- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910662
感想・レビュー・書評
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江ノ島の路地の奥、ひっそりとした入り江に佇む「江ノ島西浦写真館」。百年間営業を続けたその写真館は、館主の死により幕を閉じた。過去のある出来事から写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭は、祖母の遺品整理のため写真館を訪れる。そこには注文したまま誰も受け取りに来ない、「未渡し写真」の詰まった缶があった。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥と共に、写真の謎を解き、注文主に返していくが―。
繭は大人しそうに見えて、かつてはプロの写真家になれるという強い自負を持ち、周りから嫌われていた過去がある。
繭のとった写真が原因で、大事な人を傷つけてしまった過去も。
そんな過去を忘れるようにしてきたが、写真の整理をする中で、少しずつその過去と向き合って行く。
繭は自分に自信が持てていないが、観察力の鋭さと、頭の回転の速さは、ビブリオ古書堂の栞子さんに通じるところがある。
自分にとっての『負』に向き合う元気をもらえる本。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017年5月
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ビブリア古書堂の新刊までのついでに手にとって見ました。
写真館にまつわる短編の連作ですが主に写真に特化したトリックで意外と面白かったです。
ちょっと人間関係の描写が浅いかな?と思わないでもないですが。
続巻はちょっと期待できませんができれば読んでみたいと思いました。 -
桂木繭は、祖母が亡くなったあと、そのまま残っていた写真館の後片付けをしなければならなくなった。江ノ島の路地を入って喧騒から離れたところにある江ノ島西浦写真館。
繭は、あることをきっかけにカメラに全く触れていなかったのだが、写真館を片付けているうち、自分の辛い過去にまつわることが分かってきて……。
主人公の繭をはじめ、繭の幼馴染みで今は行方を眩ましている瑠衣、近くに住む祖母の介護に来ている秋孝、それぞれに物語があってどきどきしながら読みました。 -
祖母の遺品整理のためやって来た、闇を抱えるOLが主人公。
彼女を手伝うイケメンにも事情があるのですが……。
まず主人公が自分でも悔やんでるけど大概無神経。ちょいちょい妙に鋭いから余計かな。
イケメンの事情がこれまたなんつーか強引な。
うーむ、死んだばーちゃんはいい感じなんですけどね。
小さな謎がいくつもあって、それぞれ良くまとまってて上手いんですが。
もしかしたら対象が古書のビブリアの方が面白いかもね。
装幀 / 鈴木 久美
装画・カット / こより
初出 / 第1話のみ『ジャーロ』54号掲載。他書下ろし。 -
正直期待していなかった。ビブリアがそれほど好きじゃないから。
これは好きです。ただ、主人公が他人の家の事に首突っ込みすぎ。そこまでしてはダメよね。