ポイズンドーター・ホーリーマザー

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 1610
レビュー : 247
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910945

感想・レビュー・書評

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  • 言葉って本当に要るのだろうか。

    全く言葉が通じない外国の人とか、
    種が違う動物とか植物とかの方が、
    わかり合おうと距離を縮めようと
    気を遣い努力をする。

    近くにいる方が遠い。
    自分の想いも相手の想いも全くかすらないほどに
    見事に交わらない。

    この本の前に読んでいた物語にも
    自分の中のバケモノを見せつけられ
    この物語でも自分のバケモノの肥大化を
    思いっきり見せつけられてます。

    来年の私のテーマが自分の中のバケモノの扱い方
    …なのかも知れませんね。

    悲しいです。みんな違っていいのですが、
    これだけわかり合えないのが人間なのでしょうか。
    やりきれない気持ちでいっぱいです。

  • このドロドロした感じが読みたかった(笑)
    願わくば短編でなく長編だとなおよい。
    人間のドロドロした感情というか
    悪い方に考えている、というのが
    ありそうでゾクゾクします。
    皆がこんな風に考えてたら
    世界は戦争ばっかりになるだろうなぁっていう
    嫌な感じ。
    読み物だから楽しめる。
    読みすぎたら毒されそうなので
    ほどほどに読みたいです(笑)

  • 母と子の関係って何だろう?
    私も母親が苦手だった。多分それは今でも変わらない。
    だけど毒だとは思った事がないかも。だからきっと普通に幸せだったんだ。

    短編集の中で「罪深き女」と「優しい人」に気持ちを鷲掴みにされた。
    人って言葉にしないとやっぱり何が本当かわからない。
    勝手に想像して、それを現実だって思っちゃいけない。
    そこをうまく描いてて凄い「罪深き女」。

    頼まれたら断れず、誰にでも愛想良く親身に優しくしてると、
    何でもやってくれる、何でも聞いてくれるって感じで、たまに反論すると「え?なんで?」って思われる。
    とにかく殺された奴が悪いのに、そこをわかってもらえない。繊細で危うい心の襞を本当に湊さんはいつも上手に描いてる「優しい人」。

    湊さんの心の中を覗いてみたい。

  • 読んでいるうちに、わからなくなってくるのだ。
    『優しい人』ってなんだっけ・・・?
    自分の中の優しさや正義の定義が
    グラグラと揺さぶられる短編集でした。
    さすが湊かなえさん、人が普通に持っている
    自己正当化の上に成り立つ正義感や、甘ったれた自己憐憫を
    小気味よく、でも少々意地悪にバッサバッサと切り落としていきます。

    人付き合いですべて正解を出せる人などいないように、
    親だって子どもとの接し方の正解を知らずに
    手探りで育てている。
    最近の『毒親』という言葉を聞くたびになんとなく感じていた違和感の正体を見せてもらった気がします。
    人間は優しくも正しくもない生き物ならば、
    自分は自分として
    出来る限り人に迷惑をかけないで生きていくしかないんだろうな。

  • まだ読み途中なのに感想を書いてみるのは初めての試み(笑)

    会社の方から貸して頂いた短編小説。

    【優しい人】
    「世の中は、全体の一パーセントにも満たない優しい人の我慢と犠牲の上において、かろうじて成り立っているのだと思います。そして、これだけは断言できます。あなたは優しい人じゃないーーーーー。でも、それは決して悪いことじゃない。」

    もう、本当にツボ。
    ドツボ。
    優しいって、そういうことなの!?
    少しだけ自分と一致する部分を感じてしまった(^_^;)


    【マイディアレスト 】
    六歳年下の妹を可愛がり、自分には辛くあたる母。

    あの夜のことを私に訊いても
    ーーー蚤取りをしていました。

    面白い!
    妬み、僻み、女の恨み!
    もう何なの!?これ??
    一話目からこれ!
    一日中読んでいたい!!
    仕事辞めて読書に没頭したい!

