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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334791117

感想・レビュー・書評

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  • 【収録作品】「蔵書の中の」 大崎梢/「砂漠の龍」 宇佐美まこと/「オモイツヅラ」 井上雅彦/「静寂の書籍」 木犀あこ/「蝋燭と砂丘」 倉阪鬼一郎/「雷のごとく恐ろしきツァーリの製本工房」 間瀬純子/「書骸」 柴田勝家/「本の背骨が最後に残る」 斜線堂有紀/「河原にて」 坂木司/「ブックマン-ありえざる奇書の年代記-」 真藤順丈/「2020」 三上延/「ふじみのちょんぼ」 平山夢明/「外法経」 朝松健/「恐またはこわい話の巻末解説」 澤村伊智/「魁星」 北原尚彦
     「本」をテーマにしたオリジナル・アンソロジー。
     正確に理解できない(したくない)作品もあるし、ほぼ怖い。ここにでてきた人たちのように本に執着しているわけではないが、だからといって「本」から離れようとは思わないくらいには囚われている。
     それぞれの前書きによると、「オモイツヅラ」は、『異人館の妖魔(ファンタズマ)〈ヴァン・ヘルシング〉』で著者が創造した幻の書籍『日本妖物語(ファンタズマ・ヤポニカ)』を中心とした新しい物語とのこと。「外法経」は、〈室町ゴシック〉の一作で、『血の炎の京 私本・応仁の乱』と一休シリーズをつなげる、いわば前日譚とか。

  • 異形コレクションついに50巻目。そしてテーマが「本」って。あまりに魅力的すぎる一冊です。まさしく本好きのための一冊。いろいろと恐ろしい本も登場したりしますが、それはそれでやはり魅力的。読んでみたく……なる?
    お気に入りは澤村伊智「恐 またはこわい話の巻末解説」。これ自体の物語としての魅力ももちろんなのですが、ここで解説されている架空の物語たちのなんて魅力的なことか。読みたい。これ全部読みたい。
    倉阪鬼一郎「蝋燭と砂丘」も、じっくり浸りたい一編。たぶん、怖いといえばこの作品が一番怖かったと思います。俳句もじわじわときました。
    斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」も惨いながらも素敵な物語で印象的です。「版重ね」のシーンの息詰まるような緊迫感、そして物語の矛盾点を指摘していくプロセスはミステリ的な読み心地も楽しめました。
    そしてラスト、北原尚彦「魁星」がもうなんとも言えません。これはもう本好きによる本好きのための物語といえるのではないでしょうか。さて、私だったらどんな本を求めるでしょうか。

  • 異形コレクション。今まで図書館で見かけたことはあるけど読んだのは初めて。「蠱惑の本」をテーマにした15人の作家によるアンソロジーです。
    大体アンソロって何作かは合わないなって思う作品があったりするんだけど、これはどれも面白かったなぁ。SF・ファンタジー・ミステリー・ホラー・時代物…様々な蠱惑の本に魅了されました。
    中でも斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」がお気に入りです。ファンタジーものってどうも肌に合わないことが多くてあまり読まないのですが、これは世界観がすごくて引き込まれた。
    三上延「2020」も面白かった。本の中にいつの間にか取り込まれてしまったような恐怖感。文之島のような本の島が本当にあったら行ってみたいな。
    このシリーズ、50冊も出ているとは知らなかった。
    また他のテーマのものも読んでみようと思う。

  • ホラー。短編集。アンソロジー。
    テーマは"本"。
    個人的な印象としては、テーマのせいか、地味。
    ミステリ作家がそこそこ多かった気もする。
    決してつまらない訳ではなく、無難に楽しめた。
    特に面白かったのは以下の4作品。

