みちづれはいても、ひとり

著者 :
  • 光文社
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911911

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    子供はいなくて、夫と別居をしてて仕事を探している弓子39歳。
    男とすぐ付き合ってしまうけど、二股はかけない、不倫はしない、
    独身で仕事を辞めたばかりの楓41歳。
    仕事もない、男ともうまくいかない二人がひょんなことから
    弓子の逃げた夫を探す旅にでる…。

    アパートの隣人として知り合った二人の微妙な距離感が良い。
    ただの隣人ってだけでなく友人と言えなくもない二人が旅に出る。
    誰かと一緒にいても独りだと感じさせられた。
    何だか切ないけれど、夫婦であっても家族であっても
    友人といても…結局はひとりなんだ。
    旅先の離島に暮らすシズって女性がとっても嫌な人(*`Д´*)
    シズの口癖が「普通はこうあるべき」
    「普通はこうあるべき」の普通ってなんだろう。
    何がどうで普通なのか。
    普通は人によって全く違うと思う。

    弓子と楓ダメダメなふたりかもしれない…。
    でもダメダメで良いんじゃないかって言われた感じがした。
    ダメダメな二人を応援した気持ちになった。

    結構重いテーマで重いお話だけど、
    サラサラ読めました。
    心に響く言葉も沢山散りばめられていました。

  • 寺地はるな、3作目。ほんわかしてて見逃しがちだけど、思い返せば3作とも全部よかった。
    わたしのような甘えて生きたい人には、今後も頼りたくなるような名言がいっぱい、毎度。

    別居中のだんなさんが失踪して、特に探したいわけでもないのに、目撃情報を元に今のお隣さんといっしょに探しに行くはめになって、というストーリーです。ネタバレですが大丈夫、そのストーリーの中で、甘えるなということと、多少甘えてもいいんだよ、ということを言っていて、わりと前向きな気持で読み終えられるところがおすすめです。
    特に好きなのは、弓子が、自分はどんな辛いときにも泣かなくて、そうやって感情をむやみに表に出さないことが大人だと思っていたけどそれは痩せ我慢にすぎなかった、って省みるんだけど、一方で、お隣さんの楓さんは、大したことじゃないからって弓子が言わずにいることを、大したことないのなら言えばいいのにって腹を立てるところです。そんな優しいのがたびたびあって泣きたくなる。

    「一緒にいて死んじゃうくらいなら別れたほうがいいのよ」ともゆってくれています。甘えて逃げるだんなさまのことはだめだって言ってるのに、逃げないで頑張ろうとする人には、しんどすぎるときは逃げちゃえってゆってくれるの、それは寺地さんは毎回ゆってくれるの、だからまた読みたいです。

  • 深い。タイトルの意味が、読み終わった頃にはすっと胸に落ちてきた。

    これは、きっと私が20代の頃に読んでもわからなかっただろうなー。

    結婚してても、独身でも、子供がいてもいなくても、親友がいても、家族がいても…
    結局のところ、人はひとりなのだ。

    こういう風に描いてしまうと、少し寂しすぎる気はするけれど。


    周りにはどうしようもなくイヤな人もいるのが現実だけれど、年齢や境遇がたとえちがっても、繋がり合える人もいる。
    みちづれになってくれる人が、きっといる。


    人はひとり、だからこそ、そういう人たちの存在に気付けるのかなーと思ったりもした。

  • 涙の理由を探し求めている。孤独な理由を知りたがっている。傷を舐め合い、笑い飛ばして、握り合った手は汗がじわりと滲む。
    みちづれはいても、ひとり。だからなのかもしれない。
    女でこの歳でこの作品に出会えたことに感謝したい。10年後読み返す自分を何度も思い描きながら、そんな私に問う。今、幸せですか?心からの安心感を得られているでしょうか?私は、ちゃんとした大人になれましたか?
    自分の存在意義、価値は、他人に認められて初めて見い出せるものだと思っていた。だけれど、少なくとも私の中では私で精一杯なのだ。世界は私を中心に回っている!そう叫んで何が悪い、そう思えた。
    誰かといても、私のことは私にしかわからない。人は永遠に独りなのかもしれない。
    それでも誰かとご飯を食べてること、寂しい時に頼りたい顔が浮かぶこと、手と手が繋ぎあっていること、帰れる貴方がいる幸せ。安心感。
    道連れにしても、決して不幸にはしない。ならない。貴方といる限り。

