海の家のぶたぶた (光文社文庫 や 24-21)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334774929

感想・レビュー・書評

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  • かき氷に惹かれたことはあまりなかったのですが…読んでいるうちに挑戦したくなりました。

    一つひとつの作品は、変わらず優しい気持ちになる読みやすいものばかりでした。大好きです!!

    今回強く感じたのは、ネットやSNSに対する想いです。
    『正しく使えば』
    『適度に使えば』
    便利なものと言われますが、はたしてそれがちゃんと出来ている人はどれ程なのか…。
    私自身の行動も振り返りました。

    私もぶたぶたさんに会いたいなぁ。

  • 9月になってしまった。
    海の家も、今年はもう片付けられてしまっただろう。
    まぶしい夏の日を思い出しながら読むことにしよう。
    夏はどの季節に思い出してもキラキラしてるもの…

    それが!
    あながち間違ってもいなかった!
    なんとも懐かしい思い出がたくさんつまったお話で、ぶたぶたさんの海の家は昭和レトロな外見…
    そして、秋になってからかき氷が中心のカフェを出すつもりなのだという。

    全体的にやさしい絵本テイスト。
    少しさびしい子供が出てくるお話がいくつか。
    ギラギラ感はないのでサングラス不要である。
    「内田、また出た!」という笑いどころもあり。


    『海の家うみねこ』
    榎本扶美野(えのもと ふみの)、高校生。父が海外赴任で、母と弟の三人暮らし。
    バイトをしたいのは母の支配から逃れたいのもある。
    面接に行ったら店長さんに、保護者の同意が必要と言われてしまった。

    『きっと、ぬいぐるみのせい』
    戸叶尊(とがのう みこと)一緒に海水浴にやってきたのに、彼女はへそを曲げて帰ってしまった。
    ショックで倒れそう~
    おまけに「海水浴場に一人でいる人にインタビューしてるんです」なんて、失礼な取材を申し込まれて…

    『こぶたの家』
    滝尋也(たき じんや)小学校四年生。
    夏休みに海なし県から引越ししてきた。
    宿題がないのはいいが、友達と別れてしまいさびしい。
    海まで歩いて10分、お母さんは嬉しいらしい。

    『思い出のない夏』
    船尾忠和(ふなお ただかず)は、実家の遺品整理を兼ね、小学校二年の息子を連れて里帰り。
    子供の頃、両親が海の家をやっていたため、夏休みは特に放って置かれてさびしかった。
    両親の店に良く似た海の家を見つけ、愕然とする。

    『合コン前夜』
    久保田朝(くぼた あさ)28歳。
    合コンの幹事をやりまくっている。
    友達のリクエストにより、夏の海水浴場で合コンをセッティングすることとなって、下見に。

  • ぶたぶたシリーズ本屋で見つけるとつい買ってしまう。ピンクのぶたのぬいぐるみが動くなんて!
    想像するだけで癒される。

  • ぶたぶたさんの海の家、かき氷も焼きそばもラーメンも食べてみたい!かき氷、数年前からふわふわのが流行ってたのに、デビューしたの今年なのです。それまでは、氷にそんな高い金払いたくない!と思ってた(笑)。あと食べきれるのか不安で。流行るだけの理由がちゃんとある。皆が美味しいというものは美味しいんだ、本当に。しかしサーフィンに挑戦したり(めっちゃハラハラする)釣りやったり、鉄板で焼きそば焼いたり、ぶたぶたさんから目が離せないですね・・・。でも美味しいもの食べてるとまあいいか、ってなりそう。

  • 今回は、海の家を舞台にしたお話でした!
    海の家ってあんまり行ったことがなかったので、行ってみたいなぁと思いました。
    暑い中食べるかき氷ほど美味しいものってないですもんね!
    個人的には、「こぶたの家」が好きでした!

