- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334911379
感想・レビュー・書評
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山形県を舞台に、元警察官でシングルマザーの探偵・椎名留美が活躍する、六編の連作短編集。山形言葉での会話のやり取りが新鮮に感じられた。著者お得意(?)の疾走感溢れる内容で面白かった。
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普通に面白かったー
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地方の元女性警官の探偵の話。こういう話もありだけど、構図が八神瑛子シリーズと同じで新鮮さは無いな。
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著者の生まれ育った山形を舞台にした小説は、不思議な香りがする。同じような田舎育ちだからかもしれないが、好意と嫌悪が混じった不思議なニオイだ。片田舎の複雑な人間関係が交錯する舞台で、商売でなく真実を求めて止まない、元警察官の子持ちシングルマザー探偵。悪徳へのハードルが物凄く低い田舎で、必死に踏ん張りながら東北人らしい粘り強さとウォームハートで事件を解決していく。スゴく魅力的だ。また、腐れ縁で時々相棒の逸平も、田舎のヤンキーらしく純情さも描かれていて、こちらも劣らず魅力的。
スゴイ!と大声で言う作品ではないが、そこはかとなく気になる良作だ。都会生まれの人には深いところで届かないかも。 -
椎名留美、30代後半、元警察官、夫も警察官で殉職、シングルマザー、4年前から探偵(便利屋)を。パチンコ店の並び代行、サクランボ収穫の手伝い、デリヘルの女の子の送迎、雪掻き、たまに浮気調査や素行調査・・・。山形弁丸出しで、アナログかつ強引な手法。でも、後ろには強面の伝説の番長と警察が。深町秋生 著「探偵は女手ひとつ」、2016.12発行、連作6話。面白かったです。続編があると嬉しいです。
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続きがあったら読みたいです。
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はじめは慣れない方言に読みにくさを感じたが、読み進めるうちに、方言だからこそリアリティが感じられことに気づき、すっかりのめり込んで読んでしまった。
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これがミステリーか?
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20190212-16頑張ってんなー。これシリーズして欲しい!情けない男がシュンとする。貧乏だけど矜持は捨てないってカッコいい!
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ミステリ
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30代後半でシングルマザーの私立探偵、椎名留美を主人公にした短編連作。本書には6編が収められている。
作者の地元・山形を舞台にしており、飛びかう山形弁がいい味出してる。
探偵の仕事がしょっちゅうあるわけではないため、留美は半ば「便利屋」と化している。さくらんぼの収穫手伝いや雪かき、パチンコ屋の開店待ち並び代行など、なんでもやって自分と娘の生活費を稼ぐのだ。そうした設定がリアルでよい。山形あたりには、現実にもそんな探偵がいそうな気がする。
「便利屋」的仕事の合間に探偵としての調査依頼がきたり、「便利屋」仕事が縁となって探偵仕事が派生したりする……という感じのストーリー展開である。
留美は元刑事で、やはり刑事であった夫が殉職したことから、生活のために探偵を始めたという設定になっている。
夫を亡くした女刑事というと、深町の「組織犯罪対策課八神瑛子シリーズ」を思い出すが、本作はあのシリーズほどハードタッチではなく、もっとほのぼのとしている。
各編とも、ラストには事件の謎解きがなされるミステリ仕立て。ただし、ハードボイルド系の小説だから、謎解きの面白さは主眼になっていない。
本作の価値はむしろ、登場する人々の生活が確かなリアリティで描かれている点にある。
さくらんぼ農家の苦労、雪かきの大変さ、スーパーで万引きする独居老人の孤独etc……。ハードボイルド小説としては例外的なほど、濃密な生活感が全編に満ちているのだ。
深町秋生作品にしては薄味な気もするが、そこそこ楽しめるし、連続テレビドラマにしてもいい気がする(話が地味なので映画には向かないだろう)。 -
シングルマザーで、元刑事の女探偵が主人公。舞台が山形にある地方都市で、最初から最後までバリバリの方言しかないのが新鮮。殺伐とした事件を颯爽と解決かと思いきや、サクランボの摘み取りや雪下ろしに明け暮れる主人公の姿が見られるのも、舞台が田舎都市ならではか。大きな事件から小さな事件まで、連作短編でまとめられていて一つ一つ面白かったのではあるが、主人公自身のプライベートがまだまだ描き切れていない感じ。シリーズ化されて、もう少し描き出してくれることを期待します。
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「探偵は女手ひとつ」というタイトルも、なんと面白そうじゃありませんか。
タイトルばかりでなく、中身も保証モノ。
まず、なんといっても、会話がオモシロイ。山形弁まるだし。「ちょっと、寄っでぐが」とか…。
これまでの女探偵といったら、イイ女がスーパーヒーローばりの活躍をするものが多かったけど、子持ちの地方のオバサン(元刑事だけど)が、地域特有のさまざまな事件に首を突っ込んで、解決していく。
実に痛快で、あ~、読んでよかったと、思える作品なのであります。
探偵といいながら、普段依頼されるのは、雪かき、サクランボの収穫といった便利屋風の仕事ばかり。
そんな依頼の裏にも、ハードボイルド的な匂いのする事件が隠れている。
地域に根付く、子持ちの女探偵モノ。
とにかく、人としてカッコイイので、ぜひ、シリーズ化してくださいね。 -
タイトルのとおり、子供を抱えたシングルマザーの女性探偵が主人公。ほぼ便利屋としての仕事をこなしつつ、たまに舞い込む探偵業で、時には危険な目に会いつつも依頼人を助けていく。著者の作品にしては、バイオレンス色少なめで好感をもった。あと、東北を舞台にしているので、主人公含め全員方言混じりというところが新鮮。
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方言が慣れなかったですが、面白かったです。
続くのかな…? -
今、地方で起こっていることがなんなのか?
