- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334911256
感想・レビュー・書評
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バツイチアラフォーと乙女なゲイとの2人が、人生の寂しさ回避について本音と本音をぶつけ合う。
そんなフラットメイトの迷コンビがリッチマダムな富裕層に立ち向かっていく様は、もう勇ましくすらある。元気もらえる。Iは面白かったけどⅡでさらに円熟を増した感。
高殿さん作品は、登場人物同士のハイスペックすぎる会話に喰らいつくだけで必死になる。だけど、憧れる。自分にはないものに共感できてしまう不思議さを感じる。ゆるやかな上昇志向とでも言うか。
こんなに高回転で話ができる相手って、それだけで信頼してるってことだよねーとか、妙にニマニマもできる。
今回さらに、仕事としての楽しさを一切見出せない(私見)営業について、深い洞察を導き出している。
── いわゆる一つ上のポジションを狙ってるオジサンたちが困るんだわ。彼らは成功したいわけではない。失敗したくないだけなのだ
── 会話もしたくない相手からは何も買わない。会話ができないのは成績に自信がないから。手堅く売れるものしか置かない。つまり遊び心がない(要約)
失敗はしたくない。遊び心がない。じゃあどうすればいいの?というところに対し
── 結局は人生を楽しんでいるかどうかじゃないのかな。人の魅力や人生の厚みは会話に出る。それがサービス業の真髄─
もうバサーっと袈裟切りされた感じがした。それそれ、40代半ばも過ぎて浮上した人生楽しんでない疑惑。手堅く生活しちゃってる。厚みのある会話できる人が羨ましいよ!
─日本人が日本に居続けるように、上流階級の人は生まれつきそこにいるだけ
妬むつもりはないんだけど1巻に出てきた「教養」という言葉は、最低限身につけておきたいなぁと思った。
逆にその方が、人生を本当に楽しめるような気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
富久丸百貨店外商部Ⅱ
前作がとても面白くて、続編が出るのを楽しみにしていました。
今回も面白かったです。
アラフォー、バツイチ、あいかわらずパワフルな主人公・静緒。
彼女のお仕事に対する、常に前向きな姿勢が好き。
桝家との同居も意外なほどうまくいっていて。
だけど、桝家=トイプードルって…(笑)
今回はそんな桝家のマイノリティゆえの悩みも。
別に結婚しなくても、いい相棒でいられたら、そのままでいいのにね。
それにしても、ヤクザ相手に一歩も引かない静緒がすごい!
続編がますます楽しみ。
「外商さん」の心意気、また見せてほしいです。
余談ですが、
子供の頃の日曜日、百貨店は一番の”おでかけ”の場所だった。
本書で静緒がたとえているように、「宝石箱」そのものだった。
両親に連れられ、少しよそ行きの服を着て、屋上の遊園地で遊び、大食堂でお子様ランチを食べる。
ご機嫌で帰宅するも、「サザエさん」を見て、
明日は月曜日だと、ちょっぴり憂鬱になったりして…(笑) -
前作が面白かったので今回も期待。そして期待通りの面白さ。静緒とお客さまの関係も良好になってきていて仕事ぶりを見るのも楽しい。桝家の生い立ちや実母とのやりとりも興味深いし、静緒と桝家の距離感もいい。
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バツイチ独女とLGPTのセレブ男子の二人の外商員が奮闘する、エンターテインメントお仕事小説の第2弾❗
前作が予想以上に面白かったので、続きを読みました。前作よりも夢中になって読み進めましたが、読後は少し『上流階級』ロスに陥ってしまいました。高殿さんは、『トッカン』シリーズが代表作品かなぁと思っていましたが、本書も中々侮れません❗いつの日か続編を描いてもらいたい、オススメお仕事小説です♫ -
以前単発ドラマを見て面白かったので連ドラにしてほしいなぁと思っていた作品。
静緒役が竹内結子さん、桝家が斎藤工さんだった。
もう見れないと思うと本当に寂しい。
竹内結子さんの訃報を聞いてドラマを思い出し、続編が書籍になっているのを知って読んでみた。
静緒役の竹内結子さんはイメージぴったり!
女性が好きな、強くて男にこびずに自分で生きていく女性だと思う。
アラフォーバツイチ子なし、バリバリ仕事してるけど時にトラブル(外商さんだけに高額なトラブル!)に巻き込まれ、男の嫉妬にあい、奮闘し、たくましい。そしてものすごく生きる力がある。
だから上流階級のお客さまにも助けられるし、お客さまも静緒の魅力にあやかりたくなるんだろう。
実社会で静緒みたいな人がいたら、それはそれは男の嫉妬にあいまくって早々に潰されそうだけどね。
孤独がちらつく年になってきて、同じくマイノリティーに属する桝家と社会で生きやすくするために形だけの結婚という道もなくはないけど...でも...という苦しい感じがよく伝わってきた。
前作も忘れてしまったので読んでみよう。
桝家がゲイとは知らなかったし!ドラマではカットされたのか? -
前作に引き続き、主人公は鮫島静緒。
それに加えて当初は嫌味な感じが漂っていた枡家修平の物語も並行して進められていく。
一般庶民としては、「ひゃー、お金持ちの家って大変!」というなんとも情けない感想が一番に出てきてしまうのだが、見栄や家柄、そんなものに縛られてしまうことの辛さもあるのかもしれない。
本作では、桝家の実の母、四季子の存在が大きい。
登場回数はそれほど多くはないが、何故彼女が、家をシェアする静緒と桝家の家に突然やってきたのかが最後に明かされる。
家のために冷たく実施を切り捨てたのはなぜだったのか。
そして、桝家のアイデンティティを彼女がどう考えていたのか。
うまくいくことばかりではないが、「受け入れる」ことと「親」が本作の主題であろうと思う。
最後に、訳ありな女性、美谷珠理。
彼女が得たのは「自由」。
愛とか恋とか、そういったものは良くも悪くも人を縛る。
印象的だったのは、彼女が乗った新幹線「自由席」。
作中でも触れられているが、含みのある、物語だ。
受け入れることと自由は同義語だ。
また、どこかでこの外商員たちと会いたい。 -
外商、というものにお世話になることはきっとこの先もないと思うから外商ってこんなこともするの?って思いながら読みました
お客様がとことんまで湯水のようにお金を使うからちょっと爽快だけれど、今回は生きずらい社会について描かれていることが多め
こんなに仕事に情熱を注げるのも、幸せだよなって思います -
まず二巻目から読んでしまったので、人間関係が読めなかったのが残念。
でも、百貨店外商部が生き生き描かれていて面白かった。