戦国24時 さいごの刻(とき)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911171

感想・レビュー・書評

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  • 豊臣秀頼、伊達政宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康。
    6人の戦国時代の英雄の最後の24時間、もしくは非常に大きな転機となった24時間のみに焦点を当てて描いた小品集。
    歴史上、あまりに有名な武人たちの、そしてその彼らのあまりにも決断の意味や、その姿を大胆に切り取って描いている。
    そのため、武将の有名だけどかったるい幼少時のエピソードや、様々な(長ったらしい)駆け引きなどが出てくる余地はない。
    あくまでも、勝負は24時間。
    歴史小説の面白い所だけ抜き取った、この短編集。
    歴史好きの方も、歴史物があまり得意でない方も面白く読めると思う。

    でも、歴史小説は、時代背景やらそのときの全国的な情勢、それに幼少期からのエピソードなども、知っていた方が、より楽しめるとは思いますけどね。

  • 豊臣秀頼、伊達政宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康。
    殺し殺されるまでの、ラスト24時間を描いていく、短編集。
    歴史的事件までの経過を描くだけでなく、ひとひねりあって、面白い。
    その点で「お拾い様」が一番。
    短い中にも、葛藤や思いなど、人間性が感じられる。

  • なんだかTVのタイトルみたいだけど物語の内容は武将たちの死に様を描いたもの。短編集なので読みやすかった。

  • 木下昌輝先生の小説は毎回楽しみにしている。
    クライマックスが自分が予想していたものとはいつも違う結末を迎えるいい意味で期待を裏切ってくれる(//∇//)怖いが面白い躍動感ある筆致。
    6編それぞれ面白くドキドキした。木下先生に踊らされた 笑笑
    6編の中で1番好きなのは伊達政宗の『子よ、剽悍なれ』政宗と父輝宗の関係を見直した。また輝宗のイメージが変わった。火縄銃に、そういう仕組みがあるのも驚いた。

  • おもしろかった。
    歴史モノは最初からネタバレしているのが宿命だが、それを逆手にとった話づくりがよい。
    「お拾い様」のオチは、思わずうなってしまった。鮮やか。
    ラストの「さいごの一日」は、この形式で短編を連ねた最後を飾るのにふさわしい構成。
    そして、最後の一行が本のタイトルにかかっている見事さ。

    一話完結の短編集なので、忙しい人でも一日一話、寝る前に楽しむことができるのもいいですね。

  • 豊臣秀頼、伊達政宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康。
    死の24時間前から話は始まり、死によって話は終幕を迎える。
    斬新なアイディア。
    オリジナルストーリー。
    木下昌輝、改めて天才ではないかと思った。

  • 戦国武将が死ぬまでの24時間を切り取った短編集。
    死を前にしたそれぞれの生き様死に様が描かれていて面白い。
    死から24時間逆算していく手法が目新しい。
    作者の卓越した想像力、創造力を駆使して、
    読む者を惹き付ける。
    特に伊達輝宗と足利義輝が良かった。
    木下氏のストーリーテリングにはいつも眼を見張る。

  • 戦国を彩る士の死の直前の24時間を時系列に沿って丹念に描いている。なかなか面白いけど、途中結末が見え隠れして、盛り上がりに欠ける感があるが、さくっと読むには悪くない。

  • 豊臣秀頼、伊達政宗、今川義元、山本勘助、足利義輝、徳川家康。戦国時代を生きた6人の武将たちそれぞれの最期の24時間を描き出す。

    一生のうちのたかだか24時間なれど、その人間の一生分以上の人生が注ぎ込まれているのではないかと思わされるような濃密な最期の24時間。いずれも結末が分かっているはずなのに、一体どうなるのかと手に汗握る緊迫感で、全話とも面白く読ませていただいた。その中で第一話の「御拾い様」が秀逸。あまりに予想外の結末に、これが真実だったら、と思うと、ゾクゾクと心底から震えが。それと、「公方様の一の太刀」。足利義輝好きな私としては、涙モノ。こちらは予想違わずの格好良さで、更に惚れ直してしまった。

  • 戦国武将の最期の 24 時間を描いた短編集.詰め将棋のように,最期に死ぬことが分かっているが,その分,出だしから駆け引き無しの戦闘モードで緊張感が漂う話ばかりだった.

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著者プロフィール

1974年奈良県生まれ。2015年デビュー作『宇喜多の捨て嫁』で高校生直木賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、19年『天下一の軽口男』で大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で野村胡堂文学賞、20年『まむし三代記』で日本歴史時代作家協会賞作品賞、中山義秀文学賞、’22年『孤剣の涯て』で本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。近著に『応仁悪童伝』がある。

「2023年 『風雲 戦国アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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