    本当大好き。このダークな小気味良さ(*^^*)


    そんな気分のまま残り二作はまた明日、、、


    読了!
    最後の二作はあまり自分好みではなかったが、前半はなかなかツボに嵌まって良かった(*^^*)

    女なら分かる気持ちが満載。
    本当に上手だなぁ、ストーリー作るのが。

    面白かった!!満足!!

  • THE湊かなえ、という感じの6編の短編集。

    何がやさしいなのか、
    守ることと規制すること、毒か薬か
    与え方、捉え方、
    消化の仕方でどんどん変わる。

    私は母のような親になりたいと思ったけれど、
    それが娘にいいことかどうかはわからない。
    毒と出るか薬とでるか
    毒にも薬にもならないか。。。
    たぶん、ずーっとわかんないこと。

    ずんずん入ってくるかんじで、
    心が湊色になったので
    次は違う色を入れるとしよう。

  • 直木賞候補作品だったので久々にイヤミス女王の作品、図書館で予約してました。

    イヤミスというジャンルがあまり好きではないのですが、それ以前に内容が薄くてびっくり。
    短編集だから仕方ないのか?

    例えば表題作は、母と娘、それぞれの立場からの視点で綴った連作短編でした。
    事実は一つではなくて立場によって感じ方が違うのね、と言いたいのかなと思ったけれどそれよりは、母が毒親と思っていたら次の章を読んでびっくり、娘が毒娘だったのか!という納まり方を狙ったもの、だったのかな。タイトル読むとそんな感じだよね。
    でもさー、気持ちの押し付け合いを見せられているだけで不快、というよりは薄っぺらくて・・・退屈でした。

    湊さん短編向いてないよ。

  • 平成28年上半期直木賞候補作品。短編集。6編。
    自分が思っている自分と他人から見た自分が、どれほど違っているのかを湊さん得意のイヤミスで描く。
    ほぼ母と娘の確執が生む話になっている。もちろん自分が親になってから分かる親の気持ちもあるのだが・・・
    良くも悪くも、安定した湊さん節。

  • +++
    湊かなえ原点回帰! 人の心の裏の裏まで描き出す極上のイヤミス6編!!
    私はあなたの奴隷じゃない! 母と娘。姉と妹。男と女--。ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末。あなたのまわりにもきっといる、愛しい愚か者たちが織りなすミステリー。さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!!
    +++
    「マイディアレスト」 「ベストフレンド」 「罪深き女」 「優しい人」 「ポイズンドーター」 「ホーリーマザー」
    +++

    人にはさまざまな顔がある。表に見せる顔がすべてではなく、人には見せない部分にこそ本当の顔を隠し持っていると言ってもいいだろう。そんな人間の裏側の顔を覗き見るような物語たちである。ただ、それは一面的なものではなく、悪だと思っていると、ちょっと視点を変えるだけで景色ががらりと変わることもあるので注意が必要なのである。人の裏表が描かれていると同時に、ひとりの人から聞いた話だけで判断することの危うさにも気づかされる。ハッピーエンドはなく、どれも厭な気分にさせられる物語ばかりだが、自分の裏側を見せつけられたような気もして、主人公たちを嫌いにはなりきれない一冊でもある。

  • 私は、あなたの奴隷じゃない!
    母と娘。姉と妹。男と女…。
    人と人の心の裏の裏まで描き出す極上のイヤミス6編の短編集。

    ・マイディアレスト
    ・ベストフレンド
    ・罪深き女
    ・優しい人
    ・ポイズンドーター
    ・ホーリーマザー

    姉と妹。友人同士。男と女。そして母と娘。
    湊さんらしく最初からゾワッとさせられました。
    どのお話も、同じ出来事や同じ人の事も見る人や立場によって、
    こんなにも違って見えてるんだって痛感されられた。

