南風(みなみ)吹く

著者 : 森谷明子
  • 光文社 (2017年7月19日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911775

南風(みなみ)吹くの感想・レビュー・書評

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  • この本の表紙は、正直いって、いい年したオヤジが通勤電車で読むには恥ずかしすぎる。あらぬ誤解をされぬよう細心の注意が必要(笑)。私は即、カバーを付けました。

    恐らくこの本は、高校生かその前後の年代の対象読者を想定しているのだろう。あるいは「俳句甲子園」への出場経験がある学生だとか、これから挑戦してみようとか考えている学生を意識しているかもしれない。

    対象から外れた本を無理して読む必要もないのだが、俳句の世界の扉の内側を少々覗いてみたいという者にとっては、とても入りやすいシチュエーションで、しかも内容も非常に興味深い。当然、俳句の鑑賞シーンが出てくるだろうから。

    小説としてもよい本だったと感じる。表現される描写も丁寧で、四国の島の分校に通う学生を取り巻くその島の生活や自然の情景が目の前に映像として浮かんできた。

    著者は取材もしっかりされたようで、ストーリーもよく練られていて全く飽きなかったというのが読後の正直な感想だ。

    そもそもTVでプレバトを見ていても、どちらかというと夏井先生と梅沢富雄の毒舌合戦をお笑い番組としてみていた自分だが、俳句というものの中身を少々知ってみたいと思ったのが、本書を読んでみようと思った動機だ。

    「俳句なんかは短すぎて何も思いを表現できない」と、俳句に対して拒絶ベースの来島京を、どうしてもチームのメンバーに加えたいと願うチームの発起人の河野日向子が、「五七五のたった十七音でも思いは伝えきることができる」と主張し、実際にやってみて、相手を納得させるシーンは、ある意味俳句の世界の扉を開いてみたいと思う者のなんとなくボヤ~と存在する疑問点を溶かしてくれるシーンでもある。

    たった十七音にあらゆることを表現できるというのは改めてスゴイと感じる。宇宙を動かす物理法則が、非常にシンプルな公式で表現されてしまうことと似ていると誰かが言われていたような気がする。

    本書を読んで、実際にYou Tubeで「俳句甲子園」の映像を見てみたが、一句には、様々な要素が凝縮されているという驚きもさることながら、その一句が様々な解釈を生み出すというのもまた新鮮な驚きだった。

    表紙の恥ずかしさに懲りず読了した報酬として、新しく得られたものは多いと思う。

  •  俳句甲子園という素晴らしい青春部活小説の場所。
     次の作品の季節は、秋か。

  • この作者は多才かつ多彩だなあ、と思いました。
    紫式部って、源氏物語の中の和歌、作ったんだなあ、と過去にしみじみ思ったことがあったのですが、「春や春」でも今作でも、高校生たちの俳句、全部作ってるんだなあ、って思ったら、それ一つですごいことだと感じました。
    「加藤東子」の名前を見つけて、とにかくワクワク、「春や春」と同じ大会だから当然かもしれないけど、ところどころに懐かしい光景が出てくるだけどワクワクしました。
    読み始めは前作と同じように感じられたのですが、だんだんとそれぞれの団体、それぞれの登場人物にはそれぞれのストーリーがあるということが分かってきて、ページを繰るスピードが速くなりました。
    そうか、あの句の作者はこうだったんだ、という驚き。
    終末の多くのエピソードのたたみ方。
    なんだか、とてもうれしい本です。
    いらないことですが、表紙に載っている6人の高校生は誰が誰なんだろう?などと考えました。
    繰り返しになりますが、読み終えてとても嬉しい気持ちになる本です。世の中の人みんなに、なんだかエールを送りたくなるような本です。

  • 俳句甲子園を舞台にするとは、また渋いなぁ。
    職業柄、もちろん知っていますが、
    よほど大きな進学校でないと
    俳句甲子園に出場してみようという生徒は
    存在しないのではないでしょうか。

    でも、俳句自体はおもしろいよねぇ。
    難しいけれど、おもしろい。
    主人公・航太がルールがあるから面白いのだと
    言っていたけれども、まさにその通り!

  • 短歌青春小説。

    「春や春」のサイドストーリーというか、別の学校の話。

    俳句に情熱をかける高校生の話。

    今回は廃校寸前の小さな高校の高校生が俳句甲子園に臨むという青春と情熱の話。

    さわやかで心あらわれます

  • テレビの「プレバト」で俳句が少し盛り上がっている。単純に言葉を五七五にすればいい訳じゃなくて、季語を入れてかつ情景が伝わるようにしなければならないらしい。
    高校生が俳句甲子園を目指して頑張っている姿がいいね。特に来島兄の答礼句がヤマ場だったね。

  • 俳句甲子園にチャレンジする廃校寸前の離島の高校に通う子どもたちの成長を描く。離島、進学、家業、家族など、さまざまな問題にぶつかりながら、自分の生き方を決めていく。前作と同じ時間軸の話。

  • 瀬戸内海に浮かぶ五木島の分校に通う高校生たちが、俳句甲子園出場を目指す! 俳句初心者の航太、常に全力一直線の日向子、どこか陰のある美少女の京……。個性的な仲間たちが力を合わせ成長する姿がまぶしい、青春エンタテインメントの傑作!

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