よくある探偵小説のように
犯人の動機と犯行方法を調べ上げて
詰問すれば解決とはいかない。
多くの犯人が罪を犯す意識がない。
もしくは、犯したくないけれども自分のプライドや生活などを守るために行う。
罪が明らかになった後も自白してくれない犯人に対して
主人公の椎名留美は時に、果敢に、根気よく立ち向かう。
かといって万事解決にはならないところが読んでいて心地よい敗北感につながる。 -
う~ん。方言読みにくい。
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ちょっとハードボイルドタッチの、女性探偵の活躍を描く短編集。舞台が山形市で、なんとなく田舎っぽい雰囲気。全体的に事件は小さめだし、受ける依頼自体もほぼ便利屋なのだけれど。それでもカッコよさは充分に感じられました。
お気に入りは「苦い制裁」。ああ、こういう男っていそうだよなあ、と思えるだけに、この解決は実に痛快! 留美の選択も実にカッコよくって素敵です。 -
前に読んだのがあった。宝石ザミステリー収録。
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山形の地方都市で、刑事を辞めて便利屋もどきの探偵業を営んでいる椎名留美の名推理?と活躍を描いた連作短編集だ。
最初の事件は、名産のさくらんぼ窃盗事件で、こういう日常の事件を訛りのすごいシングルマザー探偵が解き明かしていく話なのかなと思っていたら、人死にがあったり、けっこう重い事件もぼろぼろ出てくる。
しかし東北訛りの留美の猪突猛進っぷりが歪んだ事件に清々しさを与えていて、読んでいても絶望的な暗さは感じない。
留美が刑事を辞めた理由や夫との話などはほとんど触れないまま終わってしまったので、このまま続編が出るのかな。 -
クールでタフな女探偵・・・ただし、シングルマザー。
山形市で探偵業を営みながら小学生の娘、知愛と二人で暮らしている椎名留美は、もと警察官。
ただ、探偵稼業だけで食べて行けるほど、甘くはない。
パチンコ屋の行列並び、農家の手伝い、雪かきなど、ほぼ便利屋と化している・・・それもまたよしw
探偵業の方も、さくらんぼ盗難犯を突き止めて欲しいという依頼だったり、万引きGメンだったり。
あとは、まぁありがちなデリヘル、ホストクラブ絡みやストーカー対策など。貧困老人に大麻育成させるなんてのもあったな。
全編にいたり、ほぼ山形弁バリバリwww
たまにパートで雇う元ヤンキーでパチンコ依存症の恐妻家、畑中逸平とのコンビもいいw
娘はちょこっとしか登場せず、女手ひとつと言いながらシングルマザーっぽさを前面に押し出してきていないのも良い。
ぜひとも続きを読み続けていきたい作品である。 -
多少格闘シーンはあるが派手さは一切なく、それよりも舞台が山形の田舎で方言丸出しのため良い意味で緊張感を取り除き、質素な趣を醸し出している。女性探偵といのも新鮮で良い。次回作もあれば嬉しい。
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元敏腕警察官の留美は一応探偵?のシングルマザー。実質便利屋だが時折舞い込む探偵らしいトラブルを快刀乱麻を断つように見事に解決する。山形弁の会話で進行するストーリーやローカルな雰囲気を漂わせる展開はそれなりに楽しめるが,いつものアクション&バイオレンスを期待すると肩透かしを食らう。
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舞台は山形。探偵業を営むシングルマザーの話。違法風俗や大麻製造、ストーカー被害といったミステリー小説でよくある事件からさくらんぼの盗難事件といった山形ならではの事件まで6つの“仕事”が短編で描かれている。感想は…まず、方言がおかしい!山形在住の作家なのだから分かりそうなものだが、高校生などの若者はあんなコテコテの山形弁は使いません(苦笑)また、探偵なのにかなりの確率で追跡者からバレます(笑)女手ひとつと言いながら、必ず男性の力借りてるし…ツッコミどころ満載過ぎて、期待して読んだのにかなりガッカリな作品。
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過疎にあえぐ地方都市、クールでタフな女探偵。これが現代日本(いま)だ!
農家の手伝いや高齢者のおつかいなど、ほぼ便利屋と化している探偵の椎名留美は、山形市で娘と二人で暮らしている。元の上司である警察署長から、さくらんぼ盗難犯を突き止めて欲しいという、久し振りの探偵らしい依頼が入ったのだが……。