新版 年収300万円時代を生き抜く経済学 (知恵の森文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334783556

感想・レビュー・書評

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  • > 正社員のサラリーマンになって、いやな上司やいやな顧客に歯を食いしばって我慢しながら、つまらない仕事でも、私生活や家族を犠牲にしてでも、必死になって働いて年収700~800万円をもらうという働き方だ。
    自分はまさにこれ。毎日がストレスフル。年収300万円でも生きていけるのだから、もうちょっと気楽に生きてもいいかなと思った。そのために、ローン、保険等々、生活にかかる固定費を見直すのは必須ですね。

    15年前の本なんですが、今は年収200万円~という本が出ているんですね。。

    自分はもうちょっとだけしんどい生活を続けて、アーリーリタイアを目指したいけど、その後の生活が描けてないので、すぐ積みそうな気がしてて恐ろしいです。老後のいきがいとは何か?を考えるきっかけになりました。

  • もう10年以上前の本だけど、現在読んでも全然問題なし。というか、よく現在の状況を予言している。書かれてることは、今となっては当たり前というか知ってることが多かったけど、当時としては先駆的だったのでは。モリタクって本当はすごい人なのかもなー、とちょっと思った。さーっと読めるけど、お金の話とかちょっと小難しいぶぶんもある。

  • 2003年3月に出版された本です。
    これは日本でベストセラーになったので、 当時読まれた方もいるのではないかと思います。
    このシリーズを考えてみれば1冊もよんでいなかった為、 あえて今のタイミングであっても読んでみました。 当時は日本が世界の中でも所得がルクセンブルグに次いで 2番目に高かったのだな。。
    今となっては驚きですね。 世界がインフレが進む中、日本はそのあともデフレが進行し、所得も下がった。。
    不動産価格、資産価格、所得もその後世界は大きく上がりました。
    大きく日本がこの後も沈んだわけですね。。
    生き方として目指す方向は 共感するものがあります!

  • 少々古い本ですが、年収300万円時代は、より身近になっており、提案されている内容は、さらに現実味と説得力を増しているのではないかと思います。

    日本人の大半が年収300万円程度にも関わらず、個人の持つ金融資産は、1400兆円。一人当たりでは1,500万円程度ということになります。しかし、庶民の大半はそんなお金を持っていません。

    この本で指摘されているように、富裕層とのギャップは確実に広がっていると思います。生活保護を210人以上が受け、その予算規模が4兆円になっているのが現状です。4兆円は、今の税収の1割になるほどの巨大な予算です。

    そんな環境下であっても、楽しく生きるにはどうしたらよいのかを提案しています。提案は、自分が一生打ち込める何かを一日も早く見つけることであるとしています。生涯付き合っていける何かを一日でも早く見つけられた人が、幸福な人生を送れると主張しています。

    くわえて、年収300万円以内における生活防衛術もかなり詳しく書かれています。特に「支出を見直す」という部分は実践的。中途半端な年収持ているFP等にはまずできないレベルのアドバイスになっています。

  • 年収300万円時代をどうやって生き抜いていくかを、具体的な例を持って解説。給料が減っても豊かに生きることを推奨してくれていて、働きすぎていた日本人にとって国民性を変えるよいチャンスだと著者はとらえている。

    自分が、今の仕事を続けているのは、少なくとも他の仕事をしているより収入が良いからであるが、好きでやっている仕事ではないのでストレスが溜まっても逃げ道が作れないことが多い。であれば、もう一方の道として、自分が楽しくてたまらない仕事を選び、生きていけるギリギリのお金を得ることでストレスなく生きていくほうが、人生を謳歌できるのではないか?そんなことを真剣に考えさせてくれる作品だ。

    この本の中で自分が注目した、具体的な対応方法や考え方などを書いておく。


    <u>住宅ローンは長期固定金利で!
    </u>

    住宅ローンを借り換えるなら、固定金利期間変動型ローン(一定期間は固定で、その後に金利と期間が見直され、変動か固定かが選べるタイプ。切り替えのタイミングで好景気になっていたりすると最悪)より、多少金利は高くなるが長期固定型の住宅ローン(最初から金利が高いが払い終わるまでずっと同じ金利のままのローン)にこだわるべき。できなければ出来る限り長い期間の固定金利をチョイス。

    <u>借換時の手数料の目安
    </u>

    住宅ローン借り換え時には、手数料が30万近くかかるので、1000万円あたりでいえば1%以上の金利ダウンが見込まなければ意味が無い。

    <u>病気などで払えなくなったらどうするか?
    </u>
    もし病気などの理由でやむなく支払えなくなってしまったら、消費者金融などに手を出さず、正直に、かつ大胆に開き直って銀行や公庫に相談してみること。
    ヘタに逃げられるより確実に回収したいので、リスケ、金利の減免、元本の減免、債務の放棄容認などいろんな対応をしてくれる可能性が高い。