  • 2019/05/29読了


    ぶたぶたさんのこだわりふわふわかき氷とっても気になります。
    きっととんでもなく美味なのだろうな

    フられたと思っていた彼も、引っ越してきた少年も、バイトしたい女の子も、「うみねこ」のオーナーの子供だった男性も
    ぶたぶたさんを気にはするけれど結局は自分自身が問題に向き合っている というのがよい
    そしてすべての人の物語がなにげにつながっているのもいいね
    バイトを反対していた親のなりそめにきゅんとしたり
    今回もいろいろと満足のいく小説でした。

  • 海の家「うみねこ」店長のぶたぶたさん(*^^*)メニューはどれも美味しそうで、海水浴客だけじゃなく普通に飯を食いに来る人もいる!(°▽°)しかし、ぶたぶたさん汗でグッショリになったりしないのか?適度に絞っているとか?(^^;)でもサーフィンの時は…?まだまだ謎だらけのぶたぶたさん(--;)

  • 目次
    ・海の家うみねこ
    ・きっと、ぬいぐるみのせい
    ・こぶたの家
    ・思い出のない夏
    ・合コン前夜

    子どもの頃、親に海水浴に連れて行ってもらったことは何度かある。
    若かりし頃、友だちと海水浴に行ったこともある。
    結婚して、子どもを連れて海水浴に行ったこともある。
    だけど、びっくりするぐらい海の家の記憶が、ない。
    思い出がないのではない。
    海の家に行った記憶がなかったのだ。
    海の家ってそんなに当たり前に行くべきものなの?
    だから、よく海の家だけで一冊書けたな、という純粋な驚き。

    ぶたぶたさんの海の家のモデルとなった、もともとの海の家うみねこのオーナー夫妻。
    貧乏で苦労したのかもしれない、子どもに苦労をさせたくなかったのかもしれない、運がむいてきたからと言ってのんびり過ごすことができなかったのかもしれない。
    それでも。
    子どもをほったらかしにしていいわけがない。
    近所の家を渡り歩いて食事やお風呂の世話になるって、ありえない。
    人の面倒見が良くてみんなに慕われていたっていう、ちょっといい話にしてるけど、子どもに対しては絶対にダメな親。(思い出のない夏)

    「こぶたの家」の親も、子どもの面倒を見ているいい親なんだろうけれど、子どもの気持ちが見えていないところが不安。
    どうして事前に子どもの気持ちを聞かないのか?

    それは「きっと、ぬいぐるみのせい」の彼にも言える。
    一度ぬいぐるみをプレゼントして喜ばれたからと言って、その後彼女の気持ちを考えることもなく何かというとぬいぐるみをプレゼントするっていうのは、彼女の気持ちをに対して思考停止してるってことだよね。
    なぜちゃんと考えないの?
    わからないなら聞かないの?
    ぶたぶたさんに説明されてもピンときてなかったようなので、今後もちょっと期待できないなあ。

    ぶたぶたさんの海の家は、かき氷をウリにしているけれど、この作品を書かれたときにたくさんできたかき氷の専門店は、今どのくらい残っているのだろう。
    ぶたぶたさんのお店は大丈夫だろうか。
    他の料理も美味しいみたいだから、大丈夫だといいのだけれど、流行りものに乗っかるっていうのはリスクも大きいから心配だわ。

  • 家族をテーマ描くぶたぶたの話はいつもウルっとしてしまう。あたたかくて、美味しそう。ごちそうは人に笑顔をもたらす。

  • ぶたぶたさんが今回は海の家〈うみねこ〉を切り盛りする。かき氷が売りの海の家で、洋風宇治金時なども出す。引っ越したての子供や合コンの幹事の人、更衣室の前で振られた人など今回もさまざまな人にスポットを当ててある心温まる作品。

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著者プロフィール

一九六四年、埼玉県生まれ。八五年、矢崎麗夜名義で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞し、八九年『ありのままなら純情ボーイ』で作家デビュー。主な著書に「ぶたぶた」シリーズ、「食堂つばめ」シリーズ、「NNNからの使者」シリーズ、『あなたのための時空のはざま』など。

「2022年 『おいしい旅 想い出編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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