アンと青春 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1790
レビュー : 168
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334777449

作品紹介・あらすじ

美人で頼りがいのある椿店長。「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。そして、食べるの大好きアンちゃん。『みつ屋』のみんなに、また会えます。

未来に迷う女子にも、夢に押し潰されそうな男子にも、和菓子はそっと寄りそいます。
ある日、アンちゃんの手元に謎めいた和菓子が残された。これは、何を意味するんだろう──

感想・レビュー・書評

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  • 私、梅本杏子(きょうこ)の母です。最近は杏子がデパート地下の和菓子屋さんにお勤めしていて、みなさんからずいぶん可愛いがってもらっているそうで、ありがとうございます。

    みなさんからは、アンちゃんと呼ばれているそうですね。気持ちはよくわかるのですが、そうではなくても娘はあんころ餅体型のことは気にしていて、ちょっと自分を卑下しすぎているところがあって、その呼び方は大丈夫なのかと要らぬ心配をしてしまいます。そうなの、思いやりもある良い娘なんですけど、一つのことが気になるとグジグジ悩むところがあって大変なんです。

    よく和菓子を買ってきてくれて一緒に食べています。和菓子の世界って、奥深いんですね。杏子がいろいろと蘊蓄を教えてくれます。全部先輩方の受け売りみたいなのですが、この前ひとりで調べていて何か生き生きとしていました。タンブラーに何か淹れて朝早く出て行ったりして。あの子もそろそろお年頃なのかしら。

  • R1.10.31 読了。

     和菓子のアンの続編。「自身なげだった前作よりはるかに成長しているアンちゃんは、すべてを優しく包み込む、和菓子のような存在になっている。」・・・解説より。
     デパートの和菓子店みつやでの仕事や個性豊かな椿店長、桜井さん、立花さんなど暖かくて居心地の良さそうな職場の仲間たちとの関わり、お客様、和菓子に込められた想いを通して、アンちゃんの成長していく姿が見れて、良かった。個人的には立花さんや隣の洋菓子店のパティシエの柏木さんとのロマンスを期待していたのだが…。
     巻末に「和菓子は本来、人の心を和やかにし、人と人との輪をつないでくれるもの。アンのシリーズが多くの方々に読まれることで、和菓子の輪がさらに広がっていくことを望みたい。」・・・解説より。と書かれていた。たしかにこのシリーズを読むと、和菓子が食べたくなりますね。
     続編に期待したい。

    ・「同じとこに生まれて同じ性別だって、スペックが違うじゃん。だからみんな、平等じゃないんだよ。そう思ったらさあ、もう男とか女とか、どうでもよくなった。・・・(中略)平等じゃないのが、当たり前なんだ。」
    ・「違う常識も認めるべきじゃない?『違うのよ』って切り捨てるんじゃなくてさ。」
    ・「自分で仮説を立てて、調べて、推理して。それを実行するのは、すごく良いことだわ。これは、どんな仕事にも使える技術よ。」
    ・「人はその立場によって物事の見え方が全然違う。たとえ同じような年齢で同じような性別でも、桜井さんと私が見ている世界が違うように。」

  • みつ屋での立ち位置が気になりだしたアンちゃん。自分はどうしたいの?このままでいいよね。いや、でも。仕事をするってどういうことなのでしょう。自分の「核」になるものが見つかったら人は強くなれるのだろうけど、そこまでの道のりは平坦なものではないですよね。たとえ「核」になるものが見つかったとしても、人って成長したい生き物だと思うから、そこがゴールにはならないと思うのです。結局、ずっと悩みながら働いていくのかもしれませんね……でも、大事なことは考えることをやめないってことのようです。

    飴細工にすらなれない「─自分は、永遠にアヒルなんです」とうつむく初登場の柏木さんです。夢は、教えてもらえない。何になりたいか、何になれば喜ばれるか、自分にはわからないと呟きます。でも、それってダメなことなのでしょうか。
    そんなにすぐに答えを出すべきものなのでしょうか。この世の中に柏木さんのように悩んでいる人は、たくさんいると思います。
    桜井さんがアンちゃんに語ります。
    「……なんか不安なのは、みんな一緒。私たちが劣ってるわけじゃない。追いついてないだけ」
    スタートする場所や時間が違うだけ……

    アンちゃんは、お店を訪れるお客さまをはじめ、たくさんの人たちと接していくうちに何気ない一言の奥に潜むその人の本音に気づくことになります。いろんな価値観に、常識、偏見、正義。それらはまさに三者三様でそんな声に右往左往してしまうこともありました。でも、自分の欲求のままにぜんぶ口に出して他人にぶつけるのは大人っぽくないとアンちゃんは悟ります。その声に出してしまった言葉のさきには、未来を担う子どもや風評被害となって傷つく人たち、誰にも言えない悩みを抱えている人などがいるのです。

    日本らしさは、包み込むこと。相手を尊重して、いいところはどんどん受け入れる。日本は受け止める力があると、乙女がアンちゃんに語ります。
    団子やお餅のように、もちもちで柔らかくてあったかくて、そして美味しい!そんな包み込む気持ちがみんなに広まればもっと素敵な世界になりますよね。なんと、和菓子の世界って偉大です。

