生ける屍の死(上) (光文社文庫 や 26-3)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 389
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334776732

感想・レビュー・書評

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  • 読みたかった本。全米各地で起こる死者の甦り現象。ゴシックかと思いきや主人公は名家のあぶれ者パンク野郎グリン。遺産をめぐる不穏な人間模様が描かれる中まさかの事件!ミステリー王道風でありながらポップで哲学的と三拍子揃ってる。

  • 202302

  • 結構楽しみにしていたのに、全然読み進められないw これ上巻てことは下巻もあるわけで、読み始めから時間かかりすぎてるからまた最初から読むことになるな…ww

  • 真面目なのかふざけてるのか、ハードボイルド なのか?英語から翻訳されたような文体で混乱。それでも冒頭のシーンが面白いからつい先へ先へと読んできたが、なんなんだ、この荒唐無稽さは?そう、荒唐無稽に思えるけれども、ミステリーになってるのが不思議。

    死者が甦ると聞けばゾンビになると思うところが、この作品ではそうならない。死ぬ前と同じ思考を持っているし、人を食らわない。そして、自分は何故死んだのか?を知りたい死者が探偵となる。誰が死んでて誰が甦っているのか? (どう言う条件が整うと甦るのか?が分からない〜)

    色んなベストに選ばれているこの作品、翻訳調の文体とかコメディチックとシリアスが混ざり合っているような作風がOKならお勧め。私は翻訳調はあまり好きでないのと、ハードボイルド 嫌いなのであまり好きではなかったのが残念。

  • 感想は下巻を読み終わってから。

  • 超名作なので、文庫改訂版を機に初読。
    や~、入り込むのに時間がかかった❗正直、上巻は何度も挫折した。
    死者が甦って動き始めたアメリカの片田舎の話。翻訳ものっぽい雰囲気は好み。
    上巻のかなり手前で、主人公が殺され、翌朝甦ってしまう。毒殺だったので、誰に殺されたのか、何に毒が盛られていたのか、本人にさえ分からないので、主人公は自分を殺した犯人を見つけようとする。が、一族が連続して殺され始める。
    というものすごく斬新な設定。新しすぎる(笑)
    主人公なのに殺されるのか?やっぱりオレは主人公なんかじゃなかったんだ!泣とか、若干メタ的な発言やら、自分が殺されたことを告白していればその後の殺人は食い止められたのでは?とか悩むところが、おもしろかった。
    それにしても蘊蓄が長すぎる。ミステリの蘊蓄は大好きだが、タナトニクス(死の学問)ネタばかりで、ちょっと食傷気味。
    そのせいで、ストーリーはたいして展開しないまま下巻へ。
    がんばれ、グリン❗

  • 1989年出版作品の再文庫化。なんと、殺されてゾンビとして蘇った主人公が自ら殺人犯を捜査する異色ミステリー。舞台がアメリカなこともあり、翻訳小説を読んでるみたいな感覚。荒唐無稽な設定なのに、ちょっとコミカルなこともあり違和感なく受け入れられてしまうのがすごい。

    ニューイングランドの田舎町トゥームズヴィルで「スマイル霊園」を経営する葬儀屋バーリイコーン一族。まだ存命だが創業者の祖父スマイリー・バーリイコーンの遺書の内容を聞く為、一族が一同に会することに。元医者の長男ジョンとその婚約者で元女優の美女イザベラ、イザベラの連れ子サーガ(チェシャ)、売れない舞台監督の次男ウィリアムとその妻ヘレン、長女ジェシカとその夫フレディ、すでに亡き三男の遺児フランシス(グリン)、彼らとは腹違いの四男でエンバーマーのジェイムズ(双子の片割れジェイソンはすでに死亡)、彼の母親でスマイリーの後妻モニカ。

    主人公グリンはスマイリーの三男と日本人女性の間に生まれた日米ハーフのパンク青年。早くに両親を失くし母方の祖母に引き取られるがその祖母も亡くなり天涯孤独になったとグレてパンクスになったら実は大金持ちの父方の祖父に探されていてつい最近スマイル霊園にやってきた。同じく最近霊園にやってきたチェシャ(血は繋がらないけど従妹ですね)とウマがあい一緒にピンクの霊柩車を乗り回して遊びほうけている。

    しかしある日、グリンは毒殺されて死んでしまう。主人公なのに!その頃アメリカ各地では、死人が蘇る現象が相次いで社会問題になっており、グリンもなんとゾンビとして蘇る。部屋で一人で死んで勝手に生き返ったグリンは、自分の死を葬儀屋の顧問である死学(タナトロジー)の専門家ハース博士にだけ打ち明け、協力を得て自分を殺した犯人捜しにとりかかる。遺産相続に関わる肉親の誰かの仕業だと思われたが、手掛かりは全くつかめない。

    折しも町では女子高生が連続失踪、惨殺される事件が起こっており、さらにバーリイコーン家でも第二、第三の死者が・・・。殺人だけでも大騒ぎなのに、さらにその死者がまたゾンビとして蘇っちゃうもんだからもう収集つかない(苦笑)グリンのように毒殺だと、せっかく生き返っても犯人がわからないままだし。そしてグリン同様、すでに死んでいることを隠している死者が生者に混じっている可能性も否めない。

    とにかく面白くてぐんぐん読んじゃう。ドタバタコメディみたいな展開もあるけれど、文学的パンクスであるグリンと博学な博士の会話には「死とはなにか」という哲学的な問題が含まれていてとても興味深い。死者を復元、メイクアップするエンバーミングの過程や、葬儀社という死者にまつわる仕事のあれこれも勉強になる。宗教による違い、火葬の是非(火葬ならゾンビは出ないんだよなあ)、死にまつわる様々な問題。

    ゾンビ映画では、蘇った人間は理性を持たずどんどん生者を襲うモンスターになっちゃってるけど、本書でのゾンビはちゃんと生前の理性を持ち合わせいるのが斬新。基本的に他人を襲ったりしないし、おそらく永遠に生きられるわけではなく、火葬なり腐乱なり肉体そのものが完全に崩壊してしまえばさすがにそこで終了、というルール。はたしてグリンは自分の肉体のリミットがくるまでに犯人を見つけ出せるのか・・・下巻に続く。

  • ☆3.7

  • 2021年に読了。なのでこの評価。おそらくもっと前に読んでいればもう少し高評価だったかも。大作だとは思うが長かった。

  • 翻訳小説の様な文体は敢えてなのか作風なのかはわからないけれど、話が動き出すまではとりあえず読むという感じで下巻に突入するところ。
    死体が動き出す、という文言に「屍者の帝国」が頭に浮かんだけれど、この世界観と翻訳小説みたいな文体は合ってると思う。

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