聞く技術が人を動かす: ビジネス・人間関係を制す最終兵器 (知恵の森文庫 a い 3-1)

著者 :
  • 光文社
3.18
  • (2)
  • (17)
  • (29)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 175
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334782177

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これはとてもよい本。聞く技術、というより話を聞き出す技術。会話を発展させ、相手から話を聞き出すにはどうしたらよいか。またコミュニケーションに難を抱えがちな状況、初対面、愚痴、悲しい話、怒りなどに対してどのように対処したらよいか。書かれている内容は人口に膾炙しているものも多い(クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンの使い分けとか)が、場面ごとに簡潔に書かれていて理解しやすい。しかも(ビジネス上の会話が主だが)、コミュニケーションがうまくいかないNGの対話と、それを紹介している技術によって改善したOKの対話という形で対比して書かれているため、その技術の効果について具体的にイメージできる。

    抽象的で答えが曖昧な処理質問を避けて、具体的に答えられる想起質問を投げかけること(p.50-57)。たしかに漠然と「最近どうだ」とか「この先どうするつもりだ」など言っても、話が発展するわけがない。この応答を例えば上司なら「つまらない奴だ」とか「先のことを何も考えていない」と考えがちだが、それは端的に聞き方が悪い。Yes/Noで答えられるクローズド・クエスチョンを投げろとまではいかないが、もっと具体的に答えられる質問を投げるべきだ。そこで重要なのが、イメージを思い浮かべさせること(「3年後の自分が仕事している姿を思い浮かべよう」とか)、色や形などまったく違うものに置き換えさせること(「最近の調子は色にすると何色か」とか)。

    また、年長者が説教モードに入った時にどう対応すべきかについては、端的にひれ伏してしまえとしている(p.209-214)。確かにいちいち反論してもしょうがないし、嘘でもとりあえず受け取っておくことが重要な対処法なのかも。むしろアドバイスを求めてしまえともある。

    こうした本は自分が読んで納得できるような記述をしている本を探すのが一番。書いてある内容は類書とそう変わらない。一度読んだだけですべてを吸収できるものではないので、自分が行うコミュニケーションのパターンが変わるごとに読み直していくのがよいだろう。

  •  クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン
     「相手が話したいのはきっとこんなことだろうな」「次の話題へ移る前に、なるべくこの話を深めよう」と常に意識していけば会話の質は高まる。
     相手の複雑な思いをまとめたいときは、言葉よりも色や匂いなどまったく別の感覚に置き換えてみる
     相手の話を聞くときには自分勝手な思い込みを捨て、心を無にする
     夢や理想を聞くときは相手の心のなかに絵が浮かんでくるような質問をする
     されると楽しい質問リストを作ってみる
     相槌のバリエーションを増やし的確なタイミングで打つことを此処がける
     オウム返しのリピートで相手が抱えてる問題を解決できることがある
     相手の言葉を別の言葉に置き換えることで感情的な軋みを避ける事が出来る
     相手にはっきりと意見を求めない不完全質問により押し付けがましさを消すことが出来る「かなぁ・・・」
     正面ポジションは交渉事。真横のポジションは相談事。応用が効くのは斜めのポジション
     相手に落ち着いて話させたいときは、自分の左側に座らせてあげる
     初対面の相手の正面は約一メートル、横に座るときは30センチの距離を取る
     相手の表情や仕草をミラーリングする
     不安が大きいと腕組の位置は高くなる
     横に座った相手に向かって足組みをすれば上半身が相手の方向に開き、距離感も縮まって親しい雰囲気を作ることが出来る。
     楽しい話は高めのトーンで、深刻な話は低めのトーンで
     重要な話題は低くゆっくりしゃべる
     初対面の相手やビジネス相手には、二秒合わせて一秒外すアイコンタクト
     楽しい話には浅く早めの、深刻な話にはふかくゆっくりめのうなずき

     反論の聞き方→まず受け止める。要約、さえぎり、決めつけ、結論付けは、しない。
     教えてもらった後は「なるほど」「そういう発想はなかったな、勉強になりました」「やっぱり・・・さんに聞いて良かったです」
     励ますときは根拠を言う。「なぜなら」「なぜかというと」
     相手の下手なオープンクエスチョンには、逆質問して具体的に答える。
    「仕事のことですか?それともプライベートのことですか?」

