ポイズンドーター・ホーリーマザー

著者 :
  • 光文社
3.43
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本棚登録 : 1884
レビュー : 288
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334910945

感想・レビュー・書評

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  • 毒親についてかと思ったけど、
    伝えたかったのは
    なんでも毒親のせいにする風潮も
    どうかと思う、ということらしい。

    でも、ホーリーマザーを読んで
    やっぱりそれはちがうと思う。
    弓香の母親は毒親だと思うし、
    浅瀬で溺れてるっていうのもちがう。
    そもそも子どものために、
    じゃないのが毒親だし。


    みんな自分の解釈で
    生きてるんだなぁ、と感じる1冊。

  • 読んでいるうちに、わからなくなってくるのだ。
    『優しい人』ってなんだっけ・・・?
    自分の中の優しさや正義の定義が
    グラグラと揺さぶられる短編集でした。
    さすが湊かなえさん、人が普通に持っている
    自己正当化の上に成り立つ正義感や、甘ったれた自己憐憫を
    小気味よく、でも少々意地悪にバッサバッサと切り落としていきます。

    人付き合いですべて正解を出せる人などいないように、
    親だって子どもとの接し方の正解を知らずに
    手探りで育てている。
    最近の『毒親』という言葉を聞くたびになんとなく感じていた違和感の正体を見せてもらった気がします。
    人間は優しくも正しくもない生き物ならば、
    自分は自分として
    出来る限り人に迷惑をかけないで生きていくしかないんだろうな。

  • THE湊かなえ、という感じの6編の短編集。

    何がやさしいなのか、
    守ることと規制すること、毒か薬か
    与え方、捉え方、
    消化の仕方でどんどん変わる。

    私は母のような親になりたいと思ったけれど、
    それが娘にいいことかどうかはわからない。
    毒と出るか薬とでるか
    毒にも薬にもならないか。。。
    たぶん、ずーっとわかんないこと。

    ずんずん入ってくるかんじで、
    心が湊色になったので
    次は違う色を入れるとしよう。

  • それぞれの主観によって綴られる短編集。
    手法としては湊かなえらしい、と言う印象。
    視点を別にして同じ人物について語られるから、片方の人の話を聞いて全てを鵜呑みにしてはいけない……と、良い教訓になる。

  • 後味の悪さはこの人しかいない!湊かなえ節が炸裂。読んでいて、読まなければよかったと思いながら、また次のよう作品も読んでしまう。麻薬みたいな作家。一つ一つのの短編が感情移入できてしまう。

  • *湊かなえ原点回帰! 人の心の裏の裏まで描き出す極上のイヤミス6編!!
    私はあなたの奴隷じゃない! 母と娘。姉と妹。男と女--。ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末。さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!! *

    湊さんらしい安定のぞわぞわ感、たっぷり堪能しました。この方の真骨頂は、見る角度によって全く違う真実があぶり出されるところ。その鮮やかな反転に今回も脱帽。

  • 『山女日記』『山猫珈琲』で作風が変わったかと思いきや、しっかり湊ワールド復活。
    客観的事実と、自分にとっての真実とは違うものなのですね。

  • ペアで表題作になっている2編を含めた6編の短編集。
    世間体を気にし、周囲に迎合し、自分の意見を押し付けるような言動、そしてそれに傷ついても飲み込んでしまうところ、そんな人のダークさを見せつけられる。
    どんでん返しのネタバレにも、どこか予想の範囲という感じだし、やられた感も、もちろん爽快感のかけらも感じることはない。
    モノローグ、主観の危うさが印象に残った。
    17-5

  • 母と娘。姉と妹。男と女。ままならない関係、鮮やかな反転、そしてまさかの結末…。人の心の裏の裏まで描き出す、極上のミステリー全6編を収録。

    「鮮やかな反転、まさかの結末」は確かにその通りで、湊かなえらしいイヤな感じも健在。ただ登場人物たちに「どうしてそんな風に感じる?」と共感できない点がいくつもあり、「物語を創るために人物を無理に造形した感」も、湊作品のいつも通りだった。
    (C)

  • 良かれと思って人にしたことが有り難がられるどころか、迷惑だ・害悪だ・押さえつけられられていた、と言われたら自分ならどう思うだろうか。
    大小はあるが、きっと誰の人生にもどの局面にも潜むこの恐さ。
    こういうのを描かせたらこの人は上手いと思う。短編でもその恐怖を感じられるのだからすごいのだ。
    最近では母娘を扱うテーマのものを自然と自分にあてはめてしまうことも多くなった。
    そしてふと我に返り気が付く、私が母親にしたことはこんなにも酷いことだったのかと。

著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

湊かなえの作品

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