海の家のぶたぶた (光文社文庫 や 24-21)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774929

感想・レビュー・書評

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  • 町の海水浴場に、ひと夏限定、レトロな外観の海の家ができたという。かき氷が絶品で、店長は料理上手だが、普通の海の家とは様子が違っている。店先にピンクのぶたのぬいぐるみが「いる」のだとか…?そう、ここはおなじみ、ぶたぶたさんの海の家。一服すれば、子どもの頃の思い出がすうっと蘇ってきて、暑さも吹き飛びますよ。心に染み入る、五編を収録。

  • 見た目はぶたのぬいぐるみ、中身は中年のおじさん。そんなぶたぶたさんのシリーズ。本によってぶたぶたさんの設定は変わるのですが、今回は海の家の店長さんです。

    小学生の頃は夏休みごとに海水浴に行っていたのですが、海の家に入った記憶はないのです。だから外から見ていたイメージでは、浮き輪やボートを貸していたり、ラーメンや焼きそば、かき氷を売っている。そんな感じなのです。
    ぶたぶたさんの海の家もそんな昔ながらのものですが、そこはぶたぶたさん。かき氷に思い入れをたっぷりと注ぎ込んでいます。ふわふわ氷に自家製シロップ。フルーツやアイスクリームのトッピングも。口の中ですっと溶ける冷たさ。しっかりと甘いのにくどくない。あーかき氷食べたい!そんな気持ちを盛り上げてくれます。

    ぶたぶたさんのシリーズは、悩める人がぶたぶたさんと出会い、ぶたぶたさんの人柄(ぶた柄? ぬいぐるみ柄?)とぶたぶたさんの料理によって癒されていくというのがパターンとなっています。
    しかしぶたぶたさんはただの…人(ぶた? ぬいぐるみ?)特殊能力を持っている訳ではないのです。ただ話を聞いてくれる。そこから思うことを伝えてくれる。
    悩める人はなかなか他人に思いを伝えられない、他人の声を聞くことができない。だって悩んでいるのだから。余裕がないのだから。でもぶたのぬいぐるみ相手なら話せることもあるのかも。聞くことができるのかも。
    今回もバイトを反対された女子高生、引っ越して寂しい男の子、両親の思い出に悩む男性などなど、悩める人がぶたぶたさんに出会います。大丈夫ぶたぶたさんがいるのだもの。そんな風に思わせてくれるのです。

  • 相変わらず、すっと読めます。

    そして、ぶたぶたさんの料理は相変わらず美味しそうです。

    海の家で働こうとする高校生。彼女に唐突にフラれた(?)大学生。夏休みに引越ししてきた小学生。忙しかった両親を想う父親。合コンを開こうとしているOL。

    それぞれがちょっとしたひっかかりを感じていて、それが解消してく過程がすごく無理がないので読みやすいんです。

    どこから読んでもよさそうです。

  • かき氷がすごくおいしそうだったw^q^
    海の家って行ったことない気がする
    ぶたぶたさんのお店なら行ってみたい

  • 安定の読みやすさ。
    さらっとつるっと一時間くらいで読みきれちゃうような手軽さの中に、ホワホワのぶたぶたワールドが閉じ込められていて、一瞬にしてホワンとした気分になれます。

    毎度毎度!

    今回はかき氷メインで、あまりかき氷を食べたいと思わない私なので、脇役の焼きそばや味噌焼きそば?に注目してつい食べたくなりました!美味しそう、、、、

    担々麺の汁なしのような麺らしい。

    食べたい、想像しただけで食べたい。ブタが作ってなくてもいいから食べてみたい一品でした。

  • 毎度お馴染みの山崎ぶたぶたさんシリーズ。

    今回は、海の家うみねこご主人役。

    いつもながら、ブタのぬいぐるみが、焼きそばを作ったり、かき氷を作ったり、それらを運んだり。。。と考えると、なんとも愉快な絵になる。

    そして、いつもながら、とっても癒される。

    「思い出のない夏」が、私的にはお気に入りだ。
    親を亡くしてから気づく、本当のこと。
    そんなお話を読むと、生きている間にいろんな話をしておきたいなーと思う。
    が、実際は、色々と葛藤があったりで難しいのだが。。
    忠和と、お兄さん。
    わかりあえて、親交が出来たら良いね。

  • かき氷美味しそう!

  • いつもいつも、心安らぎます。ぶたぶたさんのかき氷、食べてみたい~

  • 今回のぶたぶたは、カフェをオープンする間に海の家を開いている設定です。

    少々季節はずれな時期に読んでしまいましたが、今回も楽しく読めました。

    「海の家うみねこ」は、バイトをしてみたい女子高生と母親の確執の行方が書かれてます。
    「こぶたの家」は、引っ越しをしてきた小学生が新天地になじむまで。
    このふたつは、どちらもあったかくて良いお話でした。

  • ぶたぶたシリーズ最新作。最後の「ぬいぐるみだけど、ぬいぐるみじゃない」という一文がまさにそうだなあと。ただ、全体的に話の印象が薄かったかな。話数を絞って一つ一つの話をもう少し掘り下げた方が自分としては好みだったかなーと思いました。でも安定のなごみ系です。心がすさんだ時にはおすすめしたいです。

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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