屑の結晶 (光文社文庫 ま 26-2)

  • 光文社文庫
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感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334794347

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  • まさきとしか『屑の結晶』光文社文庫。

    イヤミスのような展開からスタートした物語は少しずつ通常のミステリーに変貌し、二転三転と新たな展開を見せる。しかし、おおよその真相には途中で気付いてしまい、様々な仕掛けも物語の本筋をぼやかすだけで、真相の裏付けも弱いと感じでしまった。

    短期間に女性2人を殺害し、逮捕された小宮山楠生は身柄送検の際に笑顔でピースサインを送り、7人の女性と交際していたことが明らかにされると『クズ男』とバッシングされる。

    そんな『クズ男』を守るために交際していた女性たちで結成された『小野宮楠生を救う会』からの依頼で、彼の弁護を引き受けることになった宮原貴子は調査を続けるうちに彼の行動に違和感を覚える。次第に明らかにされる『クズ男』と2人の被害者との接点と『クズ男』の過去……

    本体価格760円
    ★★★★

  • 殺人事件の容疑者 小野宮楠生は、逮捕後に「誰を殺そうと俺の自由だろ」とコメント、送検される時は満面の笑みでピースサインをし、世間から「クズ男」と呼ばれた。

    楠生は何故殺したのか、本当に殺したのか、その背景に何があるのか。
    その切ない真実が、この作品の核なのだと思うが…


    楠生に金を貢いでいた沢山の女たちや、弁護人となった宮原貴子、またその他にも登場する女性たちが、誰も彼も苦しみながら生きていて、でも、何故かどの女性も感じが悪い(ように描かれている?)。
    そのように思ってしまったからか、楠生だけが純度の高い結晶で、周りの全ての人は濁っている(ように描かれている?)と感じました。

  • 既に捕らえられ、犯行も認めている犯人。なのに違和感と何故?が次々と出てきて何が真実なのかの糸口が掴めない。迷路の中を迷い込んでいる気分でした。
    結局、ほとんどが誰もかれもクズだらけだったように思わないでもない。その中で確かに純粋なものはあったけれど、角度によって見え方が変わり影が出来てしまったような、光は閉ざされてしまったのだと思い込んでしまったようなやるせなさ。
    そこから絡みもつれ、修復出来ない着地になってしまった真実は、どうにもこうにも複雑な感情が残る。
    表立った男女の恋愛の裏側に、それぞれの親の歪さ、そんな親を持つ子たる者達の心情、読んでいてリアルに痛く重い。
    いくつもの謎が繋がっていき、最後まで残っていたピースが埋められた時、言葉にならないものが残る。真相を知っても、彼は変わらず事を起こしたのかな…そんな詮無い事を思ってしまう。

  • 読みやすい。構成がうまい。
    これは誰の物語だったのだろう。
    楠生は人間にもなってなかったのではないだろうか?楠生はクズ男にもなれないほど人間じゃなかったような気がする。
    彼を作り上げた周りの人間のクズを集めて彼は彼になったのだろう。でもほんもののクズではない。ハリボテのクズ男だった。
    だから、悲しくも切なくもない物語だった。

  • それぞれの悲しい親子や家族関係を抱える不幸な人たちばかり出てくる。だんだん答えが見えてくるけど、それぞれの胸に抱えたまま。

  • 帯の最後に流れる涙が止まらない!に惹かれて購入してみました。
    結果泣きはしなかったし、さほど感動もしなかった。
    クズ男の行為は非道に思えても、純粋な思い、愛がそこにあったからこそ、どこか尊い行いにも見える。屑と片付けるには違う感じ。見返りを求めない一方的な愛だからこそよりピュアで美しいのかもしれないけど、相思相愛な展開を希望していたのでこの評価。

  • 誰にも幸せがなかった、
    でも母と娘の関係性の歪みが原因になっている。

  • ミステリー小説を読んでいると、動機にいまいち納得しきれないことが時々ある。
    今回この『屑の結晶』は、途中までずーっともやもやしていたのが最後の最後で、ああそうだったのか…!と腑に落ちた。以前読んだ『あの日、君は何をした』でもまさにそんな体験をした。
    それでスッキリしたかというとそんなことはなく。少し…いや、かなり切ない。というか辛い。納得したけど複雑な気持ちになった。
    イヤミスともまた違うのかな。
    次回作が待ち遠しい。


  • 二人の女性を殺害した男とその弁護を引き受ける事となった女弁護士の物語。
    [誰を殺そうと自由]と言う供述と、送検される際満面の笑みでピースサインをした事で世間の注目を集める事件となる。

    キャラが想像しやすく面白かった!
    壮大な勘違いのような、そうせざるおえなかった思い込み、生きがいのような。
    新作楽しみにしてます。

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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