光の庭

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910778

感想・レビュー・書評

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  • 地方に暮らす仲良し5人組は高校卒業と同時にそれぞれの道へ進むが、数年後、地元に残った三千花が遺体となって発見される。16年後、ライターとなった志津は三千花のことを調べ始める。

    初読み作家さん。
    生活環境が変われば、付き合う友達も変わってくるし、興味の対象も変わってくる。
    いつまでも学生時代のような付き合いはできなくなる。
    地方に暮らす焦燥や女の子同士の嫉妬といったものはピンとこないが、ミステリ的要素があって面白かった。
    (図書館)

  • 友人の死への罪悪感はあっても、彼女達のほとんどは己と戦おうとしなかったんだなぁ…。
    甘えてる。
    と言っても、胸を張って断罪出来る私でもないのだけど。
    私達のほとんどが多分そうなのだけど。

  • 16/11/21
    装丁は可愛らしくて、でもちょっと不気味というか不穏なかんじを発してて、そしたら中身もそんなかんじでした。
    湊かなえの『贖罪』ぽいかなあ。

    ・今日のことをこの先何度でも思い出すだろう。
    そんな未来をこの時あたしは予感していた。(P10)

  • 5人の友情は永遠と誓い、地方の高校を卒業した女子高校生たち。5人はそれぞれの道に進むが、その中のひとり三千花がバラバラ死体で発見される。大学を卒業後ライターになり、失意ののちに地元に帰ってきた志津は、三千花に何があったのかをルポに纏めたいと思い、事件の16年後、当時の友人たちを訪ね取材を開始するが・・・

  • ミステリーとして楽しんでいたら、次々に明かされる5人の輝かしい日々と今との対比が次第に重みを持ち、虚しさに心が浸された。残された4人の抱く想いを目にするうちに、相手が生きてる間にどれだけ心を尽くして接したとしても、悔いのない境地にはどうやってもなれないのかもしれないと思った。後ろめたさのない人間関係なんてあるんだろうか。単に悲しくて救いようのない話というわけではなく、三千花の抱えた孤独とその顛末は地方に住む女子にとって他人事ではなかった。ぞっとするほど簡単に一歩でも間違えば自分もなり得た姿だった。

  • 仲良し“だった”女子5人組。
    こんなにも複雑で、
    だけどこんなにも繊細で。
    女同士ってこんなにも厄介な関係だと
    まざまざと見せつけられた感じ。

    とにかく一番不気味だったのが法子。
    彼女の異常に粘着質な執着心が恐ろしい。

  • 小さな地方都市で仲良し五人組だった女子高生たち。
    ちょっとした事で笑い転げ、この友情は一生続くと信じていた卒業式からわずか二年で、仲間の一人、三千花が惨殺される。

    卒業から17年。残った四人はそれぞれほとんど付き合うことなく暮らしている。東京に出てライターになったが仕事が行き詰まって帰ってきた志津、読者モデル出身で美貌の専業主婦理恵、市役所に勤務する独身の麻里奈、妊娠して学生結婚して大学を中退した法子。

    それぞれが抱える闇がゾクゾクするほど恐ろしい。特にネット中毒の法子の行動は、誰もがはまってしまいそうで怖い。

    三千花の死に対して、それぞれが思うことが明らかになる。
    大人になることは、楽しいことばかりではない。友情も親子関係も。

  • 高校時代に仲の良かった5人組。
    そのうちの1人が殺されることによって
    残りの4人が,お互いの関係について
    考えていく・・・というもの。
    女同士の友情について,裏にはいろんな感情が
    入り混じっていることは分かります。
    が,5人の関係性については
    こんなに早い段階でそんな風に変化する?!
    と思う部分が多く,それほど感情移入できず。
    図書館で予約してた本が立て続けに届き
    急いで読んだ最後の1冊だったこともあったのかも
    知れませんが,評価は☆3つというところでした。

  • 女子高生5人は「あたしたち最高」の関係だった。だが、制服を脱ぎ捨てた時から変わってしまう。田舎過ぎず都会過ぎないそこに残った者、出て言った者。もう、高校生の時のように無邪気なだけではいられなくなる。そして、20歳で三代花は殺された。16年後に地元に戻ってきたライターの志津は、三代花が殺されたころの事を友達に聞こうとする。でもそれは開けてはいけない「パンドラの箱」だった。「最高の関係」だった友達へのねじ曲がった感情。もう、重なる事も無い友情。三代花の抱えていた閉塞感。もうあの友情に「光」は当たらない。

  • 想像してたのと全然違っていた。
    ものすごく、怖くて、醜くて、ざらざらして、読んでいるのが耐えられない、と投げ出しそうになるくらいリアルな剥き出しの感情が投げつけられてた。だけど、読み進めずにはいられなかった。
    開始11ページで、仲良し五人の中の一人がバラバラ死体で見つかる。衝撃だった。彼女の死の理由を探すうちに、たくさん明らかになる、それぞれの思惑やどうしようもない感情が、よくもここまで書けたよな、というくらい、自分の体内をべろっと裏返しにしたくらい、吐き出されている。
    女同士ならいいけど男がからむと牝の匂いがして嫌になる、とか指毛の手入れもしてない、とか本当に表現一個一個が突き刺さる……。
    個人的に一番刺さったのはネットウォッチに精を出す法子の姿でした。あー、わかるな、この感じ、みたいな。
    すごい本を読んだ。でも、なんとなく星5つはつけたくないな。
    三千花が死ぬ間際?の描写が、残酷なのに綺麗だった。

  • 高校時代の仲良し4人の女子の卒業式の後からスタートし
    一人の子が、遺体で見つかった事件から物語は始まる。
    寂しい気持ち、このままこの狭い世界に閉じ込められて何処にも出ていけないんじゃないかと思う気持ち、こうなるはずじゃなかったのに未来が変わってしまったこと、幸福を手に入れたと思ったはずなのに
    こころが満たされないでいること、母の呪縛から逃れなれないでいること
    それぞれの「彼女」の人には見せない人間の面が赤裸々に描かれている作品だった。
    自分もある時まで
    私は、へらへらして寂しくて仕方なかった。あえて笑をとりながらも何処にも身を置けなかった。
    でも、ある時から
    あ友人がずっとそばにいてくれることに気がついて寂しいと感じなくなった。
    いつも会えるわけでもない。
    だけど、彼女が居てくれるそれだけで一人じゃないんだなって思えることが何よりも1番の私の宝だと思う。

  • ★3.5
    『彼女を殺したのは私だーー』

    「銀チョコラバーズ」というチーム名をつけ、「うちら最高!」と最強の仲良し
    女子高生だった五人組は、高校卒業後それぞれの道を歩んだ。
    二十歳の時、地元に残った三千花が少年らに暴行され、切断され池に遺棄された…。
    16年が経ちライターとなった志津は彼女の事を書くために友人たちに取材を始める…。

    東京の大学卒業後にライターとなるが挫折して地元に帰って来た志津。
    短大を卒業し〝毒母〟との関係に辟易しながら、いいなりに市役所に就職し
    自分の人生を諦めている麻里奈。
    奔放な美人で若い頃の読者モデルが自慢で、必死にセレブな生活にしがみつきながら、
    年下の男との不倫関係をせっせとブログに書き綴る理恵。
    20歳でデキ婚をし3人の子供を授かり、表面は変わらずサバサバとしたリーダーシップを
    演じながらも、友達たちのブログやSNSを血眼で探すネット中毒の法子。

    亡くなった「三千花」はメンバーの誰もと一番仲良しだった少女。
    彼女達の心を散り散りにしたのは、その事件であり三千花の存在そのものだった。
    犯人ではないのに、全員が心に闇を抱えて生きて来てしまった。
    キラキラしてた彼女達の心の内の見栄や羨望や妬みが渦巻くさまは読んでて辛かった。
    高校時代をとても親密に過ごし、これからもずっと仲良しでいるんだと思っていても、
    同じ環境に身を置いている間は笑いあっていられても、
    卒業して進路や環境が変化したり人生経験を重ねる内に疎遠になっていく…。
    思い当たる事がまるでない女性はいないと思う。
    同じ様に、私にも疎遠になってしまった学生時代の女友達が何人もいる。
    ここに登場する5人は、少し過激ですが、読んでて本当に辛かったです。
    淋しさや孤独に負けてしまった三千花が切なかった。
    ラストには彼女達にもいつか光がさすのだと予感させられて終わって良かったです。

  • 「銀チョコラバーズ」というチーム名をつけ、「うちら最高!」と最強の仲良し女子高生だった5人組。
    田舎町の進学校を卒業後、それぞれの道を歩み、そのうちの一人が20歳にして殺される。
    それからさらに十数年の月日が経ち、フリーライターだった志津が田舎に戻ってきたことから彼女たちの時計が再びまわりはじめる。
    女同士の自尊心、自我、コンプレックス、優劣の競い合い、それぞれの思惑が絡み合いながら、かつての「仲良し」だった少女の死が少しずつ解きほぐされていく。
    登場人物はわかりやすい典型として描かれているけれど、大なり小なり、女性だったらこういった「昔の仲良し」との距離の測りあいや牽制に思い当たる部分があるはずだ。
    新しいテーマではないけれど、普遍的であるがゆえによくわかる、そんな物語だった。

  • 仲良し5人が高校を卒業する。衝撃敵な事件から始まり、それについて何が起こったのか、どうして起きたのだろうかと思っても、知りたくない、知ろうとしない。卒業するとあんなにいつまでも友情みたいなことを言っていながら、疎遠になる。でも、志津は

  • あの日、光の下で輝いていた18歳の5人は、もうどこにもいない。その現実に胸が痛む。
    18歳から20歳のたった2年間にいったいどれだけのモノを失い、どれだけのものを手に入れたのか。何が変わり、何が変わらないのか。
    自分の、かつての2年間を思い出し息が苦しくなる。もがいていた、あがいていた、何かから必死に逃げようとしてここではないどこかを求めてあえいでいた。
    いまここにあるのは結果だけ。だれも悪くない、だれのせいでもない、でも、もしあの時、もし私が、もし、もし、もし…繰り返されるいくつもの、もし、にどうやってピリオドを打てばいいのか。
    この物語を描いたトリコさんもきっと苦しかったと思う。自分の2年間と、そのあとの14年を重ねて、きっと息を止めながら書いたんじゃないか。そんな気がする。

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著者プロフィール

吉川トリコ(よしかわ とりこ)
1977年静岡県浜松市生まれの小説家。現在は名古屋市在住。
2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞・読者賞を受賞。受賞作を含む『しゃぼん』でデビュー。2007年、『グッモーエビアン!』を原作に東海テレビで『なごや寿ロックンロール〜「グッモーエビアン!」より〜』としてドラマ化、2012年映画化。2007年、『戦場のガールズライフ』がドラマ化された。
その他代表作として、『ミドリのミ』『少女病』『マリー・アントワネットの日記』がある。

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