    宇佐美まこと「砂漠の龍」
    前半と後半で全く異なる物語。そう繋げるのか、と驚く結末が良い。

    井上雅彦「オモイツヅラ」
    軽めのダークファンタジー。いつもは独特の雰囲気が合わなかったが、この雰囲気は好み。

    斜線堂有紀「本の背骨が最後に残る」
    初めて読んだ作家だが、世界観が凄い。

    真藤順丈「ブックマン ありえざる奇書の年代記」
    ちょっぴりダークな現代ファンタジー。これも世界観が独特。インパクト強め。

  • 異形コレクション復活第二弾、しかもテーマは本!ということで迷わず日本からお取り寄せです。

    今回は興味深い布陣。
    この人が異形?てな顔もちらほら、テンションあがりつつの読書でした。
    ほとんどの作品がふんわりした着地の幻想譚ではなく、しっかりとしたオチがついているのも嬉しい。
    「蔵書の中の」「オモイツヅラ」はシリーズ化したら追いかけたくなる。
    一番のお気に入りは「書骸」。あの作業シーンは読んでいて心躍った。

    それにしても蔵書家、愛読家には孤独なおっさんが多いな。
    我が身を振り返れば言わずもがな、なんだけれど。

    今回は好きなテーマだったので本当にどの短編も楽しく読めました。
    残念な点が一つ。菊地秀行氏が今回は参加してなかったこと。参加していればどんなのを読ませてくれたのか?
    これは「魁星神社」に詣でないと。

    大満足でした。

  • 本に纏わる物語。どの話に出てくる本好きにも共感できる。
    『河原にて』ほんの少しの怖さを優しさが包む。本を愛するからこそ、焼いてしまいたいほどの本にも出会う。その理由は人それぞれだけど、どれもなんとなく分かる気がする。
    『ブックマン』ファンタジー系がいくつかある中で1番のめり込んだ。自分はどんな異文字が取り巻いているだろうか。
    『恐』このアンソロジーが読めないのがもったいない!解説だけで想像が膨らむ。

    やっぱり本が好きだ、と再確認する一冊。

  • 前作のダーク・ロマンスのほうが自分としては好み。
    それでも面白い!!と思うのも多々あり。

    『砂漠の龍』
    そうきたか!!天罰。Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)

    『本の背骨が最後に残る』
    弁が立たないと生き残れない…。

    『ふじみのちょんぼ』
    平松さんらしい。どこが本に繋がるの?と思ったら…
    幸せになって欲しかった…(ノД`)

    『外法経』
    ホラーミステリー。
    この時代の南蛮人って西洋の人ではなかったのね?と
    そっちに驚いた私σ(^∇^;)ははー

    『魁星』
    現実も取り混ぜてるのでどこまでが本当の話なのか?
    全部真実でも驚かない(笑)

  • 先月出たダーク・ロマンスのほうが全体的に好みの話は多かったけど、こちらも面白かった。

    特に好きだったのは以下の四作。

    『砂漠の龍』
    異国のファンタジーものかと思いきや、舞台は現代に代わり…と思いがけない展開で面白かった。

    『本の背骨が最後に残る』
    本となった人間が、己が語るストーリーが間違えて記憶されていると判断された場合焚書させられる世界の話。
    版重ねが面白かった。詭弁も極めれば…。

    『河原にて』
    冒頭の子育てすることの辛さは現実味が強くて読んでてげんなりしたけど、切ないながらも良い話だった。

    『魁星』
    これを最後にもってきたのはさすがだなぁと。
    締めにふさわしい話だったとおもう。
    今は亡き横田順彌さんらが登場する、現実を織り混ぜたファンタスティックな話。
    これも読んでて切なくもあったが、なんだか心が温かくなる話だった。

  • 本の厚さ的にこれは凶器

  • 異形コレクションシリーズ50冊目。
    今回のテーマは「本」。

    どれがヒットするかは好みによって変わるでしょうが、本好きにはたまらない世界観。
    各短編の構成もすごく良かった。(特に「魁星」を最後に持ってきたのが)
    下記2作が好き。
    大崎梢「蔵書の中の」
    少し不気味要素のあるストーリーの中に本への愛情も感じられてすごく面白かった。
    北原尚彦「魁星」
    本読みには垂涎もの。自分だったらどの本を頼むかな、っていろいろ空想してしまう。作者が亡くなって未完になってしまった本とか、読みたい本は尽きませんね。

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