正体 (光文社文庫 そ 4-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (618ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334792947

感想・レビュー・書評

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  • 皆さんの評価が非常に高かった為Amazonでポチり。

    序盤からこれは凄い。
    私はいい人が大好きで、いい人が描かれる作品がたまらなく好きだ。
    『まち』や、『ひと』に出てくるような、穏やかで、優しい人、そんな人物が描かれている本に高評価を付けている気がする^^;

    この本は、賢く、冷静で、穏やかで、優しい少年が、小さな子供を含む、一家3人を惨殺し、死刑判決を受け、脱獄するのだが、その脱獄生活が巧みな時間軸によって描かれている。

    様々な場所で潜伏生活を送るのだが、脱獄した彼の目的は!?

    最初っから全力で面白い。
    普段私は厚めの本は会社に置きっぱなしにして、休み時間で読み進めている。

    この本は面白すぎて毎日家に持って帰ってしまった。本当だったら一日中ぶっ通しで読みたいところだが、家のことも会社のこともやらねばいけない私には、なかなか自由になる時間が無い(-。-;

    しかしそんな隙間時間でも滅茶苦茶面白かった!!本当良かった!
    最後の場面を自分で自分の都合の良いように書き換えたくもなったのだが、この本はこの終わりで良かったんだろう。。。

    ちょっと放心して仕事が手につきそうも無い。。。

    • bmakiさん
      どんぐりさん

      コメントありがとうございますm(_ _)m
      凄い面白かったと言って頂き、とっても嬉しいですo(^▽^)o

      どんぐ...
      どんぐりさん

      コメントありがとうございますm(_ _)m
      凄い面白かったと言って頂き、とっても嬉しいですo(^▽^)o

      どんぐりさんのお好みの本だったようで何よりです。

      ドキドキしましたよね。特に女性と同棲してる時。。。
      警察嫌いになりそうでしたもん。
      2024/01/30
    • どんぐりさん
      わかりすぎます!!!笑

      もうどうなってしまうのか気になりすぎて
      そこの部分は若干飛ばし読みみたいに
      なってしまって
      もう一度読み直しました...
      わかりすぎます!!!笑

      もうどうなってしまうのか気になりすぎて
      そこの部分は若干飛ばし読みみたいに
      なってしまって
      もう一度読み直しました笑
      2024/01/30
    • bmakiさん
      どんぐりさん

      ( ̄▽ ̄)それは!

      確かに先が気になり過ぎますよね!
      私なら結末を変えてしまったかもなぁ。。。
      なんて思いなが...
      どんぐりさん

      ( ̄▽ ̄)それは!

      確かに先が気になり過ぎますよね!
      私なら結末を変えてしまったかもなぁ。。。
      なんて思いながら読みました(^◇^;)

      あんなにいい青年に、何故最高の幸福が訪れないのか。。。

      でも素敵な青年は、いつの日も周りに信頼されてましたね(*^▽^*)

      私もそういう人間でありたいなぁ。
      修行が足りませんが(-。-;
      2024/01/30
  • 主人公 鏑木の逃亡生活と、期せずして彼と関わる人たちの人生が重なり、さながら人間交差点そしてロードノベルだ。
    彼らも各々ひとかたならぬ事情を抱えているが、鏑木との一瞬の交わりで何かを感じ、そして…。

    冒頭の第1章で核心に近い場面を読ませる構成の巧みさにより一気に読み進めてしまう。

    重いテーマだがエンタテインメントとして読ませ、それでいて決して軽くはないものに昇華した筆力に脱帽。

  • 六百頁と分厚いので少しの間積読になっていましたが、レビューの評判が良いので手に取りました
    流れる様にテンポが良いので、あっという間に読み終えました
    染井為人さんの作品を読むのはまだ二作目ですが、〝クズ”と〝悪”しか出てこないデビュー作『悪い夏』のインパクトが強かったので、その後の作品が気になっていた作者さんです

    (昔TVで放映していたアニメ風に)
    ”ある時は介護職の桜井翔司、ある時は土木作業員の遠藤ユウイチ、またある時は旅館に住み込みで働く袴田勲、またある時は食品工場で働く久間道慧…”

    しかしその実態は…
    脱獄の死刑囚、鏑木慶一さ!