  • 読みやすい。共感と安心。意外性もあり。小説読むって楽しいなと改めて思った。

    歩け。

  • 夫と暮らす家を出た後に夫が行方不明になった弓子、その隣の部屋に住む楓。アラフォーの二人は、弓子の夫を探すために、義母の故郷の島に旅に出た。

    テーマは自分、個人を尊重すること。
    二人でいることの相乗効果で、お互いの良さが引き出せ、さらに強くなったように思います。
    自分で決めたことに揺らがなくなった二人の姿が素敵でした。

    義母の光恵さんもいいですね。これから先も、弓子は光恵さんと友達で入れるだろうと思える終わり方で良かった。

    シズには、理由があったにせよ、イライラさせられました。折々で母としてのきちんとした姿を見せていたので、今後は尚太の母として普通に!生きて欲しいと思います。

  • 子供はいなくて、しかも夫と別居中で、ちょっと前まで契約社員で、今は職を探している弓子39歳。男とすぐに付き合ってしまうけれど、二股はかけない、不倫はしない、独身で休職中の楓41歳。ひょんなことから弓子の逃げた夫を探す、不惑女二人の旅路。

  • 二人の年齢が自分に近いからかすごく面白い小説。若い子はちょっとピンとこないかもしれない。
    清濁飲み込んでって自分で納得しててもなかなか全部は難しい。それをちゃんとそういうもんだと理解して歩いていく。そう思うと二人はよい旅をしたのだなと。
    あと弓子と楓は真逆なようで似てる。

    自分の生き方や考え方が全部正解だと思う人はどれくらいいるんだろう。ということを考えた。
    タイトルがとても良い。

  • 光恵さんと映画を観ているシーン。
    時折カラスの映像が入る。「難解なメタファーを読み取ろうとするような気力は、今の私にはないのだ」
    (こういった映画に遭遇すると、似たような事を感じていた)

    シズさんが登場した章、「わたしが見慣れない」ことが「一般的にめずらしいこと」として語られる様に、指や足で机や床をトントントンと弾きたくなる衝動が溜まる。けれど、弓の一応気を遣った返し方や'周りだの世間だの気にすることは別に構わないが、それを他の人間に押し付ける人はやっかいだ'の言葉にそうだそうだ!と思いながら読む。

    空気がひんやりとしたと感じる場面に少しだけハラハラとした。
    「普通」は便利な言葉だけど、自分が使う(思う)場面は大抵、他人を自分の尺度で測るときかもな...と考えていた。そればかりではないけれど、斜に構えた自分を想像して少し笑った。
    ひとりひとり違う尺度がある、イメージを押し付けるのは簡単だけど、押し付けられる側はうんざりすることも多い。

    弓子と楓よりも年齢が下な私だけど、似たようなことにぶつかったりもしていて、悩みつつもハッキリと物を言える2人はカッコいいなと感じた。
    わたしはわたし。そう思える自分を大切にしたい。

  • 途中飛ばした。何か、夫が失踪した女と、その隣人の女目線の話。
    結局夫はシズという別の女の所にいって、そこからも逃げようとしてたっぽい。あんまり好きじゃないな。

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著者プロフィール

寺地 はるな(てらち はるな)
1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第四回ポプラ社小説新人賞を受賞。
著書に『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『みちづれはいても、ひとり』『架空の犬と嘘をつく猫』『大人は泣かないと思っていた』『正しい愛と理想の息子』がある。

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みちづれはいても、ひとり Kindle版 みちづれはいても、ひとり 寺地はるな

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