黒猫の小夜曲(セレナーデ)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910396

感想・レビュー・書評

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  • 高位の霊的存在『道案内』(魂を『我が主様』の所に導く)
    をしていたものが、ボスの命令で地上に降り、
    黒猫の体を借りて未練で地上に留まってしまう魂を救うお話。

    『優しい死神の飼い方』の続編になってます。
    この本だけでも楽しめますが、
    前作の私の大好きなゴールデンレトリバーの「レオ」
    がまたまた登場してくるので、
    前作と続けて読まれた方が楽しいです。
    (しゅうくりいむ食べてます)

    私は黒猫「クロ」の中の『道案内』よりも
    ゴールデンレトリバー「レオ」の中の『道案内』の方が
    好きなので、
    途中までは前作の方が好きと思ってましたが…。

    黒猫クロが関わる事件の謎解きも前作と趣向が違い
    事件がつながっていてどんどん先が気になり、
    その事件の中にもウルウルしてしまう温かい物語が満載で…。

    お世話になる麻矢さんとクロのやり取りも、
    やっぱ猫かわいい☆って吸い寄せられましたし。
    (我が家の初代猫が黒猫だったので、黒猫って設定
     から、私はロックオンされてました。
     それもお刺身が大好物なんて、うちの「ぴー」と一緒
     なんですもの。そりゃ、物語にどっぷりですよ)

    どんどんめくられる謎解きカードを追って
    今回も止められず2日間で読んでしまいました。

    わかってましたけど…最後は…号泣の一冊です。

    高位の霊的存在が、人間と少しずつ紡ぐ絆。
    そして人間を少しずつ理解すること。

    知念さん自身の、「人」をそして「生きものすべて」
    に対するまなざし。
    医者として毎日人と関わっている職業から見えたものが
    クロの心情を通して私に伝わります。

    今回も面白かったです。続編がまたあるのでしょうか?
    今度はなんの動物なのか?鳥かなぁ…。
    悪者と戦うことを考えるとハムスターや金魚じゃ…
    ちょっとですよね。

    • 杜のうさこさん
      なにぬねのんさん、こんにちは~♪

      返信ありがとうございました。
      私も腰痛持ちなので、お察しします。。。
      季節の変わり目は特につらい...
      なにぬねのんさん、こんにちは~♪

      返信ありがとうございました。
      私も腰痛持ちなので、お察しします。。。
      季節の変わり目は特につらいですよね。。。

      『虹猫喫茶店』書店で帯を見て、
      「無理かな…」って一度はあきらめたんです。
      ご存知の通り、すぐめそめそしちゃいますから(笑)
      でもブクログのレビューを読んで大丈夫そうだったので早速読みました。

      この本、読んでみたいです。
      でも号泣…。
      う~ん、悩みます。。。
      猫ちゃん関係の本は、読みたいのに読めない気持ちのせめぎ合いで、もう大変です。(^_^;)

      なにぬねのんさんの猫ちゃんも、お刺身が大好物なんですね!
      うちの子達もそうでした~。
      猫ちゃんってグルメですからね♪
      2015/09/24
    • なにぬねのんさん
      杜のうさこさん、こんばんは。

      またまたコメント有難うございます。
      (返信遅くてスミマセン)

      この本の私の号泣は、猫の生き死にで...
      杜のうさこさん、こんばんは。

      またまたコメント有難うございます。
      (返信遅くてスミマセン)

      この本の私の号泣は、猫の生き死にではないんです。
      黒猫クロは人間の魂が未練によって『我が主様』の所へ行けず地縛霊にならないよう、
      もう肉体から抜けた魂の未練を解決してあげるのが仕事なんです。(簡単に言うと死神です)

      …ということは、魂の未練を解決してあげてその魂と絆を築いても別れが…
      ということで、前作も号泣でしたが、やはりこの物語も泣いてしまいました。

      猫に関することの悲しみではないですし(死神が入っている間は、クロは不死身です!きっと)

      猫の体を借りて中に入る「死神」がなんていうか、猫の本能に負けて自分をコントロールできなくなるのが面白いです。

      ハロウィンが近くなると、脚光を浴びる黒猫。
      お星さま歴15年になる「ぴー」を思い出す季節です。
      2015/10/05
    • 杜のうさこさん
      なにぬねのんさん、こんばんは~♪

      わぁ~丁寧なご説明をありがとうございます!
      猫ちゃんの本能に負けてしまうあたり、楽しそう♪
      やっ...
      なにぬねのんさん、こんばんは~♪

      わぁ~丁寧なご説明をありがとうございます!
      猫ちゃんの本能に負けてしまうあたり、楽しそう♪
      やっぱり読んでみたいです。
      猫ちゃんの生き死にじゃない…
      俄然勇気が湧いてきます(笑)

      ぴーちゃん、うちの子達の先輩ですね。
      こっちのこと、全部わかっていると思うから、
      「はじめまして!うちの泣き虫ママがお世話になってます♪」
      とか言って、ぴーちゃんに仲良くしてもらってますね。きっと(*^-^*)
      2015/10/07
  • 死神シリーズ2作目。
    複数の事件が読みすすめていくうちに、どんどん繋がっていく。
    前作のレオも登場して、2匹の関係が人間味(?)のあるものに変化しているのも面白い。

  • 「優しい死神の飼い方」の続編。
    と言っても、主人公は前作のゴールデンレトリバーのレオであったのに対し今作は黒猫のクロであり話もそれぞれが独立しているので、この作品単独でも楽しめる。
    しかし前作の主人公レオが結構登場しているので、前作を読んでいる方がより楽しめるかも知れない。

    設定は、人が亡くなった後の迷える魂を『我が主様』の元へと導く『道案内』をしている主人公が、地縛霊となった魂の『未練』を解き放ち『我が主様』の元へ行く準備ができるように様々な調べ事をするため、猫の姿にさせられ地上に下ろされてしまったというもの。
    何故地上に下ろされなければならないのか、何故猫の姿なのか、何故『高位な霊的存在』のままではいけないのか、その辺りは前作との絡みもあるが読まれれば大体の事情は分かってくる。

    話の展開としては前作とほぼ同じ。
    様々な地縛霊たちの『未練』について調べていくうち、それぞれの事情がある《製薬会社》の『秘密の研究』に関わっていることが分かる。
    次々と人が殺されたり殺されそうになったりして、事件の雰囲気はドロドロとしていく。
    ただミステリーとしてはそれほど複雑ではなく、関係者たちが一人ずつ潰されていくうちに真犯人は誰なのか、クロの協力者である麻矢の正体が何なのかも予想がついてくる。

    このシリーズはそういうミステリー要素よりも前作同様に『高位な霊的存在』であった時は合理主義者であり、人間の存在など『我が主様』の元へ運ぶ荷物程度にしか認識していなかったクロが、地上に下ろされて人間と過ごすうちに少しずつその考え方や価値観が変わっていくところを伝えたいのかなと思う。
    最初は地縛霊たちを数多く『我が主様』の元へ送り込むことでたくさんの実績を積み、少しでも早く元の『高位な霊的存在』に戻りたいと考えていたクロが、その思いにも変化が出てくる。

    例え同僚レオが大好物の『しゅうくりいむ』を貰うために必死で芸をして人間に媚を売るという情けない姿を目にしても。
    そしてクロ自身も猫の姿に変えられてからは猫の習性や好みに逆らうことが出来なくなっている。
    お刺身という言葉を聞くだけで涎が出そうになったり、狭い空間や日向の暖かな場所にいると眠くなってくるところも面白い。

    それにしてもこの作品に出てくるような、実験結果の発表の仕方はここまでドロドロしていなくても似たようなことは起こりえそう。
    クロの思う『人間の欲望』の汚さは結構あるものだから。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    高位の霊的存在である僕は、『我が主様』によって、不本意ながら黒猫の姿で地上に派遣された。この世に未練を残し地縛した魂を『我が主様』のところへ導くのが仕事だ。記憶喪失の魂と出会った僕は、昏睡状態の女性の体にその魂を入れ、彼女の飼い猫として、街の魂を救い始める。だが、魂たちはなぜかある製薬会社に関係する人物ばかり。その会社では、怪しい秘密の研究が行われていたようで…!?現役医師がホスピスを舞台に描いた『優しい死神の飼い方』に続くファンタジックミステリー第2弾

    前回はゴールデンレトリーバーの「レオ」、今回はその同僚が黒猫の「クロ」となって、地縛霊たちを成仏させていく連作集です。前回よりもさらに大本の事件に各物語が密接に関わっており、全体の話が集約されて一つの模様が書かれるまでのスピード感と緊迫感は素晴らしいものが有りました
    死後の世界があるという前提のミステリーの為、ある意味命が失われることに関する悲哀が薄く、ドラゴンボールで「よし!ドラゴンボール集めて生き返らせてやっぞ!」と言われているような軽さがありました(生き返らないですけどね)。確かに亡くなっても天国のようなところに行けると分かっていれば、大分悲しみも和らぎますものね。これはこれで嫌いではありませんでした。
    はっきりとした悪役がどーんと登場する辺りも前回と同じで分かりやすいので、複雑な謎の構成の割にすっきり読めました。
    そこに意思の疎通が出来る犬と猫が出てくるのだからそりゃ楽しいですよ。僕も楽しんで読みました。

  • 前作で魂を導く道案内の『死神』から転身して、次々と地縛霊予備群の『未練』を断ち切る使命を果たした犬のレオ。その悪友が今度は猫のクロになって大活躍。『優しい死神の飼い方』に続く死神シリーズ第2弾。

  • 4年前に読んで最高に感動したはずなのに、再読してもまた最高に感動している。続編になってこの友人との重みが更に増してくる。シリーズものはだんだんと世界観が構築されてくるのが楽しい。プライドが高くもありつつ、人間との関わりを大切に思うクロがいとおしい。お刺身万歳!
    レオも最高❗️

  • 『優しい死神の飼い方』の続編。
    前回は犬の「道案内」が、今回任命されたのは黒猫。もともと猫派なのもあり(笑)、前作よりもさらに楽しんで読み進めました。しっかりとプロローグでの話を回収して、最後に穏やかにさせてくれる作品。人生悔いなく、一生懸命生きようと思わせてくれる。

  • 推理とファンタジーの要素が盛り込まれていて、読みやすく面白かったです。
    ラストは涙しました。続編も期待したいです。

  • 「優しい死神の飼い方」の続編。でも主人公は、ゴールデンレトリバー「レオ」ではなく、黒猫の「クロ」。もちろんレオも登場するけど。
    前作よりミステリー要素が強く、面白かった!!
    でも、恋人を失った知美が、あんなにあっさり未練を断ち切れたことに、少し疑問。
    また続編が出たようなので、楽しみに読みたいと思います。

  • ★3.5
    前作を上回る。レオが出てきて互換性よし。連作短編の関連性、着地点良し。呪いのタトゥーだけは、あっさり読み取れてしまったけど、あとはほんのり読めないところあり。そこまであからさまではない。
    オリジナリティの面から言うと、チラついて離れないイメージが前作を死神の精度とすると、今作はゴーストトリック。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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