日本史は逆から学べ 近現代から原始・古代まで「どうしてそうなった?」でさかのぼる (知恵の森文庫)

著者 : 河合敦
  • 光文社 (2017年8月8日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334787271

日本史は逆から学べ 近現代から原始・古代まで「どうしてそうなった?」でさかのぼる (知恵の森文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 歴史を時系列で学ぼうとすると、原始時代~となってしまいイマイチ興味がわかず、しかも日本史の場合、謎の4世紀があるので弥生時代~古墳時代あたりで挫折してしまいます。

    そこでよく言われるのが、「歴史をさかのぼって学んだほうが『なぜそうなるのか』がわかるようになると思う」とのこと。うちの旦那はよくこれ、言います。

    しかしこれ、言うのは簡単ですが、「なぜ」の原因にさかのぼる際、「どこまでさかのぼるのか」が問題になります。

    本当に歴史をさかのぼりつつ理解しようとしたら、
    ・最初に学ぶ時代のテーマは何か
    ・そのテーマから出てくる疑問は何か
    ・その疑問の答えを導くためにどこの時代のどの出来事までさかのぼればいいか
    をわかっておく必要があります。でも、こういう作業、歴史初心者にできる芸当ではありません。プロでないと無理。しかも通史に詳しいプロでないと。

    そこで登場なのが、河合敦氏。
    高校の教壇で長く日本史を教えていた先生なので、通史もバッチリな方ですよね。まさにこのテクを駆使するににピッタリな方が、歴史をさかのぼった本を書いてくださいました。それがこの本。

    この本は、まさに「なぜそうなるのか」を考えつつ日本史をさかのぼって解説してくれている本。

    文庫という手軽さと、「なんでなんで」と思いつつつい推理小説の続きが気になるように読めてしまいます。

    ・・・と言いつつ私、読了に半年かかってしまったので説得力に欠けるのですが^^;
    少し残念だったのが、平安時代以前が駆け足感を感じてしまったところ。私の機動力が落ちてしまったのがこのあたりだったのはこの駆け足感のせいだったかもしれません(私自身、平安以前への興味が薄いということもあるのですが・・・)。

    そしてこの本はもう一つ、素敵な楽しみがあります。
    それは、章末ごとに登場するテーマ史。特に仏教史や文化史関係がすごくわかりやすいので、受験生さんにおすすめです。

  • 新幹線からおりてオフィスに向かう途中、品川駅の構内にある本屋さんで見つけた本です。有名で誰でも知っている現代の事件から始まって、そうなった背景はその前の時代のシステムや考え方にあることを解説しながら、古代まで遡ることで歴史を解説している本です。

    逆説の日本史シリーズで有名な、井沢氏が以前、このような書き方をしている本を出していて、歴史って面白いな、と感じたことがあります。同じコンセプトで、この本の著者である河合氏も本を書いてくれて嬉しく思います。歴史を試験のためにではなく、自分の趣味のために触れ合うことは楽しいことですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・600万人もいた日本軍は、武装解除されて復員となり、急速に消滅した(p32)

    ・1947年には、独占的巨大企業を分割する、過度経済力集中排除法が制定されて、分割対象として325社が指定されたが、冷戦激化による対日政策の転換により、実際に分割されたのは、日本製鉄、三菱重工などの11社にとどまった、農地改革により自作地が生まれ、半分を占めていた小作地も1割に減った(p33)

    ・アメリカに単独統治された理由として、日本は戦闘を、アメリカ・イギリス・オランダ・中国・ソ連の5か国および、その植民地の人々と交えたが、敗れたのはアメリカのみ。イギリス、オランダは緒戦で撃退、中国とは終戦まで優勢、ソ連とは中立条約を締結(p35)

    ・列強強国は様々なルート(援蒋ルート)を通じて、蒋介石の国民政府に食料、武器を支援したので、日本軍はいくら戦いにかっても戦争は終結できなかった(p40)

    ・フランスがドイツの支援下におかれたので、同国の植民地であったインドシナが空白状態となり、1940年日本軍は資源豊富なインドシナ北部に進駐した(p41)

    ・満州の、奉天・吉林・黒竜江省を占領、1932年3月、3省を中国から切り離して、満州国を樹立させた、さらに隣接の華北5省(河北、山東、山西、スイエン、チヤハル省)を勢力下におこうとした(p44、46)

    ・第一次世界大戦の戦争景気により、1914年には11億円あった国家債務は解消、6年後には27億円以上の債権国となった(p52)

    ・1930年、金解禁を断行、1917年から廃止していた金本位制を復活、100円=75グラム=50ドルとしていたのを、円の価値が下がっていたにも関わらず、浜口内閣は同ルートで断行、円の価値は高くなった。輸出は不利だが、不良企業を淘汰しようとした(p53)