    生き延びる為に、あちこちに姿を現してはまた消えるという生活
    重い話のはずなのに、鏑木慶一が働くそれぞれの場所でのエピソードが何処にでもありそうな内容でなかなか面白く、サクサク読めてしまう
    重い話が軽くテンポ良く…私だけでしょうか?
    そして彼の周りの人間は、彼の人柄に魅了されていく

    ラストは私としては腑に落ちた結末でした
    出来過ぎた話は好みではないので、これで良かったのかと

    本書の主人公は非の打ち所がないキャラでしたが、他の作品にはどんなキャラを描いているのか気になります

    • bmakiさん
      お疲れ様でしたm(_ _)m

      厚み、気になりませんでしたよねo(^▽^)o
      物語の進みも凄く良かったですし。

      私もこの作家さん...
      お疲れ様でしたm(_ _)m

      厚み、気になりませんでしたよねo(^▽^)o
      物語の進みも凄く良かったですし。

      私もこの作家さんの作品は他に読んだことがないので気になりました(*^▽^*)
      他の作品も気になります!
      2024/02/19
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      まきさんもお疲れ様でした♪

      サクサク読めて読み返すこともないし、それぞれのエピソードがその辺で誰かが会話している様な内容で面白かったです
      ...
      まきさんもお疲れ様でした♪

      サクサク読めて読み返すこともないし、それぞれのエピソードがその辺で誰かが会話している様な内容で面白かったです
      それでいて印象に残るんです

      昨日墓参りの帰りに小田原に行ったのですが、ブック◯フで染井さんの本買いましたよ
      本当は二冊欲しかったのですが、積読が凄いので一冊で我慢しておきました
      2024/02/19
  • 一家3人を惨殺し、死刑判決を受けた少年死刑囚の逃走劇。

    工事現場、在宅ライター、スキー場の住み込み、新興宗教、グループホーム。
    様々な職場、場所で出会う人々は、彼が本当に殺人者なのか?を自問していきます。

    彼の正体は殺人者なのか?
    それとも...
    逃亡を続けるその目的は?

    最終章で明らかになるその真相。
    という展開です。

    ありがちなストーリ展開ですが、最後は切ないクロージング。

    これ、映像化されているということで、ググってみると
    亀梨和也主演でWowWowでドラマ化されたとのこと。

    見てみたい
    お勧めです!

  • すごく心に残るお話でした。
    彼と接した人はたくさんいたけど、彼を信じて立ち上がってくれた人々はもう本当に…
    しっかり自分の心の中に正義があり、勇敢です。
    あとは彼の人柄に惹かれたのでしょうか。
    私も読んでいて、鏑木くんにどんどん惹かれていきました。
    沙耶香と暮らしている時は幸せを感じていたかな。
    「彼女」や「好きな人」と表現しているのを読み、グッときました。
    再会できると思い、ラストまで読み進めていたので最後は唖然。
    こんなに死なないで!!と思った登場人物は、煉獄さんに続いて二人目です…
    泣いてしまいました。
    この本の警察に激しい怒りを覚えました。
    しばらく引きずりそうです。
    鏑木くん、お疲れ様。

    • あじょ子さん
      yukimisakeさん
      コメントありがとうございます!
      本棚見させていただいて、趣味が合いそう!と嬉しく思いました。
      フォローさせていただ...
      yukimisakeさん
      コメントありがとうございます!
      本棚見させていただいて、趣味が合いそう!と嬉しく思いました。
      フォローさせていただきましたので、今後ともよろしくお願いします★

