縁は異なもの (知恵の森文庫 t し 1-1)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334784836

感想・レビュー・書評

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  •  明恵上人の事が知りたくなった
     白洲正宗には笑い

  • 村上春樹を通して知らない世界に出逢えた。
    〇〇的なものが〇〇を隠してしまう。
    本当らしい言葉には血がない。
    本物の方々の言葉には説得力がある。

  • 内容紹介(amazon)
    共に天才と崇める鎌倉時代の名僧・明恵上人。本書はその明恵上人が結ぶ縁で出会った二人のエッセイを含む対談集。心理学者ならではの河合の導きで、明恵上人、西行、能、両性具有等、白洲正子の著書から選ばれた多彩
    なテーマを題材に、人間の生きざま、古典、美への深い思いが惜しみなく語られる。互いの信頼感や親交の深さも伝わる貴重な一冊。

  • 縁というものは本当に異なものなのだな。
    「明恵上人」を通して出会った二人、白洲正子と河合隼雄。
    それぞれに、美と心を追い求め続けた二人の知的で洒脱で濃厚で軽やかな対談が、こういう形で残っているってことが一種の奇跡のようで。
    凡人の手の届かないところにいるお二人の言葉を読むたび、世の中にはまだまだ自分の知らない世界が広がっているのだなぁ、とつくづくと思う。
    この本が今、自分の手元にやってきたのはやはり必然だったのだよね、と思わずにはいられない。縁はやはり異なものなのだよ。

  • 白洲さんおもしろい。深い。新しい扉を開けてもらった気がした。

  • 私が白洲正子氏を知ったのは「風姿花伝」について調べていた際に彼女の「世阿弥」を読んだことに始まる。それ以降、雑誌記事などがあれば目を通していた。白洲次郎ブームがあった際にも、白洲次郎の本と一緒に白洲正子の本を読んだりしていたが、河合隼雄氏と対談していたことは知らなかった。友人と書店へ行った際、たまたま友人が見つけてくれたのが本書である。
    ほとんどが河合隼雄との対談であるが、その対談が非常に面白い。白洲正子は女性として初めて能楽堂に立ったことは周知であるが、その能についての話が非常に面白いのだ。私が彼女を知ったのも「風姿花伝」だった。また、親戚が日本舞踊の師匠であるので、能に関しても舞台を見に行くことが多々あり、話の内容も割りと私自身の生活に近い。自分にとっての興味の範囲であったので、とても面白く軽快に読み進めることが出来た。芸術の所作やその特質に関しては、畑は違えど音楽をかじっていた者としても、なるほどと頷くものもあり、芸の奥深さを久々に痛感した。対談なので、河合隼雄の冗談もいたるところで炸裂しており、時には笑いながら、時には深く考えながら頁をめくった。まるで目の前で対談が繰り広げられているように感じ、その光景を見ているようだった。
    後半の西行や明恵の話にしても、非常にテンポよく、内容も面白い。普段では分からないような歴史の裏舞台が見え、その内容を読んでいるだけで自分も研究してみたくなってしまうほどだ。
    白洲正子は美術や芸術を愛した人である。色々な人々との交流の中で自分を見つめ、そして自分の愛するものを見つめてきた。彼女の生き様というものをもっと深く知りたいと、この対談を読んで感じた。
    今後、白洲正子の著作も一つ一つ読んでいきたいと思う。

  • 白洲正子という人がどんな人なのかよく知らないし、あんまり興味もなかったけど河合隼雄の名前につられて買ってしまった。河合先生でさえ彼女のことを”高嶺の花”、”遠くから尊敬しているのが適切”というくらいで、私など彼女の話していることの半分も理解できない。生まれも育ちも違いすぎて価値観を共有できないとでも言おうか。とはいっても二人の語り合いを読むのはとても気持ちよく、わからないながらも能に興味を覚えたりして、それなりに楽しいところもあったけど。白洲正子が亡くなったときに河合先生が書かれた文章を読んだとき、河合先生ももう亡くなられていることを思いだして寂しい気持ちになった。

  • 白州次郎さんの奥様としか知らなかった
    正子さん。
    能から始まる日本文化への造詣の深さと、
    河合隼雄さんとの対話に見られる茶目っ気、
    すっかり魅せられてしまいました!
    もっと色々著作に接したいです。

  • 2009年1月13日読了。

    精神的なものは、精神を隠れされる。

  • 村上春樹→河合隼雄→白洲正子→小林秀雄とつながるきっかけになった一冊。対談に自分も同席したかのような暖かな読後感。


    (2007年晩秋購入)

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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