    <u>総報酬制を逆手にとって社会保険料を大幅減額する方法
    </u>

    2004年から導入された総報酬制によって、ボーナスにも月給と同じ保険料率がかけられることになったが、これには裏があり、ボーナス額が厚生年金の場合150万円、健康保険の場合200万円で頭打ちになり、それを超える分については一切保険料がかからないのだ。

    つまり、月の給料を限界まで減額し、減らした金額をボーナスに思いっきり集中してもらえば、社会保険料を大幅に減額できる。本人の社会保険料負担が減るということは、会社の負担も大幅に減るので、給与体系について相談が可能なのであれば是非そうしてもらうべき。
    例:年収600万円の場合、
     月収40万、ボーナス60万×2だと、月収分52万2770円、ボーナス分13万680円、合計65万3400円。
     月収10万、ボーナス480万円×1だと、月収分13万680円、ボーナス分13万3850円、合計31万4530円。
     約半額である。

    <u>楽しいと思う仕事はつまらない仕事より労働時間による苦痛が少ない
    </u>

    たとえ収入が少なかったとしても、仕事によるストレスが殆どかからないので、たとえば好きで楽しくてたまらないから残業しているのに、そこでもお金がもらえると考えればもうウハウハ。かりに収入が半分になり、生きていくことがギリギリになったとしても、自分が楽しくて仕方ない仕事を選んでいけば、将来的には病気にもなりにくいし、いいことが多い。

    <u>経済内戦「逃散」の勧め
    </u>

    無理してお金を稼ぐことにしがみつけば、結果的には政府から搾り取られていくカモにされるだけだ。それより、年収300万で生きていくことを受け入れて、自分がストレス無く生きられる環境で楽しくて仕方ない仕事を続けているほうがよほど自分らしい人生を送れるのではないか?
    繰り返される悪政に対して反旗を翻し、「一揆」を起こしても良いのだが、今の日本人にはそんな気質はまったくないし、出来ないはず。なのであれば、さっさと日本の政治に見切りをつけて、お金を搾り取ろうとする人間から逃げるよう、お金を稼がない=搾り取るお金がない生活に「散逃」すべきだ。

  • 勝ち組になれることを幻想と説き、自分の主張を伝えようとする書き方はあまり好きではない。

    初めて森永卓郎氏の本を読んだが、回帰分析などデータを使って論じる点があるのに対し、自分の主張はどうも定性的に語っている感があった。

  • [ 内容 ]
    小泉構造改革とは、ほんの一握りの金持ち階級と圧倒的多数の低所得層とに日本をわけるものだった!9割のサラリーマンが「負け組」に向かうなか、可能性のない「成功」をめざすか、自分にとって「幸福」な人生をめざすのか。
    安定が崩れ去った日本社会での「森永流前向き生き方」。
    ベストセラー正続を新版にして文庫化。

    [ 目次 ]
    第1章 日本に新たな階級社会が作られる(「カネの亡者」が日本を階級社会に作り変えるシナリオ;「逆バブル」で誰が儲かるのか ほか)
    第2章 年収300万円時代がやってきた(所得格差が100倍の時代;賃金の低下はさらに厳しくなる ほか)
    第3章 年収300万円時代の本当に「豊かな」生き方(世界に冠たる「高所得」日本人の「貧しさ」;年収300万円は貧乏か ほか)
    第4章 年収300万円時代を幸福に暮らす「知恵と工夫」(限られた収入を効率的に使って、いかに幸福な生活をつかむか;交渉力次第で住宅ローンの金利は下げられる ほか)
    第5章 本当の幸せとは?私自身の「年収300万円時代」(日本の政策は、金持ちのサロンで決められている;デフレ不況は、弱い人たちを、私の仲間たちを傷つけている ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 面白かった。森永さんの経済予測は当たることもあれば外れることもあるわけですが、少なくとも何もしないで私の年収が私の安泰な老後を約束するわけでもなければ、安心な今を約束するわけでもないので、生活防衛のために農業の真似事を始め、副業についても検討を始めていたところだったので、大きく頷きながら読めました。

    いま26歳で、私の時代の就職活動はリーマンショックのあおりを受けて、結構厳しい状況でした。この厳しい状況にまさかの病気で途方に暮れているなか、周囲の友人たちは続々と公務員志望に切り替え、こぞって公務員試験を受けていました。「公務員は定時で帰れる」「仕事しないで安定した暮らし」というのが彼らの言い分でしたが、定時で帰れる公務員なんて一部だけだし、ガチガチに身分を固められる公務員の暮らしに、あまり魅力を感じられませんでした。自治体の経営だって苦しいですから、将来的に、公務員にもリストラの波が来ないとも限りませんし。

