素晴らしい」の一言では片づけられません!
    肝心なストーリーなのですが、仮釈放中の男に愛娘・愛美を殺害された中原道正と小夜子は、長く辛い裁判の末、被告人に対する死刑判決を勝ち取る事が出来た。だが、愛美を失った道正と小夜子の心の傷は癒える事は無く、二人は別々の人生を歩む事を決意する。数年経ち、道正のもとへ、愛美殺害事件の時に親身になってくれた刑事・佐山が訪れてきたのだが、佐山の口から出た言葉は、小夜子が殺されたという事だった。。。愛娘そして元妻を殺害されるという、とてつもない不幸を一身に受けた道正は、事件の真相を探る内にとんでもない真相を知る事となる。やはり私は東野圭吾さんの大ファンである事を確信させてくれた作品でした。

  • 元妻が通り魔に殺された事件。釈然としない犯行動機、加害者家族の隠された過去。中盤からの点と点が繋がって行く様が秀逸でした!
    容疑者xの献身、最近だと白鳥とコウモリと同じジャンルかな?とても楽しめました^_^

  • 東野圭吾のこのジャンルなら 手紙や さまよう刀の方がずっと心に響くな。正論って 人を追いつめるけど ココロは動かせない気がする。動かせないどころか かえって頑なにしてしまうことも多いような。
    それぞれの殺人は みんな違う。
    この本の中の三件の殺人にしても きっかけも 殺人に対する想いも たぶん事件後のその人の未来もぜんぜん違う。
    人を殺したら全員死刑 単純にそう線引きできるなら 話はカンタンだし ラクだろうけど そう決められないくらい事件は千差万別。それは 被害者家族にとっても 程度の差はあれ そうだと思う。
    人を殺した者は どう罪を償うべきか この問いに たぶん模範解答はないと思います。あなたが悩んで出した答えが 今回に関しては正解なのだと考えることにします。
    中原が仁科に告げたこのコトバも 仁科が長く自分の犯した殺人に向き合い 長い間いろんな意味で償いに値する行為を行ってきたからこそ 出たコトバだろうし。
    長い間いろんな人の話も聞き 考えてはきたけど やはり死刑の是非についても 正解はないといまは思う。またこれからいろんな事件に出会って 揺れることはあるだろうけど。


  • 2022(R4)5.21-6.3

    大切な娘を殺人というかたちで奪われた元夫婦に訪れる、再びの悲劇。
    その裏には、人を殺すことの罪と罰、意味に苛まれ、苦悩する人たちがいた。

    という物語だと思いました。テーマはとても重いのですが、その割に軽いテンポで進んで結末を迎えます。その辺りは人によっては、物足りなさを感じるかもしれません。3ヶ月くらいブランクが空いた私にとっては、ちょうどよい重量感でした。
    個人的には、どの登場人物の生き様にも共感できる部分があり、生きている限りは虚ろな十字架を抱えながら懸命に生きていってほしいと思いました。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

「2022年 『希望の糸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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