生ける屍の死(下) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 160
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334776749

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  • 死者が甦る、それも死者と理解しながら生前と変わらぬ判断力をもって。
    この設定が後半に実に効いてきて素晴らしかった。

    誰も脱落しない、行動原理も変容するとなると、めちゃくちゃ推理の幅が広がって、読み応えのある作品となってる。
    ただゾンビが出てくる作品と勘違いしてたからな笑、読めて良かった。

  • 下巻に入ってからは、もう誰が死んでて誰が生きてるんだかよくわからなくって読んでるほうも混乱。もはやノイローゼ状態のトレイシー警部に同情。結局終盤で彼が言うように「生きてる人間と死んだ連中の思惑が無茶苦茶に絡まり合い、しかも、犯人も、被害者も、目撃者も、それに探偵まで死人だったときてる」のだから始末に負えない。

    最後はグリンが探偵役の主人公らしく一同の前で謎解きしてみせてくれるけれど、それでもなお、何が起こったのか部分的によくわからなかった(苦笑)それもこれもゾンビが多すぎるから!「きちんと死ぬ」ということがいかにありがたいことかよくわかりました。そして掟破りのこの設定で推理小説を成立させることの凄さも改めて認識。単に奇想天外な設定の推理小説というだけでなく「死」について、真面目に考えさせられた点も。

    事件が解決しても、ゾンビとなったグリンが元の人間に戻れるわけではない。自らの死因を突き止めた彼に待っているのは本当の死だ。最後の場面でのチェシャとグリンの対話は急に泣けた。こんな切ないラブストーリーある!?チェシャは突拍子もない娘だけどとても可愛くて大好きだったし、グリンも良い奴だった。

    各章ごとに、聖書からビートルズの歌詞まで「死」にまつわるエピグラフが付いているのだけど、エピローグではニール・ヤングの「ヘイ・ヘイ・マイ・マイ」だったのも切ない。「燃え尽きたほうがいい 消え去っていくよりも」It's better to burn out than to fade away・・・これ、カート・コヴァーンの遺書に引用された部分じゃん(泣)と思って調べたらカートの自殺は1994年、この小説より後だった。

    その他、音楽関係の引用が文章の中にもちょいちょいあって、それも個人的にはとても好みだった。例えば「昔ルー・リードがしていたみたいな、細くぴったりした広角度のサングラス」とか、ロックじゃないけれどメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」についてのエピソードが出てきたりとか、そういえばこの曲『ヨハネ黙示録』と関係しているし、個人的に黙示録の感想で「ヨハネ=英語でいうところのジョン」的なことを書いたけれど、これ、ある意味本書では伏線的なことにもなってた(笑)

  • 最後の最後がよい。

  • この作品を余すことなく楽しむには私の知識量が少ないんだろうな、という小ネタ?的なのは感じた。
    本質は多分あと何回か読まないとちゃんとした感想に至るほど理解出来ていないと思う。それでもグリンは好きだし、キリスト教系の学校に行っていたので聖書はとりあえず読んだことはあったし(章節を表しているのに気付かなかったのは本当に悔しかった)、生屍複雑になるのは予想してたけどなる程と思えたし、何よりもピンクの霊柩車で帰ってきてピンクの霊柩車で出ていく、きちんとまとまって終わっているのが嬉しかった。

  • そうきたか!っていう意外性にやられた。
    動機がかっ飛んでて、ポカーン。
    はー、そうでしたか。
    はー。
    そんな感じでした。

  • やっと読み終わった……

  • (上/下)米国東部の田舎町で霊園を経営する一族の長、スマイリーは死に瀕していた。遺産を巡り不穏な空気が漂うなか次々と殺人が起こる……が、そもそも全米各地では死者の甦り現象が発生中で……。探偵役となるパンク青年グリンが真っ先に毒殺されてしまって呆然とし、死者が甦るという奇天烈な世界で密室とかトリックとかロジックはもはや無意味?と思っていると合理的な謎解きがきちんと用意されていて改めて感服。冒頭グリンの読む本がミール・バハドゥール・アリ著『アル・ムターシムを求めて』だったりする等、凝った小ネタの数々も堪らない(1989)

  • 新装版で復活。
    確かこれだけは昔読んだ記憶があるのだが、別の本だったかもしれない……。
    何を書いてもネタバレになりそうなので内容への言及は避けるが、面白いので皆買うといい!

    光文社文庫で纏めて再刊されるようで、そちらも楽しみにしている。

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著者プロフィール

山口 雅也(やまぐち・まさや)
1954年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。’89年『生ける屍の死』で作家デビュー。’95年『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞を受賞。キッド・ピストルズシリーズ、垂里冴子シリーズ、Mシリーズなどシリーズ作品多数。シリーズ外の代表作に『奇偶』。近著に『落語魅捨理全集 坊主の愉しみ』『ミッドナイツ』など。

「2020年 『7人の名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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