みちづれはいても、ひとり

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911911

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    子供はいなくて、夫と別居をしてて仕事を探している弓子39歳。
    男とすぐ付き合ってしまうけど、二股はかけない、不倫はしない、
    独身で仕事を辞めたばかりの楓41歳。
    仕事もない、男ともうまくいかない二人がひょんなことから
    弓子の逃げた夫を探す旅にでる…。

    アパートの隣人として知り合った二人の微妙な距離感が良い。
    ただの隣人ってだけでなく友人と言えなくもない二人が旅に出る。
    誰かと一緒にいても独りだと感じさせられた。
    何だか切ないけれど、夫婦であっても家族であっても
    友人といても…結局はひとりなんだ。
    旅先の離島に暮らすシズって女性がとっても嫌な人(*`Д´*)
    シズの口癖が「普通はこうあるべき」
    「普通はこうあるべき」の普通ってなんだろう。
    何がどうで普通なのか。
    普通は人によって全く違うと思う。

    弓子と楓ダメダメなふたりかもしれない…。
    でもダメダメで良いんじゃないかって言われた感じがした。
    ダメダメな二人を応援した気持ちになった。

    結構重いテーマで重いお話だけど、
    サラサラ読めました。
    心に響く言葉も沢山散りばめられていました。

  • 寺地はるな、3作目。ほんわかしてて見逃しがちだけど、思い返せば3作とも全部よかった。
    わたしのような甘えて生きたい人には、今後も頼りたくなるような名言がいっぱい、毎度。

    別居中のだんなさんが失踪して、特に探したいわけでもないのに、目撃情報を元に今のお隣さんといっしょに探しに行くはめになって、というストーリーです。ネタバレですが大丈夫、そのストーリーの中で、甘えるなということと、多少甘えてもいいんだよ、ということを言っていて、わりと前向きな気持で読み終えられるところがおすすめです。
    特に好きなのは、弓子が、自分はどんな辛いときにも泣かなくて、そうやって感情をむやみに表に出さないことが大人だと思っていたけどそれは痩せ我慢にすぎなかった、って省みるんだけど、一方で、お隣さんの楓さんは、大したことじゃないからって弓子が言わずにいることを、大したことないのなら言えばいいのにって腹を立てるところです。そんな優しいのがたびたびあって泣きたくなる。

    「一緒にいて死んじゃうくらいなら別れたほうがいいのよ」ともゆってくれています。甘えて逃げるだんなさまのことはだめだって言ってるのに、逃げないで頑張ろうとする人には、しんどすぎるときは逃げちゃえってゆってくれるの、それは寺地さんは毎回ゆってくれるの、だからまた読みたいです。

  • 読みやすい。共感と安心。意外性もあり。小説読むって楽しいなと改めて思った。

    歩け。

  • 夫と別居中で子供のいない弓と独身の楓。
    共にアラフォーで休職中の冴えない二人が、弓の行方不明の夫探しの旅に出た。
    不惑の二人が訪れたのは何もない田舎の島。
    島の、思い込みが激しくめんどくさい女に振り回されながらも、二人はそれぞれ「自分」を取り戻していく。
    人生思うようにいかないジレンマや遣りきれない思いを抱え悩みながら、けれど程よい距離感を保つ二人に共感した。
    (めんどくさい方の女にはムカついたけれど…)

    友達だって夫婦だって、ただ一緒にいるだけ。
    「ふたり」なのではなく「ひとりとひとり」だ。

    「歩け」という、他ならぬ自分自身の声に背中を押されて、ゆっくり確実に一歩踏み出す弓。
    大人同士の付き合い方、距離のとり方について考えさせられる物語だった。
    タイトルの付け方が巧い。

  • 夫と暮らす家を出た後に夫が行方不明になった弓子、その隣の部屋に住む楓。アラフォーの二人は、弓子の夫を探すために、義母の故郷の島に旅に出た。

    テーマは自分、個人を尊重すること。
    二人でいることの相乗効果で、お互いの良さが引き出せ、さらに強くなったように思います。
    自分で決めたことに揺らがなくなった二人の姿が素敵でした。

    義母の光恵さんもいいですね。これから先も、弓子は光恵さんと友達で入れるだろうと思える終わり方で良かった。

    シズには、理由があったにせよ、イライラさせられました。折々で母としてのきちんとした姿を見せていたので、今後は尚太の母として普通に!生きて欲しいと思います。

  • 子供はいなくて、しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で、今は職を探している弓子39歳。男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股はかけない、不倫はしない、独身で休職中の楓41歳。ひょんなことから弓子の逃げた夫を探す、不惑女二人の旅路。

  • 2018/7/26

  • 2018/7/26
    ‪淡々としてチクっと刺してくるのかな、と思っていたら、思いの外どぎつかった。‬
    ‪人にどう思われるか、よりも自分の生きたいように生きる。でもそうすると疎まれる。死ぬまでずっとそうなんだろうなぁ。‬

  • メインキャストは40代の二人の女性。
    「メゾン・ド・川」なる安アパートに住み、職を探すことになる独り暮らしの隣人同士が、とある島へ旅に出かけ数日を過ごす。
    女性には共感できる部分が多くのでは。この二人の女性に関わってくる「しょうもない男」その行動は極端だけれど、なんか理解できる部分もあるかも…というのが男性目線からの感想。
    40代~50代にかけての心のゆらぎみたいなものと、そこから生まれる強さとか、繋がり、前を向く意味。そういったものを感じとれる。
    読み終えてから改めて装画を見ると、すごくいい絵だなって思えます。

  • 離婚しようとしている弓子、たくさんの男と付き合ってみるけれど、今ひとつ決められない楓。
    2人とも、どこにでもいそうなアラフォー女性ですが、2人のプロフィールがしっかりしているので、登場人物の心の裡を描く描写が秀逸に感じられます。
    共通のタレントのファンで、弓子と仲がいい姑の光恵さん、楓のセクハラ社長、島の女性マキさんとシズさん。
    そして、弓子がここが許せない、と思うのにいっこうに理解していない元、夫。
    どの人も面白くて、ロードムービー、見てみたい。
    いつものはるなさんとちょっと違うところがあって、それも面白いのだけど、定石通りかなという気もしてそれで☆は三つ。

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プロフィール

寺地 はるな(てらち はるな)
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第四回ポプラ社小説新人賞を受賞。
著書に『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『みちづれはいても、ひとり』『架空の犬と嘘をつく猫』『大人は泣かないと思っていた』がある。

みちづれはいても、ひとりのその他の作品

みちづれはいても、ひとり Kindle版 みちづれはいても、ひとり 寺地はるな

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