- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334777838
感想・レビュー・書評
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ふだんはほぼ便利屋と化した探偵・椎名留美の連作短編集。
元警察官の探偵が、タフに活躍するハードボイルド小説。
という設定だけなら他にもあるが、その探偵が女性で、しかも山形弁なところが個性的。
タフな状況でも、交わされる会話が山形弁だと、ギャップがあるというか、独特のおかしみがある。
古巣の警察がらみあり。
警官時代に手を焼かされた相手や、暴力団がらみあり。
言葉だけでなく、物語もがっちりと山形に根付いたもので、生活感があった。
腕力担当の畑中逸平も、いいコンビ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
深町秋生と方言って 全く意外な組み合わせなんだけど 山形弁なのに なんでこんなカッコいいのー?
さすが深町秋生。
仕事の中身だって 探偵というより便利屋さんの範疇のものが多くて 日常でありそうな話も多いのに キレっきれ。
続編読みたい。期待してます。 -
深町秋生『探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌』光文社文庫。
山形弁を華麗に操る元刑事でシングルマザーの女探偵を主人公にした連作短編ハードボイルド。いずれの短編も斬れ味鋭く、全く厭きることがなく、最後まで楽しめた。
『紅い宝石』『昏い追跡』『白い崩壊』『碧い育成』『黒い夜会』『苦い制裁』の6編を収録。
山形市で探偵業を営む主人公の椎名留美は、探偵業だけでは小学生の娘とはまともに暮らせないので、パチンコ屋の並び代行にさくらんぼの収穫の手伝い、デリヘルの送迎など便利屋も営む日々を送るが…… -
仕事帰りにスーパーに寄って買い物をよく頼まれるんだけど、その度に「これじゃないバカ」だのとドヤされる事になる。草食系男子だなんだと、今の若者は軟弱だという論調が一時期あったけれども、おじさんだって充分に立場は弱いものなのだ。そんな情けない世の男どもがどこに逃げ場を求めればいいのか。私の場合はハードボイルドということになる。「パンクがクソ野郎どもが奏でるクソ野郎に捧げられた音楽」であるように、ハードボイルドはめめしくて自堕落な男たちの物語なのだ。
この私の最後の聖域はとても強固で、女探偵ウォーショースキーが空手チョップで殴り込みをかけてきても全く崩れることはなかった。彼女たちはめめしくも自堕落でもなく、クールで狡猾で現実的すぎる。そんな話を誰が読みたい?
…と思っていた。本書を読むまでは。
椎名留美38歳、元刑事で同僚だった夫は殉職。娘を抱えて地元山形で探偵を開業するも、くる仕事は便利屋のようなものばかり。もうこの設定だけでOKという感じ。スカダーやボッシュのように過去があり、バークのように地元ヤクザや元ヤンの「ファミリィ」がいる。ロビショーの住むニューオリンズのような地方色も最高。というか山形弁最高。
この本の主人公は「私は自立した女なのよ」なんてセリフは言わない。言うまでもねー話だからだ。
ここまで書いて気がついたけど、結局性別の問題じゃなかった。基本的にハードボイルドには泥臭さを求めているんだけれども、たまたま今まで読んできた女探偵ものがソフィスティケイトされすぎてただけだったんだ。
考え方を更新していこう。
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山形で探偵業営むシングルマザーの探偵椎名留海が主人公の短編集。
探偵と名乗っているがパチンコ屋の並び代行農家の手伝いなどといった仕事もしているのでほぼ便利屋ではある。
登場人物全員山形弁で話が進んでいくのが面白い。
チンピラ、ヤクザ相手に果敢に立ち向かって行く姿は勇ましいがバイオレンス描写は皆無。
脇役の仲間も元ヤクザだったり、チーマーのリーダーと独特。
ただシングルマザー探偵と謳っているが親子描写がほとんどなかったのでシングルマザー探偵でなくてもいいのではと思った。 -
いやはや留美の山形弁には参ったず。舞台になっている地方に生きている自分には、本文に出てくる場所がリアルに分かって面白かった。んでも、わっがい人はこだいなまてねど思うげんと。他県の人は理解できるかなぁ。
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シングルマザーってことにそんなに意味はなさそう
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深町さん初読。山形の町のハードボイルド短編集。山形訛の女探偵がとてもかっこいい!
著者プロフィール
深町秋生の作品






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