今はちょっと、ついてないだけ

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910839

感想・レビュー・書評

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  • 昔、冒険家として一世を風靡したタチバナコウキとちょっとついていない状況の人たちが出会って再生していく話。

    何か行動をすること。
    それが、ちょっとついていない状況を変えている気がする。客観的には回りの状況はあまり変わってないように見えるけど、本人たちの気持ちが変わってる。気持ちの持ちようで人生の色も変わるんだと思う。

  • タイトルがいいなと思って読みました。ツキに見放され負け組の人生を送る人たちがシェアハウスに集まり、そこで再生していく物語。少し生き方や考え方を変えることで徐々に再生していく展開で、正直そんな簡単にいくのかなと思える部分もありますが、頑張ってほしいなと思える愛嬌のある登場人物が小気味よいです。
    本当は重大でも「ちょっとついてないだけ」と開き直ることでピンチがチャンスに変わることってあるんじゃないかなと読んでいて思いました。

  • いろいろと上手くいかないことがあっても

    大丈夫、今はちょっとついてないだけ!

    そう言えるようになれば良いですよね。
    振り替えれば、今年もいろいろあった一年だなって。特に先月は悲惨だった
    年末、辛くなってきたらこの言葉を思い出そう

    クリスマスのあとには、ハッピーなニューイヤーが来るんだ

    こんな写真を撮ってくれる人が身近にいるといいなぁ

  • 最後、清々しく終わって良かった。
    ここから始まる。
    人生はまだまだ続くんだから。

  • 「犬がいた季節」など最初に読んだ数冊が良かったので読み始めた伊吹さんだが、その後これと云うものに当たらない。この作品も悪くはないんだけど、どうも登場人物たちに共感できる場面が少なくてその世界に入り込めないどころか、入りたくない世界になってる。ネガティブが多いんだよなあ・・・

  • 主人公・立花浩樹めぐる人たちを描く7つの連作短編集。
    タイトルが示すように一種の再生の物語ですが、挫折が十分に描かれていないせいだと思いますが、どこかサラリとした軽さを感じます。
    個々の再生の物語と思っていたのが、最終章でひとまとめにしてしまうのは面白く、力強さを感じるのですが、その為にも真ん中の一編「甘い果実」は無い方が良かったように思います。他の編とのつながりも弱く、再生というより一時的な逃避のように見えますし。また「ボーイズ・トーク」の岡野の扱いもどうかな。彼の問題は家族との乖離だと思うのですが、むしろさらに離れる方向になっているようなのですが。
    とはいえ、伊吹さんらしい優しい話でした。

  • お母さんに宛てたお手紙、「ついてない時期は、抜けたようです」はよかった。
    ダメな時って何をやってもダメで、もうこの先いいことなんてないんじゃないかって思い込みがちだけど、抜けることもあるんだものね。
    そう思えたらちょっと楽になるね。

  •  うーん、主人公のカメラマンの才能がありすぎ、芋づる式に凄い仲間と出会いすぎ。
     まあ、才能があってもうまくいくとは限らない。ちょっとした変化で、人生って変わるんだよって事なんだろう。
     そのちょっとがないんだけどね。

  • 連作短編集。
    若い頃、テレビでネイチャリングフォトグラファーとして世間の注目を受けていた立花浩樹。バブル崩壊と押し付けられた借金の返済に追われ、返し終わった時には、四十代でパチンコに通う冴えない日々。
    母親から頼まれて写真をとり、忘れていたカメラを構える喜びを知り、上京してシェアハウスに住み込む。そこで、同じ人生に敗れた人達と出逢い、何が変わっていく。
    ワイルドカード、人生にも敗者復活戦のようなものがあれば良い。

  • 出会う人出会う人が何かをもたらし、縁となり、仲間となり、生きる糧になる。
    「ちょっと、ついてない」じゃなく、この本の中ではとても「ついている」。(笑)

    才能ある中年たち(若者も)がもう一度輝こうと奮闘する。

    伊吹有喜氏の本は初めて読んだ。読みやすくて面白いストーリーだったけどもう少し惹かれるものが欲しかった。

    最後に書き残しておきたい一文を。
    【あの頃の自分は何を望んでいたのだろう。そして今は、何を欲しているのか。
    二十代の頃と変わらぬ答えが浮かんできた。その他愛なさに、少しだけ涙がにじんだ。
    どこへ行くのだろう。行き先はわからないけど、今、ここにいる。
    そして願えばきっと、どこにでも行ける。】

著者プロフィール

1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。出版社勤務を経て、2008年「風待ちのひと」(「夏の終わりのトラヴィアータ」改題)でポプラ社小説大賞・特別賞を受賞してデビュー。第二作『四十九日のレシピ』が大きな話題となり、テレビドラマ・映画化。『ミッドナイト・バス』が第27回山本周五郎賞、第151回直木三十五賞候補になる。このほかの作品に『なでし子物語』『Bar追分』『今はちょっと、ついてないだけ』『カンパニー』など。あたたかな眼差しと、映像がありありと浮かぶような描写力で多くのファンを持つ。

「2020年 『文庫 彼方の友へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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