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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784334793111
感想・レビュー・書評
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70年も前に書かれた本とはとても思えない普遍性を感じました。
芸術と芸(芸道)のちがいはとても腑に落ちました。
岡本氏はあくまで芸術寄りなので、芸道より芸術を重く置く傾向にありますが、その二つの違いという考え方自体は誰でもうなづけるものだと思います。
そして誰もが表現すべきだという言葉には本当に勇気をもらえます。自分が何かを生み出した時の高揚感というのは、享受する事では味わえないものですから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
音楽系YouTuberのみの氏が絶賛していたことからずっと読みたいと思っていた書籍。岡本太郎の芸術への感覚は今も尚、自分含め芸を志すものの背中を押す。
芸術はうまくあってはならない、心地よくあってはならない、きれいであってはならない
芸術に必要なのは自身と決意
僕は音楽をやっているがこの考え方を持ち、これからも取り組みたい。そして自分の音楽のあり方が分からなくなった時、再びこの本を開こうと思う。 -
岡本太郎氏の本は何かしら気付きがあるなぁ。よくよく考えれば「それはそうでしょうね」みたいな事でも日本では保守に走るから「前からこうやってきたから」「周りもこうやってるから」に流されて、まあ良く言えば「空気が読める文化」なんだろうけど真実を見ようとしてないだけだったりと
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1950年代にしかも43歳でこの論理に至っていた偉人の今読んでも古臭さを感じない精神自由主義啓発本
芸術家じゃなくても読まれたし -
ただ逆説を唱えるだけならきっと誰でも出来るが、岡本太郎の説得力は違う。
美大生の私には耳が痛くなるほど芸術についての知見、そして情熱が溢れ出す良書。 -
岡本太郎さんのファンが多い理由がわかった。本当に凄い人だ。
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芸術鑑賞も、
それぞれの心の中で
イメージを創りあげて見ていること、
価値を創造していること、
自分自身をつくっていること、
などの点から
創造なのだということが
腑に落ちたし
心に残った。
根拠を示しながら、
明快に描かれた本。 -
この本を読んで、「芸術は爆発だ」の意味が分かった。ただ、芸術だと思っていたものがバラバラに壊されて、自分が何を美しいと思うのか分からなくなってしまった。岡本太郎が抽象美術運動に近いこともあって、この本を読むと抽象絵画やシュルレアリスムこそ本当の芸術だと考えてしまうけど、ちょっと待って、と思った。
「『名所絵はがき』のように、写真としてはつまらなくてもそれを通じて想像する景色に思いをはせて、あこがれるようなものです。また、いかに真にせまって描いてあるかという、技法について感心したとしても、これは芸術の問題ではありません。」
-これまで、自分がいいなと思う絵はいくつかパターンがあった。その一つが、その絵の奥に広い世界を感じるもの、絵が別の世界への窓のように感じるものだ。だから、風景画やポスターなどテーマやモチーフがはっきりした作品が好きだった。また浮世絵を見る時は彫師や摺師の技巧にうっとりするのが好きだった。しかし、この文章を踏まえるとそれは絵そのものの芸術を評価してはいないのかもと思った。それから、自分の好きだった絵が急につまらなく思えてしまった。だけど、やっぱり違う世界に思いをはせたり、超絶技巧にうっとりすることも芸術の一つの魅力なのでは思う。だからこの文章には100%賛同はできなかった。
芸術は己のなかにあって、知識や教養の垢にまみれてしまったそれを取り除いて噴き出させるのが創造である、という文脈を知って、「芸術は爆発だ」の意味を深く理解できた。
また、描いてある意味を理解しようとするのではなく、己の芸術と呼応させるのが鑑賞なのかも、と思った。芸術は分かろうとするのではなく、ただまっさらに感じたらいいんだ、と思うと、抽象絵画や現代アートを見て何が描かれているか分からない時に感じた困惑や強張った態度が優しくほぐれていった。
自分は映画や本や美術を見ること・読むことが趣味だったけど、それに没頭した後は何故か空虚で物足りない感覚があった。第1章を読んで、それは創造をしていないことから生まれる虚無なのだと気づいた。芸術は生きるための喜びであり、創造がその本質。すなわち創造が最大の娯楽であるという筆者の考えは、サブスクやYouTube で受動的な娯楽が格段に増えた現代の横っ面を引っ叩くようなインパクトがあった。
では自分では何が創造できるか、と考えた。
鑑賞も自分の心の中に自分なりの作品を映し出すことだから、創造的行為であるという指摘から、今の趣味を創造的に発展させることもできるのでは、と思った。意思を持って、挑戦する姿勢で鑑賞する。これも1つの創造だとすると、鑑賞の姿勢がまた変わってくるなと思って面白かった。
また、本や映画の感想を書くときにスッキリした感覚になるが、これこそ創造の楽しさなのかも、と思う。感想を言葉にするという創造を、これからも続けたいと思った。
普通に、絵も描いてみたいと思った。
芸術はうまくあってはいけない、という指摘は、芸術をより広く身近なものにさせる一方、じゃあ上手い下手ってどうやって決めたらいいの?と思った。美大受験がまさに直面している問題なのではと思った。「芸術はけっして型ではありません。」という岡本太郎は、今の受験制度や美術教育をどう考えるのだろうと、聞いてみたくなった。 -
鑑賞とは価値を創造することそのものであり、受け手が作品と向かい合い率直に感じる事、また自ら筆をとる意味を説くあたりに、趣旨のエッセンスが凝縮されている。なので、芸術は向こう(西洋)のものだと崇めたり、古来からの美術品を無条件に奉ったり、権威や大家に価値観を置くことは、必然著者の主張とぶつかる。こういう人が戦後すぐに現れた(芸術活動は戦前から)こと自体に、むしろ当時の日本の底力を見る気がしてならない。反対勢力も多かったらしく、文中鋭い舌鋒も散見されるが、内容的には、芸術の歴史を踏まえ、例え話を用いつつ論理的に構成されたもので、彼の絵画より分かりやすいほど。18世紀まで王侯貴族を相手に絵を描いていた職人が、客層がブルジョワの時代に移り、何を描くべきか模索した結果「芸術」が生まれたという話は、作品の創り方も売り方も一層多様化した現在において、新しい芸術のあり方を予感させるような示唆も感じた。
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岡本太郎の情熱に満ちた言葉の数々、芸術に対する深い洞察に胸を打たれました。この本、マジでおすすめです。人生を通して、己自信を創造してゆこうと思えた。これから何度も読み返すであろう1冊です。
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岡本太郎の作品





