透明人間は密室に潜む (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 262
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334794194

感想・レビュー・書評

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  • パーフェクトに面白かったです。一つ一つのお話が
    わかりやすくて、ミステリが苦手な人でも読みやすいなと感じました。犯人が「透明人間」というトリックにはやられました。特殊設定ミステリというミステリ小説の新たなジャンルに触れるいいきっかけになる短編集だと思います。

  • ● 透明人間は密室に潜む
     特殊設定ミステリ。透明人間病という細胞の変異により全身が透明人間になる病気が存在する世界。ある女性が、透明人間病の治療を可能とする薬を開発した川路昌正の殺害を計画する。その女は、透明人間化抑制薬を飲むのをやめ、完全に透明人間になって、川路昌正を殺害に行く。
     内藤という男は、妻が不貞をしているのではないかと疑い、茶風義輝探偵事務所に調査を依頼する。その調査結果は、川路昌正の殺害を計画しているのではないかというもの。探偵と内藤は、妻を尾行し、殺害直後に部屋に踏み込む。
     殺害直後、完全に透明人間になっている女を捜査することになる。川路昌正は、顔を切り刻まれ、裸にされて、包丁を突き付けられていた。
     殺害現場から透明人が出れないようにして、透明人間を探す。見つからない。どこにいるのか。探偵は、殴り殺された川路が、さらに包丁を刺されていることから、透明人間の居場所を推理。透明人間は、死体の上に寝転がっていたのだ。
     更なる真相。内藤とその妻彩子が住むのは901号室。その向かいの902号室に2つの死体。1つは、渡部次郎という男。女は…内藤彩子だった。内藤彩子だと思われていたのは、渡部佳子。メイクアップアーティストだった。渡部佳子は夫からDVを受けていた。内藤彩子をうらやましく思い、殺害。入れ替わっていた。
     特殊世界系のミステリ。透明人間の隠れ場所がミステリとなっており、さらに、人物入れ替わりというトリック。特殊世界モノでありながら、本格ミステリとなっている。よくできたミステリ
    ● 六人の熱狂する日本人
     映画「キサラギ」っぽい雰囲気がある、裁判員裁判モノのミステリ。裁判モノは正直、あまり好きではない。とはいえ、この作品は、コメディタッチで、裁判員6人が、いずれもアイドルオタク。被害者と被告人もアイドルオタク。アイドルグループ「Cutie Girls」のファンが入り乱れる。
     まず、裁判員6番が、自分が「Cutie Girls」ファンのアイドルオタクであることをカミングアウト。被告人は、アイドルオタクの風上にもおけないので、死刑と言い出す。2番も同じく、「Cutie Girls」ファンのアイドルオタクであることをカミングアウト。1番も同じく、「Cutie Girls」ファンのアイドルオタクであることをカミングアウト。「Cutie Girls」の御子柴さきというアイドルの話をする中で、コンサートライトに違和感を持つ。3番も御子柴さきのファンだという。5番も軽度のアイドルファン。4番は、元アイドルだった。
     4番は、御子柴さきと親交があり、被害者は、御子柴さきのストーカーに似ている。被告人は、御子柴さきをかばっている?被告人のアリバイも立証し、御子柴さきが真犯人かのような推理が進む。本当に御子柴さきが犯人と思われる事実がいくつも出てくるが、結局、法廷には御子柴さきは来ない。御子柴さきの裁判があったとしても別の裁判員が選ばれるということを思い出し、裁判員は、一転、被告人の意思を尊重し、被告人を有罪にしようとする。最後、裁判長もアイドルファンで、被告人を有罪としようとする裁判員に力を貸すというオチ
     映画、キサラギは好きな映画であり、「ウリャオイ」の掛け声も含め、キサラギを思わせる展開は、純粋に面白い。ミステリとしては、シンプルさに欠ける点と、裁判モノという点が個人的には割引き。

  • 特殊設定下における全4篇からなる短編集

    個人的おすすめ1
    透明人間は密室に潜む
    皆子供の時に想像したであろう"透明人間"を題材とした殺人事件
    透明人間としての前提もしっかり提示されており、もちろんどんでん返しもあり

    個人的おすすめ2
    六人の熱狂する日本人
    何はともあれやはり作中の勢いが良い
    終始ライトなテンションで展開されていくため重めな感じは全くしない
    職業裁判官の壊れていきかたも面白い

    他2篇ももちろん面白い
    どれもアッと驚くようなどんでん返しが用意されているのでそういうのが好みの方は手にとってはいかがだろうか?

  • 「透明人間は密室に潜む」★★★★★
    特殊設定の精密さから意外なトリック、そしてプラスアルファまで全てが面白い。
    「六人の熱狂する日本人」★★★
    オタクの造形や思考にやや行きすぎたきらいがあるのが気になるが、オチはそこそこ。
    「盗聴された殺人」★★★★
    真相当てからつながる意外な展開に驚く。
    「第13号船室からの脱出」★★★
    ラノベがすぎる。

    全体を通して言えるのは圧倒的な読みやすさとわかりやすさ。
    ノンシリーズの短篇集ということで誰にでも勧めやすい。
    書店で平積みされそうな予感が。

  • ミステリー書評
    ストーリー ★★★★★
    読みやすさ ★★★★★
    トリック  ★★★★★
    伏線・展開 ★★★★★
    読後の余韻 ★★★★★
    感想
    私が今年(2022年)読んだ短編集でダントツ1位の作品になりました。面白かった!4つの短編(中編?)が収録されていますが、全て違う味わいのミステリーで、かつ短編なのに長編のような味わい深さがありました。特に「六人の熱狂する日本人」が最高でした。本作品で阿津川辰海氏の世界の広さに驚きました。

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著者プロフィール

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『星詠師の記憶』(光文社)、『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)、『透明人間は密室に潜む』(光文社)を刊行し、それぞれがミステリランキングの上位を席巻。’20年代の若手最注目ミステリ作家。

「2022年 『あなたへの挑戦状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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