だからあなたは殺される

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911492

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。
    昇進をかけ、一心不乱に捜査する刑事の兄・正義。
    独自の情報網と行動力で解決しようとする高校生の妹・優羽。
    だが、ふたりを待ち受けていたのは驚愕の結末だった――。

    東京・立川で発生した女子高生モデル殺人事件。
    酔って歩いていた女性を行きずりで襲い、抵抗されたので殺した、
    とするには、遺体が余りにも無残過ぎる…。
    この殺人事件が軸となって物語が進んでいく。
    犯人を捜査する中で、新たな殺人事件が起こり、
    前半は展開が遅くて犯人の予想も全く出来ず読むのに時間が掛かった。
    しかし、驚愕の後半は一気読み。

    両親の離婚。母親が末期がんの末、自殺し高校生の優羽と同居する事になった刑事の正義。
    父親は母親も優羽を見捨てたのだった。
    優しくて良いお兄さんだと思ったのは一瞬で、すぐに違和感を感じ始めた。
    己の昇進だけに固執し、他の刑事の手柄に嫉妬する嫌な奴(*`Д´*)
    そして、妹の身を案じてる風で、執拗に協力させるのには嫌気が差した。
    そして、妹に暴力まで…。
    何て奴なんだと、ドンドン嫌悪感は増すばかり。
    しかし、それを上回る優羽の真実にびっくり(@_@;)
    そうならざるを得ない環境だったかもしれないけれど、本人の資質だろうなぁ。
    基本的に優羽の冷酷な父親、身勝手な母親、兄の正義。
    美樹の鬼畜の父親…嫌な奴ばかり。
    とっても怖いけど、したたかに強く生きようとする優羽の事憎めなかった。
    それにしても、真実は余りにも驚愕でした。

  • 女子高生が強かすぎて怖い。
    タイトルの「あなた」って誰だろうと思っていたら、最後の最後で答えが分かる。
    水生大海さん2冊目だけど、前回もかなりのイヤミスでなかなか巧妙な仕掛け。今回も登場人物がなんとなく嫌な人だし、最後のおちには驚いた。
    水生さん、生理的に嫌な感じの人書くのすごい上手。
    新イヤミス女王かな。
    他の本も漁ってみよう♪

  • 女子高生モデル殺人事件を軸にお話が展開していくのだけれど、事件の真相とか捜査とかより、人間性の焦点を当てている。なかなかのクズっぷりを見せつけてくれる。本当に終わり方は「嫌な終わり方」そのものでした。でも面白かった。

  • 刑事の兄としっかり者の妹が事件を解決する…ちょっとベタな感じの刑事モノ(2時間ドラマ風)かと思いきや……正義と優羽、名前が皮肉。正義、嫌なやつだけど、殺されるほど…?
    おじいちゃんの本当の息子は誰かに殺されたの?自称桃香父娘は本当の親子なの?とか謎は残るが、最後に前向きな自称桃香の姿で終わってよかった。

  • 兄にかなりイラついたので最後はスカッとした。スカッとしたけどイヤミスといえばイヤミスなのかな?

  • 主に語り手となる正義が手柄を立てようとガツガツし過ぎてて、全然好きになれず、妹に情報収集を頼んでるくせに威張ったり、果てにはビンタしたりで、何なのこの人、と思ってたら、最後に大逆転。こりゃどんでん返しだわ。そして久々のイヤミスだった。自称・桃香は本当にかわいそうだった。父親がいないとご飯が食べられないから、嫌だけど性的虐待も受け入れていたなんて。昌男のまだらボケの状態も恐ろしかった。自分もこうなっていくんだろうか。優羽もグイグイ度が強くて好きになれなかったけど、生きていくための手段なんだもんなぁ。途中まで登場人物に全然共感できなかったけど、最後は怒涛の展開で面白かった。一気読みできて良かったわ。

  • 自分のせいではない。
    それなのに何でこんな目にあうのかという思いから、冷静沈着に観察して自分にとってのためだけに動く。
    ここまでの我慢を強いて欲しいものは手に入るのか。
    そもそも何が欲しいのか自分でもわかっていないような気がする。
    大学に行っても、その願望は止まることが無いと思う。

  • 最後のページであなたは驚かされる・・・!って宣伝で書かれそうなオチです。

  • 最後まで読み終わってから、まざまざと存在感を現すタイトルの意味。
    手柄を立てようと躍起になる刑事の兄と活発な高校生の妹との連携や、着々と地道に固めていく警察の捜査から徐々に浮かび上がってくる事件の全容はよく練られていたが特に大きな驚きはなく、平常心で読めたと油断していたのが一転、事件解決後に心臓のドキドキと不穏な空気が加速する。蛇足のように感じなくもないが、これがこの作品の肝なんだな。
    そう、だからあなたは騙される。

  • 全ては彼女の掌の上で。
    身近な彼ですら気が付かなかったのならば、余程のミスをしでかさない限り彼女の素性は誰にもバレる事はないだろうな。
    最期まで彼女は冷静沈着であり、まさに死人に口なしという状態だったな。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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