新版「生きづらい日本人」を捨てる (知恵の森文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334787745

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  • 日本の社会や制度、人間関係に馴染めず、
    居場所を求めてアジア諸国で暮らす
    そんな人たちについてのレポートです。
    ドロップアウトとか
    アウトサイダーなどという言葉で
    一括りにできるものではありません。
    退廃的というのも
    ちょっと違うような気がします。
    もっと切実な背景が感じられます。

    タイトルに〝生きづらい〟とありますが、
    〝生きづらくない〟場所なんてあるのでしょうか?
    本来、周囲に迷惑をかけず、
    罪さえ犯さなければ、
    生き方は人それぞれ自由なはずです。
    でも、その自由を得るというのが
    実は大変なことなんですね。

    人間は幸せになるために生きるんだ
    なんていう人もいますが、
    そんなふうに生きられないのが
    人間なのではないでしょうか?
    幸せってなんでしょう?
    そもそも人間は幸福に生きることを
    望んでよいものでしょうか?

    大都会で暮らそうが、
    アジアの片隅でその日暮らしをしようが、
    人それぞれ
    そんな風にしか生きられないのかもしれません。
    生きづらくない人なんていないと思いますが・・・。
    いろいろと考えさせられるレポートでした。



    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • タイトル・帯文・裏表紙の紹介文を読む限り日本で生きづらさを感じた人々が海外移住に踏み切ったことで自分本来の生き方を取り戻し明るい未来に向けて再スタートを切ったものを期待させますが、本書を読み進むとそうした甘い期待が見事に打ち砕かれます。

    外こもり、ゲストハウス運営、自殺願望、海外移住、結婚、ホームレス。
    タイを中心としてカンボジア、ベトナム、香港などのアジア諸地域で、それぞれの動機で日本を離れた人々の経緯が8章に分けてそれぞれ紹介されます。移住者の多くは20~40台の男性で、その多くはどちらかといえば逃避ともいえるネガティブな理由から海外での生活に至っています。

    筆者の彼らへの眼差しからはどこかよそよそしく冷淡なものを感じ、ここでは紹介しませんが、それぞれの結末と今後に予想される行く末には虚ろで寒々しい印象を与えられました。

    本書のつくりとしては謳い文句と内容が矛盾する、冒頭の通り明らかに読者の本来の期待を裏切るものではあります。しかしここに挙げられたような海外生活の先にあるものを詳らかにした体験談に多く触れることができ、結果として読む前にあった想定を上回る読書体験になりました。

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著者プロフィール

1954年長野県生まれ。新聞社勤務を経て『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)にてデビュー。アジアを中心とした海外紀行の著書多数。

「2019年 『10万円でシルクロード10日間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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