前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って (知恵の森文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334784430

感想・レビュー・書評

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  • 読書『前世への冒険―ルネサンスの天才彫刻家を追って』森下典子(知恵の森文庫) | ふじゆりスタイル
    https://fujiyuri.com/blog/読書『前世への冒険』(知恵の森文庫)/

    前世を知る旅『前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って』を読んで | 生きづらい。それでも生きていく
    https://living.jpn.org/daily/reincarnation.html

    前世への冒険 森下典子 | 知恵の森文庫 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334784430

  • 森下さんが霊視してもらいその結果をうけて、前世の自分かどうか、事実の確認する為にイタリアへ行く。目に見えない不確かなことに、そこまでの探求心と行動力に圧倒された。

  • すごい!の一言。
    森下典子さんのことは、わたしは『日日是好日』で知ったのだが、その随分前に、おそらくその時もお茶のお稽古に通いながら、こんな本を書かれていたとは...!

    本書は、仕事で前世を見てもらう企画があり、名のあるイタリア人彫刻家「デジデリオ・ダ・セッティニャーノ(1430-1464)」だったと言われたのをきっかけに、イタリア(フィレンツェ)&ポルトガル(ポルト)まで飛び、詳細にその人物について調べていく壮大なノンフィクション。

    もちろん正解は誰も知る由がない。ただ、前世を見た人から与えられた断片的な情報が実際につながっていくことも多く、とても不思議な感じであると同時に一緒になって謎解きをしているようで面白かった。

    森下さんは常に冷静な視点も忘れず、与えられた情報に無意識のうちに引きずられていないかを確認しつつ、調査を進めていく。
    国境だけでなく時代も時空も超えた壮大な旅をしているようだった。

    前世というものがあるのかないのか、良く分からないけれど、目に見えるものだけが世の中じゃないだろうなぁと思う。
    森下さんも書いていたけれど、何が正解かということより、それを調べているときに確実に現在を生き生きと過ごせたこと、それこそが人生で一番大切なことなのではないか、と。「人生は心からしたいと望むことをするためにある」ということを、わたしも肝に銘じていきたいと思った。

  • 面白い切り口だなと思って読みはじめたら、あっという間に読み終えてしまった。ノンフィクションだけど、傑作長編ミステリーを読んでいるかのようだった。
    点と点が繋がっていくワクワク感、清水さんの言葉が現実だったとわかったときのゾクゾク感…面白くて少し不気味な、貴重な読書体験ができた。

    また、ルネサンス期のヨーロッパの雰囲気や、社会の様子が、ありありと伝わってきて、世界史好きにとっては普通に興味深かった。当時のヨーロッパはペストをはじめとして、結核や性病など、様々な流行病に悩まされていて、現在のコロナ禍に通ずるところも感じた。そのような状況下だからこそ、「復活」や生を重んじるような変革が起きたのかもしれない。

    解説にもあったが、清水さんの言葉や前世や信じるか否かは問題ではなく、ここまで著者である森下さんを行動に駆り立て、そして本を通して私たち読者をワクワクさせてくれたのだから、とても「役に立った」経験なのだと思う。そういうある意味都合よく解釈することって前向きに生きていくためには大事だなと思う。

    以下、覚え書き。

    ・著者といえば日日是好日のイメージだけど、こんのにもアグレッシブな方なんだ!
    ・ひとつのことに熱中し、情報を集めているときの人間の感度ってすごいんだな〜
    ・疑わしいとはいえ、時に肉を断ってまで3度も前世を見てくれた清水さんの扱いよ…笑
    ・歴史上重要な人物の生家や墓の上に普通に住んじゃうイタリアの(石造文化の)歴史観。
    ・人生一度切りと思って、思い切ってイタリア行きへ舵を切った著者。後から振り返ったときにどんな経験と思えているのかな。気になる。

