日本語のゆくえ (知恵の森文庫 t よ 4-3)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 57
レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334786137

作品紹介・あらすじ

日本語における芸術的価値とは何か-。著者が生涯追究してきたこの課題について、自ら母校・東工大の学生に語った集中講義を集成。『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』をふまえ、神話時代の歌謡から近現代の文学までを縦横に論じる。そして、現代詩人たちの作品から浮かび上がってきた重大な問題とは?著者自身による「芸術言語論」入門。

感想・レビュー・書評

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  • 梶原しげる『ひっかかる日本語』(新潮新書)を買うつもりで書店に行って、たまたま見つけた一冊。どっちにするか少し迷ってこちらを買った。
    内容は、吉本隆明の芸術論・文学論をやさしく説いたもの。日本語の使い方云々という内容ではなかったので、そもそも『ひっかかる日本語』と比較する本ではなかった。
    のっけから「源氏物語は退屈」と切って取ったかと思えば、漱石『三四郎』は「言語表現として優れている箇所がモチーフとずれている」と指摘したり、若手詩人をかなり否定的に論評したり。縦横無尽な展開は切れ味鋭い。神話と歌謡について語った後半は正直興味を持てなかったが、「日本人は代々曖昧な言葉を法律用語として使ってきた」など唸るような指摘が随所に光った。

  • 〈若い人の詩集をまとめて読んでみて相当重要だと思えたのは、未来とか過去、もしかすると現在も何もない「無」ではないかなと思えたことです〉

    吉本隆明さんが、言葉の芸術について分析したことを語った講演のまとめ。
    なんですが、マルクスやらヤマトタケルやら色々と出てきます笑。

    ラストは現代の若い詩人への感想です。
    これがおもしろい。
    歴史性も自然性もバッサリなくなっとるがな、と、かなり驚かれたようです。ほとんど狼狽してます笑
    驚いたって何度も何度も書いてるから、ほんとに驚いたんでしょう。
    へー、って思う部分が多かった。

  • 「日本語における芸術的価値とは何か」というテーマ自体を日本語として理解できない自分がいる。「における」はどう意味なのか、言葉が分解してしまう。「日本語にとっての」なのか?詩人が用いる言葉の意味の厳格さが新鮮であり、興味深くある。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。2012年3月16日逝去。

「2018年 『吉本隆明全集 第16巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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