      本当ーーーに辛くて、参りました。
      こんなに心揺さぶられたのは初めてかも?
      煉獄さんも鏑木くんも生存エンドを妄想します!!
      2023/12/19
    • yukimisakeさん
      こちらこそありがとうございます!あじょ子さんの本棚に読みたくて手が回らない本が沢山あって楽しいです!こちらこそ、宜しくお願い致します♪
      違う...
      こちらこそありがとうございます!あじょ子さんの本棚に読みたくて手が回らない本が沢山あって楽しいです!こちらこそ、宜しくお願い致します♪
      違う世界線の物語も読みたいですね、2つとも…涙
      2023/12/19
    • あじょ子さん
      yukimisakeさん
      読みたい本は尽きないですよねぇ。
      また楽しく感想読ませてもらいますね♪
      2つとも特別編をだしてくれないかなぁ笑
      yukimisakeさん
      読みたい本は尽きないですよねぇ。
      また楽しく感想読ませてもらいますね♪
      2つとも特別編をだしてくれないかなぁ笑
      2023/12/20
  • 久しぶりの自己大ヒット★10くらい。
    過去★10は幻夏、青の炎、本作かなー。

    死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄するところからスタート。逃亡劇の最中の出来事が時系列バラバラに進む。章ごとに脱獄○○○日目と記載されている構成も面白い!

    それぞれの章での人との関わりや言動で、
    主人公の人の良さが頭の中で形成されていき、惹かれていく描き方も面白い!!

    3章の同棲中の話は緊迫ドキドキ、スキー場ホテルの住み込みの話も好き、優しさで溢れている主人公。

    自分の意見が100%正しいと思い込んでる人や、謝りを認めない人、都合悪い出来事を揉み消すような人には絶対なりたくない!と強く思わされ、
    日頃から柔軟に考えられる人になりたいと、思いました!

    ネットニュース、週刊誌、テレビも、
    本当に何が事実で何が人による解釈なのか、
    人は人、自分は自分!!

    染井さん数冊読んでるけど、もちろんこちらがトップです、ダントツ!今度ゆっくりまた再読しよーっと♪( ´θ`)ノ

    • なんなんさん
      青の炎、私も衝撃すぎて映像化まで見てしまったくらいです。
      私個人的には、面白すぎました!!トリックとか難しいのが苦手なので、そゆのもなくて読...
      青の炎、私も衝撃すぎて映像化まで見てしまったくらいです。
      私個人的には、面白すぎました!!トリックとか難しいのが苦手なので、そゆのもなくて読みやすいなあって^^
      2024/02/25
    • pさん
      私も映像化見ました
      とにかく、何この小説?ってくらいの衝撃受けました

      私もトリックとか難しいの考えるの苦手です
      あー、そーなんだって思うけ...
      私も映像化見ました
      とにかく、何この小説?ってくらいの衝撃受けました

      私もトリックとか難しいの考えるの苦手です
      あー、そーなんだって思うけど自分ではトリック見破れません

      自分のコメント見返したら
      衝撃的だったのねって…
      衝撃的だったのでって言いたかった
      言葉一つでニュアンス変わりすぎて、恥ずかしいです
      2024/02/26
    • なんなんさん
      衝撃的だったので、
      って読み取れてましたの大丈夫です(^。^)
      あれはもう、気絶レベルの衝撃度合いです。
      衝撃的だったので、
      って読み取れてましたの大丈夫です(^。^)
      あれはもう、気絶レベルの衝撃度合いです。
      2024/02/26
  •  染井為人さん、初読みでした。600p超の分量でしたが、濃密な物語にグイグイ引き込まれ、続きが気になってページをめくる手が止まりませんでした。有意義な読書時間を過ごすことができました。

     一家三人殺害事件の犯人として拘置所に収容中の少年死刑囚が脱獄! この衝撃的な事案から約1年と4ヶ月間、逃亡中の少年の日常を他者の目から見て綴った物語、という構成となっています。

     鏑木慶一‥彼と出会う人みんなが好感を抱き、読み手も疑問を抱きます。彼は本当に罪を犯したのか、冤罪ではないのかと‥。
     少年の正体は聖人か、怪物か。一体この少年は何者なのか‥。一番知りたい鏑木慶一の心情が描かれないので、想像がふくらみます。その時々の小さなコミュニティ(職場)に入り込み、誰にも優しく接する反面、とらえどころなのない、近寄りがたく、ミステリアスな雰囲気を醸し出します。この辺の各登場人物・状況設定・関係性の描写が素晴らしく、不穏さともどかしさが助長され、読み手を更に惹きつけていきます。

