奇縁七景

著者 : 乾ルカ
  • 光文社 (2015年7月17日発売)
3.36
  • (3)
  • (23)
  • (36)
  • (5)
  • (0)
  • 本棚登録 :133
  • レビュー :42
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910341

奇縁七景の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 最初の2篇は心底胸糞悪い。ここまで読んでやめようかと思ったが、後半はまあまあな読後感。
    最後2篇が、乙女チックな自分には好みの物語であった。
    全体的にハッピー感はないが、サラッと読むには良い。
    …最初の2篇を除いて。

  • 一つ目の話を読んで、グロ猟奇系の覚悟と期待を持ったら拍子抜け。後ろに行くほどマイルド。反対に言えば「虫が好かない」が虫が好かないからとギブアップするのは勿体無い。表紙は黒い瞳の彼女?

    ○虫が好かない(☆5)
    初っ端から凄い作品でしたね。グロテスクです。虫関係、嘔吐描写注意。この本で唯一の中学生主人公の話。野菜嫌いで偏食の3人は、好き嫌いの矯正プログラムで、無農薬自然主義で農作物を作る老媼の屋敷にステイし、農作業から調理までを体験、野菜本来の美味しさを味わう…はずが…。これは好き嫌い矯正には最悪ですわ。しかし野ざらしで虫がつくのは当たり前。田舎の曲がりくねったキュウリ、ひびの割れたトマト、虫食いのイモが目に浮かぶ。まあでも、つく虫は大抵害虫だから駆除しないといけないイメージが強い。懐かしい、虫は色々いるのよね。ナスにアブラムシ、ニジュウヤホシテントウ、キャベツに青虫。ニンジンは、考えたくないが。見たことのない人も多かろう。初めて見た日には絶叫するかも。勿論プロの農家はよく管理しているから虫だらけってことはあり得ませんが。話ではもがいても逃げられず追い詰められていく様子がよかった。

    ○目に入れても(☆3)
    娘の子育ての手伝いに夢中になっていく女性。同居の夫と息子との家族関係が崩れていく。嘔吐描写注意(あまり必要性はない)。「お母さんがいなくても困らないから」という言葉。言われたとして、これは嬉しいのか悲しいのかどうなのだろう。

    ○報いの一矢(☆3)
    彼女もいて就職の内定も手にし、順調の大学生。しかし彼は生中継で占い師を喝破、否定的発言をしたために社会に敵を作り、不幸の谷に転げ落ちていく――。群集心理の怖さを見た。ここまで極端ではないが、同調を強いられるシチュエーション、批判がしにくい空気はよくあるのではないだろうか。占い師にしろ芸能人にしろスポーツ選手にしろ映画作品にしろ、猫も杓子も持ち上げて熱狂していれば洗脳に近い。

    ○夜の鶴(☆3)
    身一つで家を出てホテルのアルバイトに専心してきた男性。ストーリーは焼け野の雉夜の鶴そのもの。

    ○只より高いもの(☆4)
    みずきはトイプードルのモコモコを飼っている。散歩で知り合った女性の飼うノエルは同犬種だが血統がよく、ペット店で無料特別サービスを受けているらしい。裏にある事情とは。みずきのような推察はできなかった。嫉妬に狂ってしまう話かと思った。

    ○黒い瞳のうち(☆5)
    幸せな夫婦で何より。涙が出る。瞳の中にその人がいるという発想がいい。中の彼の正体は察しがつくが、きれいにまとまっている(上から目線評価ではないが)。伴侶より先に逝きたいか、後に逝きたいか、人によって色々だろう。私は断然後がいいと思っていたが、こうしてみると、先に逝くのも幸せだと思えてきた。

    ○岡目八目(☆2)
    一冊のまとめ。葬式を俯瞰する視点が珍しい。お墓に骨、の謎はそんなことあるか、という感じ。フィクションなのだろうけど。

  • 野菜嫌いを克服する合宿で、
    虫入り料理を作る老婆と
    何もかもを食い散らす虫が、唯一食べなかったもの。

    自分がいなければ生活できないと思っていた家族の意外性と、孫のためだと全てを投げ捨てた女性の孤独。

    占いを否定してから転落していった人生。
    優秀なバイトの社員昇格で、知ることとなった彼と彼の父親の人生。

    同じペットショップで買ったトイプードルが、血統書で待遇が違った本当の理由。

    妻の瞳のなかにずっといた男の正体が、自分だと気付いたのは、妻が死ぬ間際だった。
    死者の目線から、お通夜で語られる骨の真相。

    最初の虫の話からインパクト強すぎた。
    全部ぎょっとする話かと思いきや、じーんやらほっこりもあって、
    盛りだくさん。

  • 【収録作品】虫が好かない/目に入れても/報いの一矢/夜の鶴/只より高いもの/黒い瞳の内/岡目八目 
     どこかしらリンクしている七つの話。気持ちの悪い話、ありがちな話、奇妙な話、温かい話など、いろいろで面白い。ありふれたホラーより、よほどぞっとする現実を見せてくれるものも。

  • よくある、胸くそ悪くなる話でつづられた短編集

  • 一話ごとに読み終わった瞬間、
    読み手に「そのあとの話」が委ねられる
    そこが、なんとも楽しいと
    感じるか、感じないか
    そこがポイントであるような気がする

    最後まで書き切らないからこそ
    拡がる物語の短編集である

    読み手の想像力を心地よく刺激してくれる一冊でした

  • 最初の話がとにかくグロくてうわっとなってしまった。この本はこんな感じで行くのかと思ったらほっこりするような話も後半は多かった。

  • 2016.4.11 読了

    乾ルカ ワールドでした!

    時々 欲します!

    最後の1個前の短編と最後がつながるどころか、
    最後の章が 全部つながる。
    こんなことになってるのかーーと。

  • 瞳孔というのは、どうしてこんなに黒いのだろうと田之上は思う。この世の中で、もっとも純度の高い黒なのではないだろうか――。
    (P.212)

  • 虫が好かない…虫にも嫌われるほどの老女。これを読んだことがトラウマになりそうなくらい気色悪い。
    目に入れても…自惚れも程々にしないと思わぬしっぺ返しにあう。
    報いの一矢…評価はこの作品。衝撃のラスト。何もかも失うが信念だけは失わなかった。復讐が予言を受け入れる事になっても信念は貫いている。
    夜の鶴…父の気持ちが理解できるだけに真実を伝えるべきか悩むところ。逆に秘密を抱えてしまうところが想定外。
    只よりも高いもの…犬がスマートなのはそのためなのか。
    黒い瞳の内…何故か堀北真希さんをイメージして読んだ。清らかで純粋な少女が鏡を見入ると時間が止まるみたい。
    岡目八目…この作品はおまけなのかな。無くてもいいような気もする。

全42件中 1 - 10件を表示

乾ルカの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする