江ノ島西浦写真館

著者 :
  • 光文社
3.23
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感想 : 124
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910662

感想・レビュー・書評

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  • 江ノ島の路地の奥、ひっそりとした入り江に佇む「江ノ島西浦写真館」。百年間営業を続けたその写真館は、館主の死により幕を閉じた。過去のある出来事から写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭は、祖母の遺品整理のため写真館を訪れる。そこには注文したまま誰も受け取りに来ない、「未渡し写真」の詰まった缶があった。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥と共に、写真の謎を解き、注文主に返していくが―。

    繭は大人しそうに見えて、かつてはプロの写真家になれるという強い自負を持ち、周りから嫌われていた過去がある。
    繭のとった写真が原因で、大事な人を傷つけてしまった過去も。
    そんな過去を忘れるようにしてきたが、写真の整理をする中で、少しずつその過去と向き合って行く。

    繭は自分に自信が持てていないが、観察力の鋭さと、頭の回転の速さは、ビブリオ古書堂の栞子さんに通じるところがある。
    自分にとっての『負』に向き合う元気をもらえる本。

  • 2017年5月

  • ミステリー。何とも言えない読後感。知らない方がいいことと、知っておいた方がいいこと、どちらも苦しい。

  • ビブリア古書堂の新刊までのついでに手にとって見ました。
    写真館にまつわる短編の連作ですが主に写真に特化したトリックで意外と面白かったです。
    ちょっと人間関係の描写が浅いかな?と思わないでもないですが。
    続巻はちょっと期待できませんができれば読んでみたいと思いました。

  • いゃぁ…なんつーか、いちいちグサグサ刺してくる話ですよこれは。
    自分に悪気はなくても、自分の行為がヒトを傷付けてる、ってことはどうしてもあるじゃん? まぁ、悪気がないのが余計に救いようがないというか、まだ悪気があったほうがマシというかね。
    そういう思い出したくもない過去を無理矢理引っ張り出してくる小説です。
    この後味の悪さは、ヒトには勧められない(笑)。
    これ読んで平気なヒトはよっぽど清く正しく生きてきたヒトでしょうね。

  •  桂木繭は、祖母が亡くなったあと、そのまま残っていた写真館の後片付けをしなければならなくなった。江ノ島の路地を入って喧騒から離れたところにある江ノ島西浦写真館。
     繭は、あることをきっかけにカメラに全く触れていなかったのだが、写真館を片付けているうち、自分の辛い過去にまつわることが分かってきて……。

     主人公の繭をはじめ、繭の幼馴染みで今は行方を眩ましている瑠衣、近くに住む祖母の介護に来ている秋孝、それぞれに物語があってどきどきしながら読みました。

  • あらすじにもあるように、ビターであたたかな青春ミステリ。江ノ島に行ったことがないので、街の雰囲気がいまいち想像できなかったのですが、暖かな雰囲気は伝わってきました。繭が西浦写真館を整理する中で、見渡しの写真に関する謎だったので、続編はなさそう気がします。謎はまあまあ重いものが多かった気がします。秋孝には幸せになってほしい。繭と琉衣が和解?するシーンは長く書かず、最後にさらっと出てくるだけだが、逆にそれが良かったです。

  • 祖母の遺品整理のためやって来た、闇を抱えるOLが主人公。
    彼女を手伝うイケメンにも事情があるのですが……。
    まず主人公が自分でも悔やんでるけど大概無神経。ちょいちょい妙に鋭いから余計かな。
    イケメンの事情がこれまたなんつーか強引な。
    うーむ、死んだばーちゃんはいい感じなんですけどね。
    小さな謎がいくつもあって、それぞれ良くまとまってて上手いんですが。
    もしかしたら対象が古書のビブリアの方が面白いかもね。

    装幀 / 鈴木 久美
    装画・カット / こより
    初出 / 第1話のみ『ジャーロ』54号掲載。他書下ろし。

  • 祖母から借りたニコンEM。3年前。自分の撮った一枚の写真が。無残な事態を作り出した。写真は過去の瞬間を切り取る。誰かが死んでもその人の写真はずっと後まで残る。

  •  正直期待していなかった。ビブリアがそれほど好きじゃないから。

     これは好きです。ただ、主人公が他人の家の事に首突っ込みすぎ。そこまでしてはダメよね。

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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