    ・王政復古の大号令により、三職(総裁、議定、参与=新政府の実権保有)が、薩摩・尾張・越前・芸州・土佐から選ばれた、長州がいないのは、1864年の禁門の変で朝敵となっていたから(p61、86)

    ・陸軍は長州閥、海軍は薩摩閥が支配した、警察組織も薩摩藩出身が多かった、高級官僚の多くは、薩長閥であった(p63)

    ・天保時代に諸藩はさまざまな藩政政策を行った、成功したのは、薩摩・長州・肥前・越前藩であった、肥前藩の改革では、均田制度が実施された、大半を小作人に分与して本百姓が創出された、太平洋戦争後の農地改革のようであった(p65、67)

    ・1843年、忠邦は、江戸・大阪10里四方を幕府の直轄地にする、上知令を発した。収益の高い地を幕領にして、増収をはかるとともに、江戸と大阪周辺を幕府が支配することで、戦時に即応できる防衛態勢を構築しようとした、しかし強い反発があり、家慶の名において、正式に撤回、忠邦も罷免された(p105)

    ・天保の飢饉(1833-1840)はひどく、特に1835年には、春から夏までまったく気温が上がらず雨が続き、稲刈りの時期には台風、低温による霜の被害により稲の収穫は壊滅的であった(p108)

    ・大塩平八郎の乱(1837.2.19)は1日で鎮圧されたが、各地で幕府に対する挑戦状が奉行所に行き、署名入りの幕政批判の張り紙や落とし文が見られた。彼に感銘を受けて、4月に備後国三原、5月に播磨の国加東郡、6月越後国柏崎、7月摂津の国能勢、で一気が発生している(p111)

    ・蝦夷地開発計画をたて、1785年の探検隊によると、580万石の収穫が期待できる(幕僚450万石)とした(p124)

    ・年貢は個人ではなく、村全体として一括納入させた、事情があって払えない農民がいても、連帯責任でほかの村人が不足分を足して払った(p132)

    ・秀吉は、検地帳をつくり、年貢を村単位かける(村請制)とし、これは江戸時代に踏襲された、土地の生産力の計算方法を、銭に換算した「貫高制」から、石高制に変えた河石高におうじて軍役を負担、大名の石高が可視化されたので、他の土地に大名を移すことが可能となった(p134)

    ・刀狩の真の目的は、農民一揆の防止、耕作に専念させること、そのうえで、人掃令、身分統制令を発した(p135)

    ・1616年に、中国船以外の貿易船の寄港地を、平戸・長崎に限定、1622年に長崎でキリシタン、宣教師を処刑、1624年スペイン船の来航禁止、1635年日本人の海外渡航、帰国を全面禁止、1639年にポルトガル船の来航禁止(p150)

    ・江戸時代の海外との交流は、長崎・対馬・薩摩・松前の4か所があった。長崎が唯一の国際港として、オランダと中国に開かれていた。対馬の宗氏は、朝鮮から輸入、東南アジアへ輸出、薩摩藩は琉球国に中国との朝貢貿易をさせた、松前氏はアイヌとの独占交易権を保証された(p133)

    ・幕府は北朝を奉じて南朝と戦ってきたが、足利義満は、弱体化した南朝の後亀山天皇に働きかけ、南北朝統一を承諾させた、1392年南朝の後亀山天皇が、北朝の後小松天皇に神器を譲る形で、朝廷は一つになった(p178)

    ・1350年当時は、単独相続性が進み、兄弟の家督争いが激化、互いに南朝や北朝を後ろ盾にして争うケースが激増した(p185)

    ・院政の全盛期は100年続き、結果的に朝廷における藤原氏(摂関家)の影響力を削いでいくことになった(p214)

    ・摂関職の地位につけるかは、天皇の外戚(母方の親戚)になることが絶対条件であった(p232)

    ・氏とは、血縁集団を表す、姓とは、家柄や職務に応じて、地位や身分を示すものを、大王からもらったもの(p259)

    2018年2月12日作成

  • 2017.12.14読了
    歴史は繰り返される。
    学生時代に読んでおけばよかった。
    戦争だけは繰り返したくない。

  • 歴史は繰り返される。とか、先代の人の知恵に学べ。と言われるけど、日本史の教科書を引っ張り出して、読み気にはなれない。一つ一つの歴史的重大事項と、その因果関係を分かりやすく書いてるので、歴史をマクロで捉えるのに良いと思います。なんでもいいので、少しでも自分の生活にフィードバック出来ればいいな。

  • 歴史を反転すると因果関係がわかりやすくなるかも。英文構造を思い出します

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