- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334910839
感想・レビュー・書評
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良かった~!
人生のどん底にいた写真家が、この先をどう生きるのか模索する。
同じような男達女達も加わり、中年の哀愁漂う中の話がとても味わいがある。
夫々が捨てられないものを持ちながら、今の時代に生きていこうとする最後はとても心地よかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔は良かったのに...と思っている人には、希望が湧いてくる本です。
連作短編で、一人の人物がいろいろな角度から描かれているので、受ける印象が変わってくるのも面白いです。
ちょっとしたきっかけで人生は良くなるんだなとしみじみ思いました。 -
「今はちょっと、ついていないだけ。そのうちいい運がやってくるよ」
母から言われた言葉。
背中を押されたような、救われたような言葉。
羽化の夢、涙が出ました。 -
49日のレシピの作家さん。
アラフォー世代の再生物語り。
心にすぅっと沁み入って前向きな気持ちになれる読後感。
言葉の描写だけで景色が浮かぶ。
フォトグラファーが主人公なんだけれども、
その写真が目に浮かぶ。
ー見た事がない景色は日常の中にもある。それを記録して伝える喜びを、僕はこの一年かけて知りました。
自分自身の過去を受け入れられずにもがき続けている主人公。でもその過去はそんなにも否定し続ける必要のあるものなのか。受け入れる勇気を持ち、そこから再生していく。
そのまわりの登場人物との化学反応。
しみじみ良かった。
大事な人が少しつまづいている時に贈りたい1冊。
2016年 3月 光文社
装幀:大久保伸子
装画・カット:吉實恵 -
人生なんて何があるか分からない。でも同じくらい、ほんのわずかのきっかけで色んな方向へと変わってしまう。
今はちょっと、ついてないだけ。素敵な題名です。前向きに頑張ろうと思えるお話でした。 -
タイトルの「今はちょっと、ついてないだけ」
本当にそうだといいな、そう思いながらこれからも頑張れるかなと思わされました。コツコツと真摯に生きている人が少しでも報われる世界であって欲しいです。そして母親の存在がなんとありがたい…とか、人はしっかり向き合ってみないと分からないとか思いながら、たくさん力を貰えました。 -
「今はちょっと、ついてないだけ」
絶妙なタイトル。
このコロナ禍でしんどい世の中にも
そっと寄り添ってくれるような
大人の物語。
大人になるって切なくて、楽しいね。 -
今年の春からハマっている伊吹有喜さん。
2008年に「風待ちのひと」でポプラ社小説大賞特別賞を受賞したのをきっかけに2009年に小説家としてデビューした。
その後発表した「四十九日のレシピ」「ミッドナイト・バス」は映画化され、「四十九日のレシピ」はNHKでドラマ放映されたらしい。
かつてネイチュアリング・フォトグラファーとして脚光を浴びた立花浩樹を軸に、失意を抱えた周囲の人々を描く連作短編。
浩樹は連帯保証したため膨大な借金を抱えてようやく完済した。今後の目標もなく怠惰に過ごしていた時、母親に背中を押されて東京へ。
再起を目指してシェアハウスで暮らすようになる。
妻の実家の敷地内に家を建てて住む男、宮川が家を出たのは、妻の両親と自分たち家族がハワイに行っている時に届いた実母の訃報がきっかけだったかもしれない。
口下手で仕事が続かない女性。恋愛がうまくいかず、お見合い写真の撮影を頼んできた来た女性。浩樹の大学時代の友人。
それぞれが色々な事情や失意を抱えているが失意の描写は少なく、物足りなく感じる人もいるだろう。
けれど温かくほんわりと感じられるのは浩樹と宮川の性格によるものかもしれない。
行間から流れる温かさに癒される。
2020年『雲を紡ぐ』で第163回直木三十五賞の候補にあげられて、楽しみな作家さんだ。 -
この本はまだ読んでないと思って読み始めたら、???なんかこの話知ってる?ってもうよんでたー!でも面白かったから改めて読んだった。
それぞれが人生を再スタートしていく。人間同じところに留まって居る方が楽だけど新しい可能性に挑戦することができたら素敵だな。