     女性の話 説教、アドバイスを避ける。しっかりとしたリアクションで共感。「そうそう!」「わかるわかる!」「わたしもー!」なにかアドバイスや励ましの言葉を返したいときも、「そうか、君はそういうことで悩んでいたのか」「君はそういう風に考えていたんだね」
     口の重い人 僕はドライブが好きなんですけど・・・はドライブは好きですか?と自己開示してから
     話が終わらない人 要約するか「僕の意見を言わせてもらってもいいでしょうか?」などと一言言ってから割り込む
     説教臭い人 「なぜ今まで気づかなかったのでしょうか。言われてみてよく分かりました」「おかげさまで自分の至らなさが身にしみて分かりました。ありがとうございます」
     年長者 「まだまだ経験不足なものですから」「僕ではなかなか思いつけないので」「ここはぜひ営業経験・・・年の田中さんの協力がほしいんです」

  • 会社の研修中講義にいらっしゃった方が書かれた本を頂いたので今更ながら読んでみた。相手に気持ちよく話して貰えるように、どのような言葉遣いや会話をするべきか以外にも、所作についてのアドバイスも多く書かれている。人の話を聞かない自分には耳の痛くなる本だった。

  • 正直大した話は載っていません。
    割と当たり前の話。

  • ①話を広げる・狭める
    オープンクエスチョン・・・相手がどう答えるか決まっていない。
    クローズドクエスチョン・・相手がどちらかを選択して答えさせる。
    会議では最初オープン→クローズドですすめるとまとまる。
    ②話を深める。
    相手が話したいと思う話題を見つける。
    ③話をまとめる。
    言葉より別の感覚に置き換える。イメージさせる。
    ④意見を引き出す。
    想起質問・・・ちょっと思い出すだけで即答できる答え。
    処理質問・・・頭の中で考えて処理しないと答えられない質問。
    ⑤夢や理想を引き出す。
    ビジュアルで思い浮かべるようように質問する。
    ⑥気分よくさせる・勇気付ける
    完全質問・・・あなたに質問しているとわかる。
    不完全質問・・どうなんでしょうね。つぶやきに似ている。

    聞く技術
    相槌、オウム返し、言い換え、気づき、共感
    ポジショニング、ミラーリング、声のトーン、アイコンタクト、うなずき
    ×「あ〜やっぱり」
    ×「そうですよねぇ」
    ×「そうかなぁ」

    不満足感をはっきりさせる
    ×どうしましょうか?
    ×どこが不満ですか?
    ◯ビジョンを見せて気づかせる

    女性には説教とアドバイスはNG
    大げさなアクションで共感を表す

    心を開かない人には「小さな質問」「自己開示」
    「感情に訴える」・・詫びながら聞き出す

    嬉しい話→嬉しい感情をミラーリング
    悩み→同情ではなく共感 ×評価×当てはめ×無視
    愚痴→リピート ×非難×さえぎり
    自分への怒り→リピートや言い換え、教えを乞う ×怒り×非難×揶揄
    趣味の話→ミラーリング・相槌・ビジョン ×無愛想×すりかえ×知ったかぶり
    家族の話→本心を言い換える ×悪口に共感×相手が不安になる話題
    仕事の話→ポジティブな面を引き出す、ビジョンを使う

  • 処分読み。
    今となってはあたりまえだが、活かすにはまとめ方が違う視点がいい気がする。新卒・学生、あるいはこの手の本の初心者向け。例も都合がよすぎる感は否めない。

  • 人の話を聞いて、それを深めるってことが苦手だから
    読んでみた。
    まぁまぁ参考になったかな。
    単に話を聞くスキルだけじゃなくて、怒られたときの
    対処の仕方とか、元気が無い人への声のかけ方とか
    コミュニケーション全般を扱っている。

  • 聞けばなるほど確かにといった内容ばかり。実践でフル活用できるようになると、人生ちょっと上手くいくような気がする。

  • 4334782175 271p 2003・5・15 初版1刷

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

心理学者、東京心理コンサルティング代表

「2014年 『「中途ハンパ」は必ず直る!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊東明の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
J・モーティマー...
デールカーネギ...
ジェームス W....
スペンサー ジョ...
トニー・ブザン
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×