    「ポイズンドーター」…女優の藤吉弓香は、子供の頃から自分を
    思い通りにコントロールしようとする母親に苦しめられてきた。
    友人選び・異性関係・進学から就職まで何から何まで口を出され、
    ストレスから頭痛になる程だった…。
    弓香の独白なので、〝毒〟は娘じゃなくって母親なのではないかって思った。
    「ホーリーマザー」…弓香の親友の理穂や弓香の母の友人でもある
    理穂の姑の視点から描かれてる。
    やはり、同じ出来事や学生時代の思い出も弓香の記憶と違ってる。
    母親の印象も全く違って見えてくる。
    うーん、まるで弓香が勝手な思い込みで真実は全く異なるかのように描かれていましたが、
    確かに弓香のした事は酷いし、他人から見ると浅瀬で大袈裟に溺れている様に見えるけど、
    理穂の行動や言葉には共感出来なかったなぁ。
    マリアの母親の様に、本当にどうしようもない毒母もいると思いますが、
    母親との関係に苦しんで苦しんて苦しみ続けている人がいる。
    それは、他人が苦しみの度合いを測れるものでもないと思う。
    人の悩みは比較できない。
    一人一人全く違う母と娘の関係だと思ってる。
    毒母と感じるかどうかは、娘の受け止め方次第って所もあるんじゃないかなぁ。
    完璧な母親も完璧な娘もいないって思う。

    誰にでもある、思い違いや、すれ違いや、誤解…。
    言葉にしないと伝わらない事って多い。
    立場や見方が違えば何が正しいのかわからなくなってしまう恐ろしさ。
    言葉にして伝える努力をしなきゃいけないって凄く思った。
    少し批判めいたレビューになってしまいましたが、
    人の心の奥の奥までえぐり出して負の感情をこれでもかって描いてる。
    じわっとする心地悪さ。湊さんらしい作品でした。
    ふーっ、やっぱイヤミスは読んでてしんどい…。
    でも、やっぱ湊さん好きなんだなぁ~読まずにいられない( *´艸`)クスクス☆

    • しのさん
      katatsumuruさん★
      コメントありがとうございます (*´ー`*)
      とっても嬉しいです♪
      読んでる本が結構被ってるのは、読み...
      katatsumuruさん★
      コメントありがとうございます (*´ー`*)
      とっても嬉しいです♪
      読んでる本が結構被ってるのは、読みたい本が一緒って事でとっても嬉しいです。
      そうですよね~同じ本を読んでもひとりひとりそれぞれの感想って違ってて、そこがまた面白いですよね。
      また、同じ様な感想を抱いてる方がいるとそれもまた嬉しいという変な感情(笑)
      湊さんの作品は最初の作品に衝撃を受けて以来、読んで嫌な気持ちになる作品も多いのですが読まずにはいられません。
      数少ない読破してる作家さんです。
      やっばり、大好きな作家さんなのですね。
      この本のレビュー楽しみに待ってますね。
      私も変わらず訪問させて頂きます。
      私はレビューを書くのがとっても苦手で上手く纏められなくて恥ずかしいのですが、訪問して読んで下さると、とっても嬉しいです。
      これからも宜しくお願いします
      2016/09/29
    • katatumuruさん
      やっと、この本を読む事ができました。想像していた以上に面白かったです。あまりに面白かったので、惜しんでチビチビ読んでしまいました(^-^;
      ...
      やっと、この本を読む事ができました。想像していた以上に面白かったです。あまりに面白かったので、惜しんでチビチビ読んでしまいました(^-^;
      読み終えてから改めてしのさんのレビューを拝見したら、優しい感想だと感じました。
      人の心の奥にあるものを抉り出すように書かれている作品だからこそ、人の奥にあるものを引き出せる作品だったのかな~と思います。
      2016/11/10
    • しのさん
      こんばんは♪
      いつもコメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
      おぉぉぉ~読まれましたね♪
      うんうん、読み終えるのが勿体なくっ...
      こんばんは♪
      いつもコメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
      おぉぉぉ~読まれましたね♪
      うんうん、読み終えるのが勿体なくってゆっくり読んでしまう気持ちスッゴク良くわかります(#^^#)
      えーっ、私の感想が優しい感想だと感じて下さったのですね。
      少し非難めいた事も書いてしまったのですか…(;'∀')
      優しい人柄の様に感じて下さってとっても恥ずかしい様な…でも嬉しいです(*'▽')
      2016/11/12
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プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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