- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910389
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
昼間は常に眠そうで機嫌の悪いピカレスク・ヒーロー、袋井准教授あらわる!
学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。
型破りな「フクロウ」は、次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。いったい、彼の目的は何だ?
あらすじにあるフクロウ教授が主人公というよりは、上司からパワハラにあっている吉川先生が主人公みたいなかんじだった。全ては、吉川先生の目線で話が進んでいく。
学長選挙がどんなに大事なのかはよく分からないけど、学長戦に向けての水面下で起こっている思惑。それを色んな方向からフクロウ教授が邪魔をして壊していくかんじ。まぁ、それがなんとも気持ちよかった。
昼行燈なフクロウ教授と定時帰宅のカラスと呼ばれた教授。みんな彼らのことを見誤っていたなぁと最後になって分かる。しかし、こちらにもそんな思惑があったのねと。こっちの思惑はいい思惑だったけど。
しかし、吉川先生と仲がいい学生の里崎くんがいい味出してたなぁ。色んなところに潜り込んで情報を手に入れて、それを吉川先生に提供するけど、そこから新たな情報も手に入れていたんだろうなぁ。
2023.1.29 読了 -
最近この人の本ばかり読んでるけど、ちょっといつもとテイストの違う本だった。それでも最後に向かってのフクロウの解決シーンはやっぱりドキドキして面白かった。
-
面白かった。大学内ってこんな風になってるのかもと思ってしまう。水面下の駆け引きとか。
それをあっさり見破ってばっさり切っていく感じがすっきりする。
こんな変わった人がいたら面白いがなるべく関わりたくない。味方なら心強いが敵になると、もうなす術がなさそう。 -
変わった人ってそれだけで他人を油断させてしまうのかも。「こんな変人と一緒にいたら自分のペースが乱されるじゃん、関わらないでおこう」なんて思わせられて、気がついたらいいように物事が進んでいるのかもね〜。
マイペース、マイペース。他人に心乱されることはないや。 -
リアル
-
伊予原さんの本だーと思って、特に何の前情報もなく図書館から借。
大学内部ってこんな感じなんかーって思いつつグングン読めました。
読後感よし。
気軽に楽しめる感じだったので、今の自分にちょうどいい本でした。 -
大学教員のあれこれなので興味はあるけど、なぜか読むのに時間がかかった。袋井のキャラが魅力がいまひとつ。
-
根回し、取り込み、先手をとる、敵を知り己を隠せばドラマが起こることはない。そこをドラマチックに読ませるのがエンターテイメント。サクサク読めて、少し大学の裏側が透けて見える…かなぁ?
-
「本の雑誌」のレビューで見かけて、手に取る。地方国立大学の学長選、学部改組をめぐるミステリー。順当に、出来レースで決まると思われたケースが、次々とひっくりかえされ、保身、名誉欲、抜駆け、先見の明、暴露、さまざまなものがあらわれ、強いと思われたものが墜ち、使われていたと思われた者が、遠大な志を秘めて取引していたり。梟こと袋井准教授は、数々の仕掛けを放ち、場を動かしていくが、その目的は…といったところが読みごたえがあった。何十年かぶりに、筒井康隆「文学部唯野教授」も読み返したくなった。