日本語「ぢ」と「じ」の謎―国語の先生も知らなかった (知恵の森文庫)

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著者 : 土屋秀宇
  • 光文社 (2009年6月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334785314

日本語「ぢ」と「じ」の謎―国語の先生も知らなかった (知恵の森文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 国語問題に関するおおよその論点と流れが簡潔に記されている。文化というものをナメくさったどうしようもない文部官僚と、決然と対決した文人たちがいた時代があったことがよく分かる。

  • 面白い!歴史をストーリー仕立てで味わうことができ、わくわくしながら読み進めることができた。国語政策に関わった時の知識人たちの思惑や、駆け引きなど初めて知ることばかりだった。日本語をローマ字表記だけにしようとか、公用語をフランス語にしようなどなど(今考えればとんでもない?こと)を提案していた人物がいたとは…驚きの連続だった。
    また”当用漢字”→”常用漢字”と呼び名が変わったことにも納得。それにしても、日本から漢字を廃止しようとしていた時代があったとは…。
    この本を読み終えて、漢字に対していとおしい気持ちがわいてきた。今こうして漢字を使えることに感謝、感謝。
    (追記:古本で購入したため、「常用漢字表の改定2010年」以前の発行年2009年。常用漢字の数は改定前の数字で書かれている。)

  • 「地」は大地(だいち)の地(ち)なのに、
    なぜ「地面」は「ぢめん」でなく「じめん」と書くのか。
    「大詰め」は「おおづめ」なのに、
    「差し詰め」はなぜ「さしずめ」と書くのか。

    そんな、日本語の「現代仮名遣い」に関する本。

    旧仮名遣いと現代仮名遣いの違い、
    敗戦後から始まった「漢字狩り」の歴史、
    当用漢字・常用漢字・人名漢字の歴史的経緯と
    文部省(当時)や新聞社の思惑などなど
    かなり細かく説明されている。

    特に戦後の一時期、日本の文字を
    正式に「ローマ字にしろ」という運動が
    かなりな現実味を持って議論されていたことなど
    今読むと驚くばかり(^ ^;

    一方では「仮名書き」を推す一派がいて、
    とにかく「日本から漢字を駆逐せよ」という流れが(^ ^;

    新聞社は、当時は活字を組んで印刷していたので、
    文字数が減ることは人員や予算の削減になるので
    大いに奨励して報道した、というのも面白い(^ ^

    さらに「人名用漢字」を増やす、というときに
    「糞」「屍」「呪」「癌」「姦」「淫」など、
    およそ「人名に使うとは思えない漢字」を多く含み
    世間から非難の嵐となった際、お役所は
    「常用平易と認められるかどうかで選定し
     人名に相応しいかなど漢字の意味は一切考慮せず」
    と回答したという、ギャグのような話も(^ ^;

    全体を通して大変興味深く読めたのですが、
    どちらかというと「歴史的経緯」の説明が多く
    もっと「雑学的な情報」を期待していた私には
    残念ながら少しベクトルが違った感じでした(^ ^;

  • 日本語が曖昧なもとに作られていることが分かった。
    伝統的なものを守っていくのが美しいのか、それとも今を生きる言葉に変化することが実用的なのか。
    けど、美しいと思う日本語って誰しもがあると思う。
    そのことだけは忘れてはいけないと思う。だって日本人だから。

  • (後日再編集)

    戦後の教育方針で歴史的仮名遣いをやめ、常用漢字(当用漢字)を使うことになった。そのため本来の漢字とは離れた意味になる日本語はあやふやな決まりで覚えるしかなく、
    中盤は戦後の漢字に対する政府・メディア・民間の動きがわかる。
    また幼少期に古典を学ぶことがなくなり古来からの言葉に接することが少なくなったため、日本語の基盤がおろそかになっている現代は

  • 小学生の頃に、「鼻血」の「血」は「ち」なので、ふりがなは「はなぢ」と習った時に、じゃあなんで、「地面」の「地」は「ち」なのに、ふりがなは「じめん」なんだろう?と不思議に思っていました。

    答えから言うと、「現代かなづかい」ルールにおいて、

    ① 二語の連合によって生じた「ジ/ヂ」「ズ/ヅ」は、「ぢ」「づ」と表記する。
    ② 同音の連呼によって生じた「ジ/ヂ」「ズ/ヅ」は、「ぢ」「づ」と表記する。

    からだそうです。「鼻血」は①から、つまり「鼻」と「血」の連合からできているので、「ぢ」となり、「地面」は連合ではなく一つの単語だというのです。

    (ちなみに、②の例としては、「縮む(ちぢむ)」や「続く(つづく)」があります)

    しかし、「地面」だって「地の面」の連合じゃないの?と思う人もいるでしょうし、もっと変な例として、「大詰め(おおづめ)」、「差し詰め(さしずめ)」なんていうのもあります。

    ★★★

    本書では、何故このような混乱が生じてきたのかについて、歴史的経緯を含め丁寧に解説しています。
    かいつまんで要点を書くと、昔、「漢字は難しいので日本語は全て、ひらがなで表記しよう」という運動があり、その過程で生まれたものだと言うのです。

    やぁ。吃驚ですね。

    ★★★

    でも、笑ってばかりもいられなくて、当用漢字(今は、常用漢字になってしまったので使われていません)が制定された時に、当用漢字の1850文字に選ばれなかった難しい漢字に対して、「代用漢字」による書き換えルールが合わせて公布されたそうです。

    つまり、これまで使われていた漢字が難しいから似たのでいいよねということです。例えば、

    昏迷 → 混迷   撒水 → 散水   萎縮 → 委縮
    暗誦 → 暗唱   衣裳 → 衣装   交叉 → 交差
    骨骼 → 骨格   根柢 → 根底   尖鋭 → 先鋭
    煽動 → 扇動   戦歿 → 戦没   褪色 → 退色
    短篇 → 短編   註釈 → 注釈   沈澱 → 沈殿
    手帖 → 手帳   編輯 → 編集   掠奪 → 略奪

    といったものです。
    これらって、言葉の意味が微妙に変わってしまっていますよね。

    旧かなづかいについても同様で、「言う」の五段活用が「言わない」「言います」「言う」「言うとき」「言えば」「言え」「言おう」というように「わ行」と「あ行」の二行にまたがって不規則に変化するのもその影響だそうです。

    つまり、旧かなづかいなら、
    「言はず」「言ひたり」「言ふ」「言ふとき」「言へども」「言へ」「言はむ」
    と、きれいな「は行」の四段活用になります。

    ★★★

    「通じるのなら簡単なほうが学習時間が少なくて済む」という論理で制定されてきたこれらの日本語表記規則ですが、それによって言語感覚が鈍くなってしまうという大きな問題もあるのではないかなぁと考えさせられました。

  • 本の題名から「四つ仮名(じぢずづ)」の本かと思ったら、
    実際は「国語国字問題(漢字廃止論・現代かなづかい)」の本だった件。

    国字問題についてはとてもよくまとまっていたのですが、
    タイトルにある四つ仮名についてはちょっと…
    「ずつ」を同音連呼と言い切っていたり、
    地面の「地」はなぜ「ぢ」じゃないのかと呉音「じ」を無視したり。

    四つ仮名がメインじゃないってだけで「タイトル詐欺」と思ったのに、
    「国語の先生も知らなかった」も語弊ある言い方。
    国語の先生である「私が」知らなかっただけ。他の国語の先生が不憫。

    ただ、先にも述べましたが国字問題については役立つ本だと思います。
    書き方も易しいのでその方面にはオススメ。

  • 以前『ん』というタイトルの本を読んだことがあって、これもその手の「ぢ」を徹底的に追究した本かと思ったがそうではなかった。やや肩透かしを食らった気もしたが、読み進めていくうちに「日本語の危機」に対する熱き戦いの物語だと分かり、ぐいぐいと引きこまれて行った。
    全てはこの言葉に集約されているのだろう。フランスの言葉。結婚に際し母親が娘のことを指して言う。
    「結婚持参金はほんの僅かしか持たせられませんが、よいフランス語は教えてあります」

    よし、よい日本語を勉強しよう。歴史的仮名遣いを。

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