- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334776619
感想・レビュー・書評
-
どこかで見た作家と思い購入して読んだら「ビブリア古書堂」の作家だった。設定が酷似している。気が小さく男性にも奥手な主人公、湘南の古い店で謎解き。こちらは祖母が営んでいた写真館が、祖母の死で遺品の片付けとなり、残された写真からいろいろな事情を読み解いて行く。同年代の姿形の良い謎の男性が2人が現れ、心が揺れ動いて行く。ビブリアの古書に比べて写真の方は背景に深みが少ないかも知れない。二人の男性とはどうなるのだろうかと余韻を持たせる終わり方。続編は無いのかな。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』は人気を博し、その後ビブリアを模倣するような作品がライトノベル系のレーベルで乱発された。
コーヒーやらアンティークやらのちょっとおしゃれな感じのお店の店主がその専門性を生かして謎解きをしていくというものだ。
もちろんこういう作品はもっと昔からあっただろうが、ビブリアをきっかけとしたものはやはりオリジナリティに欠け、また若者をターゲットにしていることが多いためカジュアル性を強めており、作品としてのクオリティも高くないことが多い。
そして、本作はその量産型のポストビブリアを狙う作品を著者本人がやってしまった作品だ。
ビブリアでは古書を扱うが、本作ではタイトルの通り写真を扱っている。
古いものとそれにまつわる人の過去や歴史に関する謎が共通点だ。
他にも、過去のトラウマにより写真(本)から遠ざかっていることや、謎に触れると急に鋭くなることなど、キャラクター造形でも共通するところが多く、二番煎じ感は否めない。
また、ビブリアは実在の本を題材に物語と謎を作り上げていたことが見どころの一つであったのに、それがない本作は味が薄い。
というかそもそもの謎に興味がわかないのだ。
トラウマの原因となった写真を流出させたのは誰かとかどうでもいい。
サスペンス形式の第三話は異色ではあったが、写真館に盗みに入ったらバレたというだけの話だ。
おそらくこれは本が好きか写真が好きかということも影響しているとは思う。
実在の本のギミックを使ったビブリアだったら面白いだろうなと考えてしまった。
ところで、主人公が美しい異性と出会って用事を手伝ってもらうという形式は一緒なのに、女の子が主人公となることで少女漫画のようだと思ってしまうのは何故なのか。
女性がアニメやライトノベルを見て「こんな女はいない!」というのとおそらく近い。
主人公は「外見はきっかけの一つにしかならない」と言っていたが、それがすべてだろうな。
内面を重視するということではない。
つまり、外見がよくなければ物語は始まらなかったということだ。
どんなに内面がよくても外見がよくなければ深く関わろうとはしなかっただろう。
というか内面に惹かれるような描写なんてあったか?
終盤のやり取りが嘘くさく見えてしまった。 -
ビブリアで有名になった三上延さんの作品.湘南を舞台として,薄く推理の味付けがされています.
-
江ノ島の情景が思い浮かぶ…そんな素敵な文章だった。
読みやすかったし、さらっと読めたがなかなか人物に感情移入できず、物足りなさを感じた。 -
まとまってて読みやすいお話ではあったけど、主人公の繭が最後まで好きになれなかった。
-
百年続いた「江ノ島西浦写真館」の館主、西浦富士子が亡くなり孫娘の桂木繭は遺品整理のため写真館を訪れる。繭は写真を撮るのが好きだったがあることがきっかけで撮らなくなっていた。遺品整理の中で祖母がお客に渡せていなかった写真が見つかり、それらを返す中で繭が昔の自分のトラウマと少しずつ向き合うことになる。
写真に残された謎などミステリー的要素も加わって推理しながら楽しく読むことができました。
-
面白かった。
読み返せばなるほどなーとなる
伏線がひかれていて
あったかい気持ちになる。
解説まで読むの面白かった。 -
カメラっていいよね。江ノ島行きたくなった。行った。