- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334790363
感想・レビュー・書評
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芥川の小説をモチーフにしているが、そこはやっぱり小林泰三。
一筋縄ではいかない登場人物とグロ描写がいい。
バランスがよく、短編集だということもあり、読みやすかった。
ラストは秀逸。
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小林泰三さんワールド全開!!芥川龍之介の名作「杜子春」「蜘蛛の糸」「河童」「白」をモチーフにしたホラー(?)。(説明にはミステリーとあるけど、これはもうホラーといって過言ではない)
意外にハッピーエンドで終わるけど、特に「河童」と「白」はグロめの描写が多め。とはいえ「河童」は結構好き。 -
本書を読むきっかけはブクログです!
私自身、芥川龍之介の杜子春の話が好きで題名に惹かれたところはあります。
→表題が蜘蛛の糸の崩壊であったら、買わなかったかもしれません・・・
芥川龍之介の作品の登場人物達が現代に生きる人と何らかの繋がりを持ち悩み解決のヒントを与えてくれるという短編集です!
→芥川龍之介の杜子春、蜘蛛の糸、河童、白を先に読んでいたほうが楽しめます!
杜子春の失敗:友達に貢がされる主人公!?貢ぐ事で友達だと思える主人公に三度破産している杜子春は何を教えることができるのか?
蜘蛛の糸の崩壊:転職した主人公は上司から粉飾決算の片棒を担ぐ事を指示される?苦悩する主人公に生前ありとあらゆる非道の限りを尽くしてきたカンダタがどんなアドバイスをくれるのか?
河童の攪乱:自分の人生の決断に悩む主人公?コンビニで手に入れた謎の呪い本で闇の世界の住人と通信する事に?闇の世界の住人は主人公の道を示すことが出来るのか?
白の恐怖:因果応報、後悔先に立たず
河童だけは読んだことがなかったので、今度探して読もうと思います!
因みに、新潮文庫の【杜子春・蜘蛛の糸】には表題の二作と白が収録されております! -
芥川龍之介の小説の登場人物と、主人公たちが様々な手段で交信する、ちょっと奇妙なお話です。なかなか面白い試みだと思います。楽しく読めました。ただし、人食いっぽい描写もあるので、要注意です。
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真面目路線、このパターンはもっと読みたかったな
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杜子春とカンダタはちょっといい話だったのに後半…
随所にこれまでの小林泰三作品が散りばめられているところに、切なさを感じる。
大好きな作家さんでした。ご冥福をお祈りします。 -
芥川龍之介の名作をモチーフにした連作短篇集。計四作品。一作目からなんだかほっこりする内容で、どうも泰三らしくないな、と意外性を楽しんでいましたが、三作目のグロテスクな表現、そして四作品のなかなかヒヤリとする結末で「らしさ」は健在でした。
しかし、新藤礼都が出てくるとは。。。 -
凄く面白かった~名作万華鏡 芥川龍之介篇、となっているからどんどん続いてほしいな。
芥川龍之介の短編世界と、現代日本世界を生きる人間が一時的にクロスオーバーする、という筋立て。この文庫本に収められている4編がうっすら連作なのも良いし、過去の小林泰三作品とも重なっているのも長年のファンには嬉しい仕組み。具体的に言うと、玩具修理者、人獣細工、代表取締役アイドル、新藤礼都シリーズを読んでおくとクスっとなります。新藤礼都の性悪さと、河童料理描写の気持ち悪さには若干エグみがありますが、それ以外は控えめなので、小林泰三未読の方にもおすすめしやすいのも◎
新藤礼都の名言をメモ。
『死ぬより辛い目に合わせるのが好きなのよ』
…ずっとついていきます。 -
Web光文社文庫Yomeba!2019年10月〜11月:杜子春の失敗、2019年11月〜12月:蜘蛛の糸の崩壊、2020年1月〜2月:河童の攪乱、書き下ろし:白の恐怖、の4つの短編を2020年6月光文社文庫から刊行。文庫オリジナル。シリーズ1作目。芥川の短編世界と現代世界の意味を再定義する展開で4つのストーリーが語られます。白の恐怖のラストでは、4つの世界が一つに総括されるという、小林さんお得意のパターンが出てきて、なるほどうまくまとめてあるとは思いますが、途中のダーク、過剰、過激な表現がキツく、しんどい部分がありました。
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最後の「白の恐怖」の万華鏡のくだりがよく分かりませんでした(涙)?
マルコビッチの穴みたいな感じ?
新藤礼都が突然出て来てビックリ!!
何故に礼都さんが・・