  • 「杏のふむふむ」で知った本。
    もう何度も読み返している。
    前世なんて信じられないと思いながら読み始めたが、とても面白くあっという間に読み終えてしまった。
    まるで著者の森下さんと一緒に冒険をしているようでワクワクする。
    「人はわくわくしている時、本当に生きている」という森下さんの言葉がとても胸にささった。
    ワクワクすることを忘れて日常が色褪せて見える時、私はこの本を読む。
    ミステリーのような、ファンタジーのようなノンフィクションのお話。

  • 杏のエッセイ『杏のふむふむ』を貸してくれた友人が、『ふむふむ』の中に出てくる本だからと、一緒に貸してくれました。私は占いも前世も信じません。だから、「あなたの前世はルネサンス期に活躍したイタリア人彫刻家ですと言われたフリーライターが、前世の自分を検証する旅に出る」という話を胡散臭すぎると思いつつ読みはじめました。そうしたら、おもろいやんか。フリーライターである著者自身が私と同じスタンスで、取材で会った「前世が見える人」のことを疑いの目でしか見ていない。なのに信じざるを得ず……という状況に。ノンフィクションなのにファンタジー。信じても信じなくてもええやんか、こんな素敵な旅ができたんだから。そう思えます。

  • まさに前前前世!
    こんな話本当にあり得るのか?
    それを著者本人が疑ってくれたからこそ生まれた作品なのではないかと。
    輪廻転生とか生まれ変わりの概念そのものが人間がつくりあげたものであるし、誰も証明できない。自分の前世…知りたいような知りたくないような。とにかくデジデリオという名前は忘れられないだろうなぁ。

  • この著者の作品としては2冊目の本だが、まったく異なった視点から書かれた作品。「前世への冒険」という題は、この本の重要な要素の一つ「前世」がきっかけとなって書かれたことからつけられている。

    あるとき、「あなたは、1430年ポルトガルのポルトという海に近い町で生まれた。名前はデジデリオ・・」と言われたことから「私」の旅がはじまる。「私」は前世など信じていないが、自分に向けて語られたことを調べはじめ、ついにイタリアそしてポルトガルまで、デジデリオの関わった土地や教会を訪ねてゆく。そしてその地に遺された彼の彫った石像を見て、次第にその温かな表情に魅了されてゆく。

    「私」が一つ一つの疑問の答を探し、調べられる限りをつくしていく過程を、読者が後から辿ってゆくことで、あたかも読者も共に冒険の旅にでかけているように感じられて、刺激的で楽しい。400年以上も隔たった世界とは感じられない、スリリングな旅だ。やがてその道のりからひとつのたからものを得る。

  • BSのドラマで「フィレンツェ・ラビリンス」というのをやっていまして。イタリアの町並みと建造物の美しさ、ストーリーの完成度に思わず「原作が読みたい!」と衝動買い。
    ドラマのほうが確かにまとまりはありますが、描かれなかった部分にも面白いお話が沢山あってとても面白かったです。
    ただ、一部同性愛表現があるのでいやな人はご注意です。

  • エッセイなので読みやすい。
    スピリチュアルが好きなら好きだと思う。
    私は好きだった。
    「前世を視てもらい、どこまでが事実なのか実際に検証していく」という、ありそうで無いストーリー。
    「私の前世ってこんななんだー!へー!」で終わらないところがお気に入りポイント。
    エッセイでこれ系の話をここまで具体的に書いてくれている本はないんじゃないかなぁ。

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著者プロフィール

森下典子(もりした のりこ)
1956年生まれのエッセイスト。『週刊朝日』のコラム執筆を経て、1987年その体験を記した『典奴(のりやっこ)どすえ』を出版。代表作『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』は、大森立嗣監督・脚本、黒木華主演により2018年10月13日映画化され、樹木希林の遺作ともなり、大きな話題となった。他に、『いとしいたべもの (文春文庫)』『猫といっしょにいるだけで』などの作品がある。

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