    公務員は現代の勝ち組の一種でしょうが、公務員にも定員はあるわけで、誰もが公務員になれるわけでもないし、そもそも公務員の生活だって合う合わないがある。そして同じく、一生安泰な会社なんてものも幻想になりつつある。ではどうやって生活を防衛すればいいのか。ひとつには年収300万円を維持し、その中で、そしてその上でできることを楽しくやること。本書のテーマはこれです。

    実際のところ、生きるだけなら手段なんてなんでもよくて、なり手がいないと言われている農業だって、実はけっこう儲かっているところもあるんですよね。しかも健康的な生活が送れる。朝起きて夜寝て昼ごはんもちゃんと食べられるというのは会社勤めでも可能なことではありますが、植物でも動物でも、生きているものを相手にするのはちょっと違う。みんなが同じ方向を向いて、同じことをして、自分が勝つのと引き換えに誰かを蹴落としながら、自分だけの利己的な安定を手に入れる、そうしなければ幸せにはなれないなんて言うのは実は嘘で、そうしなければ幸せにはなれないとどこかから駆り立てられているから、そう感じているだけ。生き方をひとつに定める必要もなくて、副業をしたっていいし、家族がいるならみんなで家業と副業に一生懸命になって、健康的に暮らせばいい。いくらお金があったって、家の中で感情を凍りつかせて暮らすよりはるかに、幸福感を感じながら生きていける。幸福感があるならば、結婚だって怖くなくなって、少子高齢化の波も少し穏やかになるかもしれない。

    基本的に森永さんはテレビでもあの通り、わざとというところもあるでしょうが、かなりマイペースで天然な人という印象があります。そういうわけで本の中でも、「県別ラテン度指数」とか、「私の同好の志の超マニアックビジネス成功エピソード」とか、「噂話で聞きかじっただけの信憑性の怪しいみのもんた氏の給料と過去」とか、真面目な経済と暮らしの話の中に、突如として謎の破壊力を持つ文章が出現します。大真面目に生活と欲望のダウンサイズ、そして手に入れられる幸福の話を、大真面目な経済とオフィスワークの事例を引きながら解説してくれているのに、時折登場するオタク的トークと絶妙にズレた感性のネーミングで、読み手の笑いを誘いながら、楽しく、貧しい時代の幸福な生き延び方を提案してくれています。

    もちろん、楽しく生き抜くためにはしたたかな戦略も欠かせないわけで、利用できる限りの国のサービスを利用する、手堅い金融商品を選ぶ等、積極的な攻めの姿勢についてもしっかりと書かれています。やや情報は古いのですが、基本戦略の立て方などはこの本からでも学べますし、何より愉快で力の抜けるようなトークが非常に楽しくて良い。楽しく戦略を学べるというのは、この本の目指す目標とも一致している(笑)

    ちょうど生き方の転換期でしょうし、森永さん流の生き方は、人を幸せな下流に固定する生き方だと思います。多くの人が、安全なしがみつき先を必死になって探している今、森永さんの言うような人生を若いうちから積極的に受け入れられる層というのはまだまだそれほどいないのではないかなと思います。親からの強い視線も、友人たちとの横並びの意識も、まだまだ強烈な若い世代にとっては、そんな生き方は世捨て人の生き方に見えるかもしれない。緩やかな生き方を選んで成功するとも限らないし、従来通りの生き方を志向して成功するとも限らない。高望みしてもな、と思う自分と、高望みしたほうが、と思う自分、親の要求に応えたほうが、と思う自分と、親の言うことがあまりにも時代錯誤だと感じて嫌気がさす自分、揺れ動く世代にとっては、選びづらい選択肢だろうと思います。そう考えると、この本を読んで大いに参考にできると思える層は40代前後、子どもも成長しはじめ、自分の社会的価値も明確になり始めた年代の人たちであろうと思います。まだ若く趣味に没入できる余裕もあるでしょうし。

    そういった年代の方に向けた生き方指南書としても、気楽に読めてよい部類だと思いますし、まだそこまで思い詰める必要のない若い世代に対しても、選択肢の提示という意味では、よい本だと思います。何よりも独特のトークで時折差し挟まれる笑いに癒されながら読み進めることができますから、親しみやすい生活防衛術の本として、読んで損にはならない本だと思います。

  • 経済的なことが勉強でき、自分の生活と照らし合わせて参考にできる本

  • 収入に応じて幸せに生きようという考え。多少後ろ向きの考えだが尤もだと思う。足るを知る者は富むということでしょうか。2005

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著者プロフィール

経済アナリスト、独協大学教授

「2022年 『楽しい!2拠点生活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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