乗りかかった船

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  • 光文社
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911843

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は創業百年を迎える中堅造船会社・北斗造船。
    配属・異動・昇進・左遷…人事の数だけドラマがある。
    7編の連作短編集。

    ・海に出る
    ・舵を切る
    ・錨を上げる
    ・櫂を漕ぐ
    ・波に挑む
    ・港に泊まる
    ・船に乗る

    人事部の雄平は、工学部で機械工学を専攻し、大学院を卒業したにも関わらず、
    最初に配属されたのは営業部だった。
    どうして営業部に回され、次は人事部なのか。
    戸惑う雄平だったが…。

    創業百年を迎える中堅造船会社を舞台に、年齢もキャリアも役職も
    様々な人々たちの視点で描かれている。
    誰もが希望する部署で働けるわけでもなく、会社には会社の考えがあり
    適材適所と言われても、納得できない事も多々あると思う。
    いつも何がどうなって…どんな人のどんな思いでこの人事異動になったのかって思ってた。
    それぞれの人が複雑な思いを抱えていて、その気持ちが凄く良くわかった。
    それぞれが、悩みながら紆余曲折しながも乗り越えていくのが良かった。

    北斗造船はとっても良い会社だなぁ。
    きっと、取材に応じて下さった常石造船さんがそうなのでしょうね。
    人事部長の倉内さんが良かった。ニヤリと笑えました。
    人事部って本当に謎…。
    支店が多く従業員も多い、そんな会社でも目は行き届いているのだろうか…

  • 北斗造船で働く人たち。

    希望通りの部署に行けずに人事部に異動になった苛立ちと不安。

    社内不倫のすえに人事部から技術の部へと異動した決意。

    お世話になった部署の先輩への気遣い、新しい部署への自らの挑戦。

    昇進後の自分の仕事の配分と部下の育て方に悩んだこと。

    昇進して男社会の会社で奮闘する会社の秘密兵器の女性社員。

    本社でうまく仕事を回していたと思っていたのに、突然の北海道への単身赴任。

    北海道から本社で社長にならないかという誘い、たった1人の家族の母への思い。

    みんな色々考えるところはあるわけ、ね。
    登場人物たちの思いがぎゅうぎゅうにつまって
    なんともなんとも。

  • 造船会社の色々な部署での話し。どれも静かな話で、つながっているようで、つながってはないかな。 2018.7.2

  • 正直かなり読みにくかった。少しずつつながりがあるのはよかったけれど

  • 連作短編7編
    経営厳しい中堅造船会社の人事異動に絡む悲喜こもごものお仕事小説.それぞれ新しい場所への不満ややりがいなどいろんな立場性格で書き分けていて面白い.黒幕的な人事部長倉内氏,渋い魅力を放っています.

  • 話しがつながっている連作短編集です。ちょっとキレイ過ぎてあっさりしているかな。

  • 2018.1.16.読了
    大学の工学部で機械工学を専攻し、大学院を出たあと(北斗造船」に就職した野村雄平。入社当初、当然、専攻を生かした設計部や建造部に配属されると思っていたのに出た辞令は営業部。その後も課が移っただけで技術関係に行かされることなくようやく出た2度目の異動の内示。今度こそ!と意気込んだ雄平の異動先は…。そしてそこで巡りあった後輩達に自分を重ね合わせる-「海に出る」
    面白い!と思い、次の章「舵を切る」に行ったとたんに主人公はガラリと変わり、溶接部門の佐藤由美になる…北斗造船の様々な職場の主人公を描いた連作短編集だった。以前は好きだったこのスタイルはあまりに最近多すぎて食傷気味で少しガッカリ。でも、気を取り直して読み進める。その後技術開発部第三課の課長に新しく就任し戸惑う川瀬を描いた「櫂を漕ぐ」女性でありながら社長直属の事業戦略室長に抜擢された村井玲子の女性ならではの悩みを描いた「波に挑む」52歳にして事業戦略室長から北海道支社長に異動させられた太田武夫。年齢的に最後の異動となるだろうことに悔しさを隠しきれない「港に泊まる」そして太田と入れ替わりに社長として戻ることになった北里進。離婚後北海道の母と穏やかに支社長を勤めていた北里にとって今回の異動は本意ではなかった最終章「船に乗る」

    造船会社というあまり馴染みのない業種のそれぞれの部門が描かれていてそこは面白く読んだ。以前の章に出てきた人物がさりげなく出てくるという連作短編集の醍醐味は楽しめた。ただ、一つ一つの話が薄い印象があって、もう少し知りたい!と思ったところで終わってしまうのが物足りなく残念に思えた。

  • 2018/1/7(日曜日)

  • 中堅の造船会社で働く人々を描いた小説。登場人物はそれぞれ繋がりがあり、組織で働くことや、造船会社での仕事がわかる。希望とは異なった人事によって、個人にはいろいろな葛藤や考えがあっても、会社が効率的に運営されていくことは理解できる。しかし、キャリア権のような考え方が台頭する世の中にあって、雇用の確保を条件として、仕事内容や勤務地を会社の人事に委ねる生き方は過去のものになりつつあり、懐かしを感じる面もある。

  • 造船会社の社員を主人公とするオムニバス小説。
    自分の希望の職種につけないそのほか、会社あるあるといっていい境遇ばかりでてくる。
    短編タイトルが船にちなんでいて、どういう風になるんだろう?と想像するのも楽しい。
    悩みは解決といたらずとも、少なからず光は見える終わり方で希望がもてる。

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プロフィール

1981年兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。他の著書に『ぱりぱり』『松ノ内家の居候』『左京区桃栗坂上ル』『乗りかかった船』『ありえないほどうるさいオルゴール店』など。

乗りかかった船のその他の作品

乗りかかった船 Kindle版 乗りかかった船 瀧羽麻子

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