     ネタバレするわけにはいきませんが、終末は何とも切なく、やるせない気持ちになります。
     本書には、少年犯罪、冤罪、死刑制度など、多くの議論対象が存在すると思います。ただ、当事者でない私たちにとって、残念ながら他人事になってしまうのは、避けられない事実でしょうか‥。
     それでも、ミステリーとして、エンタメ小説として、とても大きな価値ある一冊に違いありません。

    • あゆみりんさん
      本と珈琲さん、こんばんは。
      レビューを読み、少年の正体が気になって仕方がありません。
      染井さん、面白いらしいですし、図書館本が落ち着いたら読...
      本と珈琲さん、こんばんは。
      レビューを読み、少年の正体が気になって仕方がありません。
      染井さん、面白いらしいですし、図書館本が落ち着いたら読みたいです。
      2023/06/09
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      あゆみりんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      他の方のレビューを読むと、賛否がいろいろとあるようですが、私は肯定的に受け止め...
      あゆみりんさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます。
      他の方のレビューを読むと、賛否がいろいろとあるようですが、私は肯定的に受け止めました。
      ぜひ読んでいただき、少年の「正体」をご確認を!
      2023/06/09
  • 冤罪で少年死刑囚となった青年の逃亡劇。とても面白かった。

    この作品のテーマは「冤罪」や「真実」なのだろう。だがタイトルでもあるが、人の正体を感じとりながら知っていく上で自分の正体も含めてリンクさせていく。そのリンクした正体は未来へと。この感じが傑作だった。

    ストーリーとしては逃亡劇なのだが、その先々でヒューマンドラマがあり、鏑木と関わった人々がしっかりと自分自身と向き合う機会を得ている。そうして自分の正体を得ている。

    結末は悲しいものだがせめて真実と無実が作中で知れた事で彼が逃亡までして真実を得ようとした人生が報われた気がした。

  • オーディブルで読む。

    脱獄した死刑囚を追う物語。
    逃亡先で関わった人それぞれが語る死刑囚の真の姿。
    スリリングなロード・ノベルでエピソードも豊富で飽きさせない。文章は平易で分かり易しいし、一気読みするタイプの小説。

    しかし…
    状況証拠と認知症の人の証言だけで犯人と断定して死刑にしてたら、そりゃ日本警察や司法の信用は地に落ちるよな、と。

    あと、この小説において重要な要素であるはずの認知症の描き方にリアリティが若干不足してるかな、と思った。

    ♫ 誰だ!/電気グルーヴ(1996)

  • 皆様のレビューで○罪と書かれているが
    これはネタバレにならないのね‥
    逃亡犯の主人公が潜伏先で起こす奇蹟

    ミステリーを期待していたが、趣旨が違ってた
    600頁を長いと感じてしまった私には刺さらなかった

    琴線メモ
    ■不幸になるとわかっている恋は自分で終わらせなさい。周りに祝福される恋愛をしなさい。そういう人を愛しなさい

    ■ぼくにはわかります

    ■いつの時代も女を守るのは男、男を支えるのは女。持ちつ持たれつってのは本来こういうことだ

    ■「自首してもらえませんか」 口にした瞬間、これだと思った。きっと自分は自首してほしいと思っているのだ。

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著者プロフィール

染井為人(そめい・ためひと)
1983年千葉県生まれ。芸能プロダクションにて、マネージャーや舞台などのプロデューサーを務める。2017年『悪い夏』で横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しデビュー。本作は単行本刊行時に読書メーター注目本ランキング1位を獲得する。『正体』がWOWOWでドラマ化。他の著書に『正義の申し子』『震える天秤』『海神』『鎮魂』などがある。


「2023年 『滅茶苦茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

染井為人の作品

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