    何だかずしんとくる物語のような感想を書いちゃいましたが、全くそのようなことはありません。
    美味しそうに何でも食べることを楽しむアンちゃんの成長物語に元気をもらえます。あと、和菓子は必ず食べたくなります。おまけにちょびっとラブの予感があるのですよ。何だかね、乙女が柏木さん登場であれよあれよと自滅していっちゃうのですが。
    「─甘すぎて、泣きそう」
    「甘酒屋の荷」を持て余す乙女よ、がんばれー。

  • 待ち遠しかった続編。
    ちょっと間が空きすぎちゃって みつ屋のみんなのキャラクター忘れかけてたけど 読み始めたらすぐに思いだした。
    お久しぶりでした。懐かしい。
    久しぶりに会ったアンちゃんは 少しオトナになってた。
    前作は美味しそうな和菓子とほのぼのした人間関係にほんわか癒されたけれど 今作はどれもちょっと切ない話。どこか他人ごととは思えなくて 胸が苦しくなるような。

  • 椿店長 最高ですね。

    なんでも 株に つなげるところが 最高です。

    ぜひ 外伝椿店長 お願いします。
     
    追伸
    最近 あんどーなっつの再放送があり
    和菓子職人の 世界。
    併せてみると 裏と表で 何倍も 楽しめました。

  • 前作、和菓子のアンが昨今流行りの(?)なんとなく持てないちょっぴり太め系非モテ女子を取り扱った作品で主人公私かよ!?と思いつつ読んでたら、和菓子の知識は増える上に描写が上手くて美味しい和菓子食べたくなるし、恋愛フラグをほのめかしつつ終わるしで続編出してくれ〜!と願っていたら本屋で見つけて深く考えずにレジに持って行きました。今回も素晴らしい和菓子の描写でした。出てくる食べ物をここまで食べたくさせる描写は他にない。ああ、和菓子に関する知識が増えていく。そして、職場でのスルースキルもなんとなく身についてしまう…恋愛模様もちょっぴり進展?あと、何がすごいって、何気にミステリー小説なんですよね。推理もの。和菓子の知識があって初めて謎が解けるという。いろんな要素があって一冊でどこまでも楽しい!

  • 『和菓子のアン』シリーズの第二弾。短編5編の連作。ホワイダニットな展開は前作そのままに、仕事や旅、人との関わりを通じて、アンちゃんの成長を綴っている。名言みたいなものもそこかしこにちりばめられてはいる。人の妬み、嫉みの背景や、動機付けるものなど、訴えかけるものもあるが何となく違和感がある原因が現時点ではわからない...。どこかで再読して確認しよう。

  • 前作ほどワクワクはしなかったものの、安定の面白さ。アンちゃんはかわいいし、立花さんは乙女だし、椿店長はかっこよくて、桜井さんも時々出るヤンキー感が素敵。

    アンちゃんはアルバイトながら、段々とプロ意識が芽生えてきてて、でも店長の指導に自分の思いが追いつかなくて、それに向き合いながら急成長してる!そんで推理力も急成長してる!


    新キャラ、頼りなさげな男子柏木さんが登場し、アンちゃんとの距離感に立花さんが揺さぶられて崩壊気味。がんばれ乙女男子。
    一話一話が完結してるかと思いきや、飴細工の話が後々繋がってきたりして、物語がよく動く!

    今回はお菓子を凶器にするようなちょっと後味の悪い推理と謎解きのお話があったりして、ちょっと苦しい。

    全5話中3話目ぐらいから、じわじわ立花さんの恋が!何だか動き出したんですけど!!そんで全然伝わってないんですけど!
    面倒くさい女子感発揮しまくりの乙女男子・立花さん。頑張ってほしい!!

    あー続きが楽しみ!!

  • ★4.0
    シリーズ2作目。前作は和菓子って可愛い!素敵!が前面に出ていた気がするけれど、今作は隠喩が込められた少し意地悪な和菓子の使い方がチラホラと。が、季節の行事や冠婚葬祭を共に過ごせる和菓子は、人生の酸いも甘いも知り尽くしているのだと思う。そんな中、アルバイトという立場や自身の至らなさを痛感し、心が大きく揺れ動いてしまうアンちゃん。ただ、勤務時間に関する諸々は、アンちゃんの気持ちも分かるけれど、完全に椿店長が正論。それにしても、アンちゃんと立花さんの今後が気になる!そして、桜井さんの侠気が格好良すぎ!

  • 「和菓子のアン」 は漫画雑誌で読んだ記憶がある。ちょっとした出来事や疑問を解いていきながらもホンワカしていた気がする。みつ屋で働くちょっぴり個性的な人たちのホンワカ感は変わらずにホンワカメインのアンちゃんが色々悩んだり迷ったりしながら少しずつ成長しているのが微笑ましい。
    そして美味しそうな和菓子たち想像するのが楽しい。デパートの地下を巡るときに和菓子屋さんにも足を運んで見よう♪

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著者プロフィール

1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で<覆面作家>としてデビュー。続く「ひきこもり探偵」シリーズとして人気を得る。ナイーヴで魅力的な人間像、緻密に描かれ、爽快に解かれる日常の不思議とこころの謎が圧倒的な支持を集めている。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。他の著作に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『僕と先生』『肉小説集』『女子的生活』などがある。

「2020年 『鶏小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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